2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は11日、理事会を開催し、新たに大会開催統括(ゲームズ・デリバリー・オフィサー=GDO)を設置し、現企画財務局長(CFO)の中村英正氏を就任させることを決めた。スポーツ局長を兼任する。就任は12日付。
これまで室伏広治氏(アテネ五輪陸上男子ハンマー投げ金メダリスト)がスポーツ局長として国際競技団体(IF)と国内調整の両方を務めていたが、大会本番が迫るにつれ、同局の職務範囲が拡大したため、組織改編に至った。
中村氏は財務省から14年5月、組織委に着任。白紙撤回後のエンブレム選考を事務局として取り仕切り、大会予算案の策定にも尽力してきた。
今後、中村氏は主に国内調整、室伏氏はIFとの交渉を行い、大会前に行うテストイベントや、本番の競技日程など、大会実施の根幹を担っていく。武藤敏郎事務総長は「車の両輪として迅速に大会準備を進めていく」と語った。
また、大会ボランティアの募集要項も決議した。ボランティアが勤務する競技会場と滞在先(ホテルなど)間の交通費負担を軽減するため、一律交通費を支給することを決定。これまでの要項案で「10日以上の活動、1日8時間程度」としていた条件は変えないが、「連続勤務は5日以内」という趣旨の文言を加えた。8時間の勤務時間の中には休憩が含まれることも付記。ネット上で労働条件が厳しいとし、「ブラックだ」などと批判されていた部分を軽減する狙い。9月に募集を開始する。