hagexさん刺殺事件で学ぶ事 言論の自由とは何か|久田将義

2018年06月27日 hagex 久田将義 刺殺事件 言論の自由

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 まず最初にHagexさんこと岡本顕一郎さんのご冥福をお祈り申し上げます。
 はてなブログやイベントなどで活躍中の有名ブロガーHagexさんが「低能先生」と称された松本英光容疑者が岡本さんに逆恨みをし、岡本さんのイベント後、トイレで刺殺した事件。
 ネットの言論についても議論されていますが、僕はこれは、いつでもどこでも起こり得る、疾患の人間が起こした殺人事件だととらえています。
「ネット事件」に結びつけるのであれば「ネオ麦茶事件」「ヤフーチャット事件」などに類されるでしょうか。

 ネット言論について検証するのも必要でしょう。と、いうより「言論の自由」とは何かという視点から論じるべき問題と思います。
 拙著「生身の暴力論」(講談社現代新書)でも指摘しましたが「言論の自由」とは残酷なもので、「何を言っても良い。その代わり何を反論されても良い」というのが極論であり原則で、「反論の向こう側に暴力があるかも知れないという想像力が必要」と記しました。

 原則論として「低能先生」と記した岡本さんに罪はなく、「やった奴が悪い」のです。

 差別用語でさえも実は、言論の自由に類されます。が、その後に「名誉棄損」などの刑罰が待っています。「何を言っても良いが、何をされても良いという覚悟と認識」がネットでも紙媒体でも言葉でも必要とされる時代です。

 続いて。

 刃物で急に襲われた場合、防ぐ術は体格、格闘技の経験などあまり関係ありません。昭和にプロレスラー力道山が小柄なヤクザに刺殺されたりした事件を思い出しました。

 路上の場合、「不意をついて先制攻撃」が最も有効だとされています。数百人近くの不良少年、格闘技経験者に取材した体感からです。そして、それはルールのある格闘技では卑怯であり、反則とされています。

 プロ格闘家の須藤元気さんでも、渋谷センター街で通り魔に襲われた際、刺されています。プロの格闘家は「不意打ちの怖さ」や「刃物の怖さ」を分かっています。ですから、こういう場合逃げるのが有効だと知っています。

 なまじっか、格闘技をかじったり、トレーニングを積んで筋肉ムキムキで中途半端に鍛えた、自信のある素人が最も危険です。

 今回の事件の場合、後ろからですから防ぐ術は残念ながら、難しかったでしょう。

 すると行動を起こす前に、何とかしなければならなかった訳です。松本英光容疑者のような言動を起こす人間に、より注意しなければならなくなりました。

 言論の自由が縛られる可能性もありますが、言論の自由より人一人の命が大切だと思う僕は、ネット言論の監視の強化を指摘しておきます。(文◎久田将義)

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