20人以上辞めて部署半壊!ダメ上司が考え方を変え6ヶ月で立て直した方法

管理職やマネージャーを任されたは良いものの、思うように数字が伸びなかったり、部下の教育が上手くいかない…など悩んでいませんか?

僕自身、営業で社内1位を達成し、23歳で50人の部下を抱えるマネージャーになったことがあります。ただ、わずか6ヶ月でその半数程が僕のもとを去って行った辛い経験となるのですが…。

ここでは、部下との接し方が上手くいく考え方を僕の体験談からお伝えしていきます。

マネージャーが自分の意見を押し付けるだけでは、部下の成長はありません。

もし部下との接し方に不安のある方や上手くいかないと感じる方は、こちらの記事がヒントになるかもしれません。

最終更新日:2018年6月29日
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佐々木 英雄
執筆者

佐々木 英雄

2013 年、株式会社しるべを設立。大学生を主な対象に、即戦力人財育成のための教育事業を無償で提供。創業以来約 200 名に及ぶしるべの卒業生の就職内定率は 100%。親身に学生に接することから、指導を受けた学生に、「情熱が服を着て歩いている」と言われるように。 しるべの教育カリキュラムは実践環境と座学を通じて、徹底的に“結果にコミット”する力を養い、「目標設定力」「挑戦するメンタリティ」「自己分析力」を高い次元で習得させることが特長。

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1、23歳で営業部50人の部下を持つことに

僕は20歳で就職し、すぐにベンチャー企業の九州支社に配属され、その1年後に東京支社へ移りました。

最初の九州支社での1年間は、サボり癖がついてしまい、全く仕事に集中することなく無駄な時間を過ごしてしまいました。だからこそ今回の東京支社では「絶対に結果を出して、人生変えるんだ!」と意気込んでいました。

その東京支社では、飛び込み営業に配属されます。

「絶対に結果を出す」という固い意志を持っていたこともあり、僕は他の人が1日に100件回るのなら、僕は200件、300件と回り、他の人がタバコを吸って休憩している間にも僕はひたすら走り回っていました。

その行動量が実を結び、1ヶ月に354件の契約を取って22歳でトップセールスを達成しました。そして僕は、「結果を出せば、周囲の自分に対する評価も変わり、扱いも変わる。何より仕事が本当に楽しくなった」と感じていました。

そうして結果を出した僕は、23歳になった頃、50名ほどの事業部を任されます。僕はこれに驚きを隠せなかったと同時に、どこか誇らしい気持ちを隠せませんでした。

2、調子に乗ったダメ上司誕生!

結論から言いますと、元々は50人以上いた社員の半分以上をやめさせてしまい、事業部の売上は伸び悩むどころか、下がる一方でした。

原因はおそらく「自分のやり方を押し付けてしまった」ことにあります。

今だからこそ、この原因に気づけましたが、当時の僕はマネージャーとして必死に数字を追うだけで、自分の落ち度に気付くことができませんでした。

この事業部では、同い年の社員もいましたが、どちらかというと年上が多く、年の差が10歳以上の部下も珍しくありませんでした。僕はそれなりにやりづらさを感じていましたが、同様に部下の目には「超イヤな上司」として映っていたと思います。

部下からの冷たい目線を感じながら、ロープレ(営業シミュレーション)など部下の教育に励みますが、結果にはつながりませんでした。今思えば、毎日結果を出そうと必死にロープレを行っていました。

ただ部下が外に出てやってみると結果はともなわず、やはり練習と本番とでは全く違います。それにも関わらず当時の私は「どうせみんなさぼっているのだろうな」と思い込んでいました。

なぜなら、自分が現場に出てやると簡単に契約は取れるのに、どうしてみんな契約が取れないのか、どうして結果が出ないのかが全く分かりませんでした。

僕は過去の実績があるので「トップセールスである僕のやり方を言われた通りにやれば契約とれるのに」とも思っていました。

当初はマネージャーとしても社長から期待されますが、結果が出ない日々が続き、自分に対する余裕がどんどん無くなっていきます。

その結果、件数が取れない人に対して「何でできないんですか?どうしてやらないんですか?」とできない人を詰めるようになってしまいます。

それを続けていったのちに、初めは50人以上いて和気あいあいとしていた部署の雰囲気は、次第に殺伐とした重苦しい空気になっていきました。

社員は僕がマネージャーになってから、半年かけて少しずついなくなっていきました。

ある時、辞める連絡が部下から来て、話を聞きに家まで迎えに行ったりしましたが、会社に戻ってくることはありませんでした。

その結果、半数近い25人が辞め、元々いた人数の半分になってしまいました。

3、部署立て直しのために実践したこと

僕はこの状況を眼前にし、非常に焦っていました。しかし僕の焦りとはうらはらに、無常にも結果は出ません。

「どうして結果が出ないのだろうか」と思い、僕は上司の方や同僚に意見を求めてみたり、もう一度自分で現場に出向いてこの現状を打破する解決策を見出そうと模索していました。

