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【ゴルフ】

片山謝罪、制裁金30万円&厳重注意 プロアマ大会不適切対応問題で初

2018年6月28日 紙面から

 男子ゴルフの片山晋呉(45)=イーグルポイントGC=が日本ツアー選手権森ビル杯のプロアマ大会(5月30日)でアマチュアの男性招待客に不適切な対応をした問題で、日本ゴルフツアー機構(JGTO)は27日、東京都内で定例理事会を開き、片山に制裁金30万円と厳重注意処分を科すと決めた。プロアマ大会の言動により選手が処分されるのは初めて。片山は同日の会見で「自分が至らなかったところを改め反省し、ゴルフ人生の糧にしていきたい」と謝罪した。

 JGTOは6月6日に調査委員会(野村修也委員長)を設置し、片山や一緒にプレーした男性招待客、同伴者ら計11人のヒアリングを実施。5月30日のプロアマ戦のスタートホールで、片山は招待客に承諾を求めたり、声を掛けたりすることなく、パッティングやアプローチの練習に没頭し、「招待客に不適切な対応、不愉快な思いをさせる態度を取った」と認定した。

 制裁・懲罰規定では、違反行為の回数に応じて制裁金が決まっており、「初回は30万円」が規定通り、適用された。プレーを断念した男性招待客が片山の謝罪を受け入れ、復帰を望んでいる点も考慮し、除名や出場停止ではなく「厳重注意処分が相当」と結論づけた。

 片山は「(招待客に)許される範囲でやってきたつもり」と日常的な行為を否定したが、調査委の野村委員長は「片山プロは自分の練習を優先した。長年トップでいたので、そのスタイルを維持してきた」と問題視し「プレー中に練習すれば、(招待客は)怒るというのが客観的な事実」と指摘。片山は「猛省して、試合に出ないことも決め、素直に処分を受けることが自分の気持ち」と語り、復帰時期に関しては「少し考えて、自分の中で整理できてから」と明言を避けた。

 会見に同席した選手会長の石川遼も頭を下げた。「期待を裏切る形になってしまった。アマチュア、ファンの方に魅力があると映るように一層努力していく」と厳しい表情を浮かべた。 (松岡祐司)

<JGTO青木功会長> 「このような事が起きたのは残念でならない。スポンサーがいるからわれわれは生活ができる。来て良かったと思えるプロアマにしないといけない」

◆「重要な仕事」ガイドライン作成へ

 片山への処分を決めた一方で、JGTO側は「プロアマ大会の行為の準則となる規定やガイドラインが存在せず、具体的な指導もなかった」と責任の一端を認めた。選手の対応に頼るばかりで、招待客への応対法などが策定されてこなかった経緯に触れ、行動基準となるガイドラインの作成やプロアマ担当の設置、選手への定期的な指導・研修を実施する方針を表明した。

 石川は「プロアマはプロゴルファーの重要な仕事の一つ」と指摘し「日本ツアーの置かれている状況を把握して、ランク上位の選手が前向きに取り組まなければならない」と話した。現行の懲戒・制裁規定が不明瞭として、適用要件の明確化、制裁内容の厳罰化を図る意向も示した。

 

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