長期投資と短期・中期投資
この4・5年で長期投資と言う言葉が日本でも盛んに言われるようになったと思います。インデックス投資家ブロガーの重鎮さんだと2005年前後から、投資信託を通した長期投資をされている例が多いです。
10年ちょっとで確かな実績を残していることを考えると、多く参考になるところがあるのではないでしょうか。日本での投資というとどうしても、相場の上下動を読み切って資産を殖やすというところがメインになりがちでした。それにはいくつか理由があります。
- 当たる金額が大きく夢がある
- 取り上げるメディアにとっても都合が良かった
まず、ETFや投資信託での長期投資と言うのは地味です。手取りで年率5%程度を狙いに行くような投資です。基本的には何らかの仕事をしながら、サブ的に長期積立をしていくようなイメージです。専業でやるようなものではありません。
それに対し、デイトレードなどの値動きでの株式売買は、すぐに答えが出ます。しかも当たれば金額が大きいです。有名人の成功例は特にそうで、新規参入者の射幸心を満たすものでした。日本人は基本的にギャンブルが好きなのです。
また、かつてはマネー雑誌などでも短期・中期銘柄を大きく取り上げていました。基本的にメディア、特に雑誌というのは消費される存在です。そのため、「永遠に持てる銘柄3選」などの特集ばかりだと、いずれ書くことが無くなります。
そういう意味では、日本人のギャンブル好きなところとメディアのニーズというのはうまく合致していました。
それが、この数年で大きく変わったのはいくつか理由があります。
- 2009年以降の右肩上がり相場が長期投資を後押しした
- 米国の投資に関する名著が手に入れやすくなった
- 日本で買えるETF・投資信託の質が良くなった
この3つです。まず、2009年以後の相場は右肩上がりです。とくに米国市場においてそれは顕著です。それによって、全世界投資あるいは米国投資を長期で取り組んでいる人たちに大きな利益がもたらされるようになりました。これは、新規参入者にとっても大きなモチベ―ションになります。
また、米国の投資に関する名著が手に入りやすくなりました。
このような分かりやすくて明快な本ですね。
さらに、海外株口座が特定口座になり、同時に投資信託も良いものが何本も出ています。ETF・投資信託で完結する投資というのは非常に簡単です。このことも長期投資を後押しする結果になっています。
さて、こうしたことを踏まえて、いただいたメールをご紹介します。
長期投資とはある意味で取得金額をいかに古く、安いものにするか
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たぱぞう様
拝啓
いつも楽しくブログを拝読しております。
今般は大いに感動致しましたのでメールをさせて頂きました。6/21付『70代から始める米国投資で大切にしたいこと』での一節、キャッシュポジションが低くても良いのは、買った株式やETFが古くて、取得単価がうんと安い場合です。・・・云々、誠に含蓄のある”至言”そのものです!
ポートフォリオのキャッシュポジションは、巷の書籍では殆ど静態比率の説明に終始しておりますが、時間軸と他のアセットとの関連性で質・量の両面から一刀両断、看破されたのは、私の知見では、たぱぞう様が初めてかと心に響きました。
私のポートフォリオ組成に明確なロジックを提供して頂きましたし、また方向性を示して頂きましたことに心から感謝申上げます。有難うございます。投資スタンスは視界良好となりました。来るべき ”天からの贈り物” が降臨した暁には、正々と対応していく所存です。最後にたぱぞう様の益々のご活躍を祈念致します。
米国株長期投資のメリットここにあり
実は米国株長期投資のメリットはここにあります。若いうちから始め、何十年も持つ。その後、取引値・株価が上がれば、信じられないぐらいに安値で、しかも高利回りでのプラチナチケットに化けます。
適切な個別株を選べばそうなるでしょう。そしてVTIやS&P500連動ETFなどよく知られたETFでもそうなるでしょう。
ETFは個別に比べるとはるかに簡単です。そして、実はそこが米国株長期投資の目指すところであり、最大のメリットなのです。鶏が金の卵を産み続けるがごとく、昔買った株式が配当を吐き出し続けるのです。
そうすれば、キャッシュポジション云々という話もある意味ではどうでもよくなってきます。考えられない高利回り商品がインカムを保証してくれる。このことが大事です。
しかし、それには年月がかかります。一朝一夕では不可能です。時間を味方につける必要があります。私たちは、投資を通して何を実現したいのか。投資先や手法が千差万別である以上、しなやかでありながらも「ブレない投資観」を持っていたいですね。
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元記事はこちらです。74歳の方からご質問を頂きました。60代、70代はまだまだと思う人もいるかもしれません。しかし、自分が学校を卒業してからの勤め人期間がそうだったように、あっという間だろうと思います。
長者にはなれなくても、だれもが投資を通してそれなりの生活を実現する可能性はあると思っています。しかも、再現性があるやり方でです。
月20万円の不労所得というのは決して不可能ではありません。まず月に10万から目指します。10万円を達成すれば、20万はもうすぐです。感覚としては最初の10万円よりもはるかに簡単ですね。