その中で、1人の同僚と「なぜみんなやらないのか、結果が出ないのか、自分はこんなに真剣に人生を変えようと思っているのに」という話をします。

その話を同僚にしたところ、僕の想定していた答えとは異なるものが返ってきます。

「お前は確かに件数出してて人生変えようと頑張ってるのは良く分かるけど、他の人はそうでもないでしょ。あと最初からそんなにうまくできないから。お前もそうだったんじゃないの?」と言われました。

僕はここで、「1人1人置かれている状況というのは、全く違うものだ」ということを知りました。

1人1人とじっくり向き合うことからスタート

そうして部下の何人かの話をよくよく聞いてみると、部下の中には前の職場を辞めさせられ、たらい回しにされている人や、家族のために働いている人、今年新規採用で入社した新人(僕より年上)など、確かにずっと人生変えたいと思って必死にやっていた僕とは違った背景を持っていました。

これは当時の僕にとっては本当に衝撃的なことで、今思えば当然のことのように感じますが、その時の僕にはその感覚が全く分かっていないまま人と関わっていました。

社長になりたくて来てるわけでも、さほど人生を変えようとも思っていないのに、勝手に自分で決めつけてしまい、一番重要な部分である、1人1人の想いを見ようとしていませんでした。

「これでは人はついてこない」ということを痛感しました。

僕は、この経験を通じて「1人1人の能力の差というものがあるんだな」ということに気づいたと同時に、「どんな目的で、どんな思いでその会社に居るのか」が大事だということがはっきりとわかりました。

僕は今まで、会社にいると100やるのが当たり前だと思って仕事をしてきました。そのうえで120や200動いてようやく結果というのは出せるものであるという認識でした。

けれど、最初に最大で10しかできない人だってもちろんいます。会社としては100できるのが当たり前だったから、10だと「何をしてたの?」といって上司から詰められてしまいます。

しかし、そうではなく、10から11上がったのなら10%成長したことになります。1しか上がっていないけれど、その人にとっては1割成長したという大きな進歩です。

10から11に上がれば10%成長

「10しかできない時に11出来たのなら、1割成長している。だからまずは褒めよう、認めよう。話はそれからだ」という風に決意し、部下との関わり方を根本的に見直していきました。

まずは、1ヶ月かけて、1人1人と徹底的に面談を行いました。どうしてこの仕事についたのか、今後どうして行きたいかなど、個人の考えを知っていきました。

そして、マネージャー職にもかかわらず、現場に同行し、自分自身が部下の目の前で営業して契約するところを見させて学ばせたりしました。

その結果、「1人あたり平均売上が150%〜200%増加」という結果を出すことが出来ました。

大きく効果があったと思うのが、1日あたり0件や1件しか取れない新入社員に対し、1件取った時に「おっしゃ、やったね!そしたら明日から1日に2件取れるように頑張ってみようよ!」というように改善してみました。

その改善により、入社して1~2ヶ月でその新入社員がリーダーの基準である1日に10件成約という目標を達成することが出来ました。

そのために行ったこととして、「毎日どんな些細なことでもその次の日の朝の朝礼で褒めるようにする」というのが大きかったと思います。

「やったね!やれたね!今日もやれるね!」と、全員でお互いを褒めあって賞賛しあう機会を作ったことにより、部署全体の雰囲気も自然と明るくなりました。

それまでは社員の半分以上が「1日の目標を達成しなくてもいいや、、、」と雰囲気を出していました。

しかし、部署の雰囲気が改善していく中で、1日の目標を当たり前に達成する状況になったことで、「今日もやりきろう!やれる!達成させよう!」という状況に変わったのは今でもよく覚えています。

部署の雰囲気がみるみる変わり、徐々に結果が出るようになっていき、組織全体としても数字をクリアするまでに立て直します。

僕自身、マネージャーとして部下のみんなが結果を出し目標を達成した時は、トップセールスを取った時に匹敵するくらい、うれしかったのを覚えています。

僕はこの経験を通じて、僕自身もそうですが、「人間1人1人違う」ということを理解できない人が多いように感じます。これが社会的にも欠けているからこそ、苦しさを感じるのだと思います。

この時から僕は人を理解しようとする動きをしようと思いました。その結果、1人1人と全力で向き合うようになりました。

まとめ

ここまでの内容をまとめますと次の通りです。

  • トップセールスを獲得し、23歳で50人の部下を持つが、半数がやめてしまう
  • 1人1人置かれている状況は全く異なることを理解し、部下1人1人と向き合うことを徹底した
  • その結果、部下の一人当たりの平均売上が150%~200%増加する

僕自身、部下がどんどんやめていってしまったあの頃は、本当に苦しかったのを覚えています。

なので、もし部下との接し方で悩んでいる方は、一度徹底的にその部下と向き合ってみることをおすすめします。

この記事が、部下との接し方で悩む方の救いになれば幸いです。

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