Niantic を立ち上げたとき、「発見」「運動」「実社会でのつながり」の 3 つを価値観の中心に据え、会社のミッションを作りました。でも、そのときには拡張現実 (AR) が皆さんや皆さんがお住まいのコミュニティに、このように良い影響をもたらすものになるとは、考えてもいませんでした。私たちのテクノロジーへの情熱とゲームづくりにかける強い思いを組み合わせて、年齢を問わず多くの皆さんに、これまでになかった新しいおもしろさをお届けできのはとても幸せなことです。
今日は、少しだけですが、私たちが開発している「Niantic リアルワールドプラットフォーム」をご紹介します。こうしたお話をするのは今回が初めてですが、こちらをご覧いただくと、Nianticがどのくらい本気でARに取り組んでいるのか、どんな地平を切り開いてきたのか、おわかりいただけると思います。
昨年一年を通じて、私たちは AR マップとコンピュータビジョンの分野に戦略的な投資を行ってきました。Niantic のめざす「地球規模のAR」の実現にむけ、Escher Reality を合併したこと以前ご案内しました。本日は、コンピュータビジョンと機械学習を専門にする企業 Matrix Mill も Niantic に参加し、これによってロンドンにも初めて拠点を設けたことをご報告します。この 2 つのチームとの協力を通じて、現在の「Niantic リアルワールドプラットフォーム」ができあがり、将来、どのようなことが実現できるのかを再確認することもできました。
「Niantic リアルワールドプラットフォーム」は、デジタルの世界と現実の世界の間をつなぐオペレーティングシステムです。わたしたちは、これまで培ってきた技術開発の経験を活かし、地理空間技術の限界に挑戦して、実際の世界の上に、これまでなかったおもしろさを重ねようとしています。
現実世界のモデリング
「Niantic リアルワールドプラットフォーム」は、コンピューターが見る世界を、これまでの道路や車を中心に考えていたモデルから、人間を中心に考えた世界へと進化させます。公園や歩道、公共のスペースなど、人間中心の世界をモデル化するには、たいへん多くのことを計算しなければなりません。こうした場所の三次元の細かいモデルを作り、コンピューターがすばやく処理できるようにしておかなければならないからです。
また、Nianticは、このような高度な技術を、スマートフォンのような比較的非力なモバイル機器で使えるようにするという課題にも挑んでいます。質の高いおもしろさを提供するためには、利用者の方々を取り巻いている環境の正確なモデルが、どんどん動的に変わっていく、「ライブ」モデルが必要です。このためには、人物の周囲が変化したり、人やモバイル機器が移動したりするたびに、モデルを調整し直すという、たいへん難しい作業を行わなくてはなりません。
カメラや人が動くなかで、ずれないように合成して投影するのはかなり大変ですが、機械学習とコンピュータビジョンの組み合わせを、スケーラブルで信頼できるインフラの上で走らせることで、解決しようと取り組んでいます。
現実世界を理解する
最先端のARを可能にするためには、世界がどう見えるかだけではなく、そこにあるものが何であるのか、何をしているのか、それぞれはお互いにどう関係しているのかなど、「意味」を考えなくてはいけません。「Niantic リアルワールドプラットフォーム」は、ARのオブジェクトが現実のオブジェクトの前で止まったり、後ろを走り抜けたり、上に乗ったりといったことが可能になるよう、コンテクストを考慮したコンピュータビジョンをめざして開発しています。