マイナス金利国が景気下降に備え、銀行に資本バッファー倍増迫る公算

  • デンマーク、リスク資産の1%以上へのバッファー強化要請の方針
  • 超低金利が続くスウェーデンやノルウェーでも同様の動き

マイナス金利下に5年以上置かれているデンマークの銀行が、景気サイクル下降に備えて資本バッファーを現在の倍に増やす必要に近く迫られそうだ。

  同国のシステミックリスク協議会は、今年のどこかの時点で銀行に対し、カウンターシクリカル・バッファーをリスク加重資産の少なくとも1%にするよう恐らく勧告すると明らかにした。マイナス金利の長期化で、資産価格が高騰、一部の銀行で融資基準に緩みが見られることが背景。スウェーデンやノルウェーなど他の北欧諸国でも超低金利が金融リスクを高めたとして同様の注意を当局が促した。

  当局側には、景気下降が定着する際に銀行が融資抑制に迫られないよう、景気が好調なうちに銀行に資本バッファーを厚めにしてもらう意図がある。デンマークの同協議会によると、緩和的な金融・財政政策の採用が広範囲に及んでいるため、将来的に世界経済が下向きになった場合の当局の対応は難しい。

  銀行側には資本を厚めにする余力がある。デンマークの金融監督庁によると、同国の金融業界の利益総額は昨年15%増えた。大手銀行はまた、利益を活用して自社株買いや配当引き上げを実施したという。

原題:Banks in Denmark Are Facing a Capital Hit as Early as This Year(抜粋)

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