2018 FIFAワールドカップ ロシア・グループステージ第3戦が27日に行われ、韓国代表とドイツ代表が対戦した。
2連敗でグループF最下位の韓国は勝利が絶対条件で、なおかつ同時刻の試合でスウェーデン代表がメキシコ代表に敗れると、突破の可能性が見えてくる。その場合、ドイツ、スウェーデンと勝ち点3で並ぶため、得失点差などの勝負となる。奇跡の突破をかけた大一番はエースのソン・フンミンやク・ジャチョル、Jリーガーのチャン・ヒョンスやチョン・ウヨンらが先発出場した。
対する前回王者ドイツは初戦でまさかの黒星スタートを切ったが、第2戦ではスウェーデンに劇的勝利を収めて突破に希望をつないだ。今試合では2点差以上での勝利で突破が確定する。スタメンは第2戦でゴールを決めたマルコ・ロイスやトニ・クロースに加え、メスト・エジルとマッツ・フンメルスも復帰。第2戦で退場したジェローム・ボアテングは欠場でスタンド観戦となった。
試合は開始19分、韓国がペナルティエリア手前でFKのチャンス。チョン・ウヨンが無回転シュートを放つと、名手マヌエル・ノイアーのファンブルを誘うが、こぼれ球はかき出されてゴールには結びつかず。ドイツは39分、右CKの流れからフンメルスが中央でボールを受けるが、混戦の中で押し込むことはできなかった。
ドイツは後半に入って48分、レオン・ゴレツカがフリーでヘディングシュートを放ったが、GKチョ・ヒョヌの好セーブに阻まれる。58分にマリオ・ゴメス、63分にトーマス・ミュラーを入れて猛攻を仕掛けるが、幾度のチャンスを決め切れず。
すると、後半アディショナルタイム3分、韓国は左CKの流れでゴール前フリーのキム・ヨングォンが押し込みゴールネットを揺らす。一時はオフサイドをとられたが、ビデオ判定の結果、ゴールが認められ、韓国が土壇場で先制。さらに3分後にもカウンターからソン・フンミンが無人のゴールに流し込み勝負あり。
韓国が2-0で勝利し、王者を撃破して一矢報いたが、スウェーデンがメキシコに勝利したため、3位で大会を終えた。一方の王者ドイツは最下位に転落し、16カ国による決勝トーナメント方式に変更された1986年大会以降、同国史上初のグループステージ敗退が決まった。
3大会連続で王者がグループステージ敗退となった。2010年の南アフリカW杯では、2006年ドイツW杯の王者イタリア代表が2分1敗で1勝もできないまま敗退。2014年のブラジルW杯は南アフリカ大会の王者スペイン代表が1勝2分のグループ3位で大会を後にしていた。
なお、2002年の日韓W杯でも、1998年に母国で優勝したフランス代表が1分2敗で敗退しており、王者のグループステージ敗退はここ5大会で4度目となった。
【スコア】
韓国代表 2-0 ドイツ代表