日本が抱える少子化問題の真の原因が海外に拡散。二階幹事長の“身勝手”発言

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二階幹事長の発言は『テレグラフ』など、多くの海外メディアで取り上げられた

子どもを産まないほうが幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」。ご存じのかたも多いだろう、自民党・二階俊博幹事長の発言だ。すでに国内でも多くの批判が噴出しているが、またまた「日本人政治家の失言」として海外メディアからも注目されている。

データをもとに日本の窮地を解説

 当サイトでも、たびたび海外メディアの反応を取り上げてきたが、その“注目度”が下がる気配はないようだ。

ガーディアン』には、「日本の幹事長が子どものいないカップルは“身勝手”と発言」という見出しが踊った。

「戦中、戦後の食うや食わずの時代も、子どもを産んだら大変だから産まないようにしようと言った人はいない。この頃、子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」

 この二階幹事長のコメントともに、同記事では少子化問題に苦戦する安倍政権の姿が浮き彫りにされている。

“安倍晋三首相は出生率と職場での女性の数を上げようとしてきた。しかし、政府は約束に見合った保育所の数を提供することに苦労している。最近の調査によると、70%の親がもっと多くの子どもをほしがっているが、経済的不安やワークライフバランスの問題によって思いとどまっているという。野村総研の報告によれば、約34万8000人の子どもが幼児施設から拒否されている”

 発言そのものだけでなく、具体的なデータを用いて日本の少子化を詳細に伝えているのだ。

 また、この問題に絡めて、加藤寛治衆院議員の「女性は複数の子どもを産むべき」萩生田光一官房副長官の「子育ては女性の仕事」という発言も取り上げている。どちらも先月立て続けに出たもので、海外メディアでなくとも、少子化に悩んでいる日本でいったい何が起こっているのかと思わざるを得ない状況だ。

 記事はそんな日本が置かれている過酷な現状で締めくくられている。

“日本では昨年、約94万1000人の子どもが産まれた。これは1899年に記録がとられるようになってから最低の数字。(中略)国連人口統計年鑑によれば、4000万人以上の人口を持つ32か国のなかで、日本は全人口にしめる子どもの割合が12.3%と最低である”

 政治家が失言する、それを別な政治家が批判する、その様子にコメンテーターが苦言を呈する……。日本ではそんな報道ばかりを目にする。しかし、海外メディアの報道では、発言内容と具体的な数字だけで、いったい何が問題なのか一目瞭然だ。

 いっぽう、『ウォール・ストリート・ジャーナル』には「子どもがほしくない? 日本の首相がそれでも大丈夫と発言」との見出しが。二階幹事長の発言を受けて、「子どもを産むかは本人の選択」と安倍首相が火消しに走った様子が取り上げられている。

 そのほか、『インデペンデント』でも「政界の長老が子どものいないカップルは“身勝手”と発言」という記事が見られた。『ガーディアン』と同じく、こちらの記事でも5月に連続して起きた少子化関連の失言、保育所不足、子どもがほしくても産めない親の数などが紹介されている。

 データが示すとおり、少子化問題はかなり厳しい状況になっているが、それに対処しなければいけないはずの政治家からは投げやりな発言が相次いでいる。この様子に疑問を持つなというほうが無理な話だが、二階幹事長の“身勝手”発言を読んだ外国人に話を聞くと、案の定「何をやっているんだ……」という反応が返ってきた。

「トランプはそれより酷いことを毎日言っているけど、彼はあまりいい例じゃないかもね(苦笑)。それはさておき、実際に問題を解決するより、指差すだけっていう政治家のお決まりの行動だと思う。なんで日本政府が児童手当や家族休暇を増やさないのか? なんで女性や夫婦が経済的に安心できるよう、機会を与えないのか? なんで同性婚を合法化して国内外の養子を受け入れ、将来の税収を確保しないのか? 何もしない国民が身勝手すぎるんだと思う。政府だけのせいじゃないよ」(アメリカ人・男性・35歳)

 現状を放置している国民にも責任があるというのが興味深い。こういった政治家だけでなく、国民の責任を指摘する声はほかにもあった。

「そもそも子どもを産むっていうのも身勝手な行為だと思う。あと、(萩生田官房副長官の「ママがいい」発言を指して)『性差をなくそうとか、男性が育児をするってクールな話をするけど、子どもにはよくない』っていうのも意味不明。ありえないぐらいバカね」(ノルウェー人・女性・33歳)

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