鉄道の脱線 枕木腐食などが原因

去年5月、群馬県で「わたらせ渓谷鉄道」の点検用の列車が脱線した事故で、国の運輸安全委員会は、枕木の腐食などでレールの幅が広がったことが原因と考えられるとする調査結果を公表しました。

去年5月、群馬県桐生市でわたらせ渓谷鉄道の点検用の列車が脱線した事故について、国の運輸安全委員会は、28日、調査報告書を公表しました。
それによりますと、レールの幅が広がったことが脱線の原因と考えられ、枕木の腐食やレールとの固定が不十分だった可能性が高いとしていますが、会社の点検では異常を把握できていませんでした。
運輸安全委員会によりますと、同じ原因とみられる脱線事故は、去年5月までの半年余りに、岐阜県の西濃鉄道、和歌山県の紀州鉄道、熊本県の熊本電鉄でも相次いでいます。
これについて運輸安全委員会は地方鉄道に共通する課題として、事業の規模が小さいため技術力の維持、向上が難しくなっていると指摘しています。
そのうえで、国土交通大臣に対し、補助金を活用してメンテナンスが簡単なコンクリート製の枕木への交換を進めることなどを、各地の鉄道会社に指導するよう求める意見を出しました。