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PERSON2018/06/22最近話題の「クラフト系なんちゃら」。クラフトビール、クラフトジン、クラフトソーダ、クラフトビネガー、クラフトチョコレート、クラフトアイス、クラフトハンバーガー・・・。数え出したら切りがない!今回は、そんな半端ないクラフト系ブームに迫ります!
こんにちは。デキルニンのタスクマスター、高井です。
今、飲み物といえば「透明ブーム」ですよね。それともう一つ、透明が流行る少し前からやけに種類が増えた飲み物があります。
それは“ペットボトル入りのコーヒー”です。
そこで今回は、いわゆる“クラフト系”のコーヒーたちが一体どこからやってきて、なぜ売れているのか調べてみました。
まず、コーヒーの話をする前に、食の世界に到来している「クラフトブーム」についてお話ししましょう。
そもそも“クラフト”とは、「手作り感、手芸品、工作」といった意味です。
小規模な醸造所限定で作られるクラフトビール、ハーブや果実を漬け込んだクラフトジンから、人工甘味料を使わないクラフトソーダ、アップル酢といったクラフトビネガー、他にもチョコレート、アイス、ハンバーガーなど、ここ数年で大きな広がりを見せています。
このクラフトブームを大手メーカーも取り込もうとしています。代表的なものが2017年のヒット商品番付第2位にもなった、明治の「ザ・チョコレート」です。
手作りでもないし少量生産でもありませんが、こだわり抜いた材料とその時の気分や場面に合わせて選べる種類の豊富さ(8種類)が魅力です。その意味では日本におけるクラフトとは、「材料や作り方にこだわっている」という意味も含まれていると言えるでしょう。
そんな中で登場したのが、サントリーの「クラフトボス」なのです。
2017年4月の発売から今年の2月までで累計販売3億本を突破したクラフトボスには、秀逸な仕掛けがありました。
200を超える製造工程、ガラス瓶をイメージしたボトルのデザインでクラフト感を表現しつつ、クラフトボスが最も“こだわった”のが使用場面です。
それはズバリ!「仕事中、PCの前でちびちび」です。
今やオフィス勤務ではPCを使って長時間作業することが当たり前になっています。従来の缶コーヒーが担ってきた「仕事の合間にちょっと一服」ではなく、「基本的にパソコンの前にいる」という現代のワークスタイルにクラフトボスはベストマッチだったのです。
フタ付きペットボトルという形状、500㎖という容量、甘みも苦みもあえて抑えたすっきりした味わい、これらは全て計算されていたんですね。考えた人、半端ないですね。そう、まさに「デキるマーケター半端ないってもぉー、新しい市場めっちゃ開拓するもん、そんなんできひんやん、普通」です。
そして、クラフトボスは職場から学生や食事のお供にも広がって大ヒットし各社も追随する形でクラフト系コーヒーを発売、現在に至ります。
近年の消費トレンドを理解するうえで押さえておきたいのが、「わりきり消費」と「こだわり消費」です。
つまり、洋服や自動車など、高価格帯のものはできるだけ安く済ませようとする一方、食品などにはこだわるという傾向です。
当面は、クラフトボスのような「こだわり消費」にマッチした商品のヒットが続くのではないかと思います。次はどんな「クラフトなんちゃら」が出てくるのか、楽しみですね。
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