エイリーク(FE)

登録日:2014/09/06 (土曜日) 02:12:00
更新日:2018/05/07 Mon 00:12:20
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私は少しでも早く、戦いが終わることを願うだけです。





エイリーク1.jpg
出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始
(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

エイリーク(Eirika)は、『ファイアーエムブレム 聖魔の光石』の主人公の1人。
決してどこかの狩猟民族ではない。


ルネス王国の王女で、ファード王の娘、エフラム王子の双子の妹にあたる。
フレリア王国のヒーニアス王子とターナ王女と友誼があり、グラド帝国のリオン皇子とは親友である(残酷)。
初期クラスはロード、クラスチェンジによってマスターロードとなる。使用武器は一貫して剣のみ。
序盤こそ非力なものの、中盤・終盤とよく育ち、能力値の上限がソードマスター男女の良いとこどり。
序盤の使いやすさの差を考慮してか、潜在能力は劣化パラディンの兄よりも明らかに高い。
専用武器はお馴染み「レイピア」と「ジークリンデ

長らく親交のあったグラド帝国の突然の侵攻によって父を失い、悲嘆のうちに自国を追われるところから物語は始まる。
亡命後、エイリークは様々な助力を得て、自国の解放と兄の救出を目的として行動を開始する。
しかし時を同じくして、太古の伝説に記される「魔物」たちが各地に出現し、事態は混迷の度合を深めていく。


性格は真面目で温和、心優しく、争いを好まないが、困難にも挫けずに立ち向かう気丈さも併せ持つ。
一方で戦時に必要とされる果断さや非情さなどには欠けており、情に流されて戦局の判断を誤ることもある。
外見は嫋やかな少女といった風で、華奢な体格に、腰までかかる碧の髪が特徴的。
落ち延びた王女のためか、戦装束がひらひらしたミニスカートという意味不明な事になってしまっている。
そのためおつきの騎士は目のやり場に困るとか。そりゃ困るわ。
さらにはスカートのまま馬に乗る ますます困る
一応、蒼炎のミストもスカートで騎乗するが設定資料集曰く下に履いてるとのこと。果たしてエイリークの方は?

「あなたのお父さまは城に残ってグラド軍と戦い……勇敢な最期を遂げられたそうではありませんか」
「あなたのお父さまはご立派です。あなたはそれを誇ってよいのですわ」

「はい……そうですね。グラド軍を前に一歩も退かなかった父上は立派でした」
「でも……でも私は……父上は立派でなくてよかったのです」
「たとえ国王として無様でも、みっともなくとも……それでも……生きていてくれた方がずっとよかった」



エイリークのキャラクターとしての特徴は「強さと正しさの対照となる優しさ」にあり、これは『聖魔』ストーリーの底流をなしてもいる。
この「強さと正しさの対照となる優しさ」は、換言すれば「弱さ」と「愚かさ」であり、これも同じくエイリークのキャラクターである。
このことはリオンを鏡として、双子の兄であるエフラムと対比してみると分かりやすい。


エフラム編のリオンが人格的に「魔王ではなくリオン」であるのに対し、エイリーク編のリオンは人格的に「リオンではなく魔王」である。
エフラムが殺すのは「リオン本人」だが、エイリークが殺すのはリオン本人ではなく、リオンの肉体を奪った「魔王」である。
エフラムは自らの「強さ」と「正しさ」によってリオンを殺すことを自ら決断・実行するが、エイリークにはそれがさせられない(シナリオ的に)。
その要因となるのが、おそらくキャラとしてエイリークに与えられた「優しさ」であり、その裏面である「弱さ」と「愚かさ」である。


この違いは、シナリオ全編に渡って、様々なかたちで現れる。


エイリークとエフラムの父ファードが王としての責務を全うし、戦死するのは「強さ」であり「正しさ」である。
エフラムが平和のために親友を手にかける「覚悟」をするのも、ゼトがエフラムに「情に流されない」王の作法を説くのも同じである。
戦火のうちでエフラムは「強く」「正しい」キャラクターとして、すなわち「王という人格」として完成されていく。


それに対して、エイリークもリオンも「情に流され」、誤った選択をしてしまう。
その結果、リオンを想ったエイリークは光石を失い、民を想ったリオンは魔王に支配されてしまう。
これは「優しさ」であり「弱さ」であり「愚かさ」であり、ファードやエフラムやゼトのキャラクターと好対照をなしている。


『聖魔の光石』の物語は、一面には優しさ(エイリーク)、一面には強さ(エフラム)、一面には弱さ(リオン)を与えている。
これらの比較によって、「優しさ」と「強さ」と「弱さ」、それぞれの「どうしようもなさ」を描き出そうとする。
エイリークは愚かでも情を捨てられず、エフラムは立場ゆえに強くならざるをえず、リオンは自らの弱さに劣等感を抱いている。


それぞれの持つ要素は、それぞれが望んで得たものではない。
拒否しようにも拒否することができず、その中でもがきながら、「どうしようもなく」そうあるしかない。
3人は3人とも、他の2人のようになれたなら、と思っている。


決して賞賛・批難されるばかりではない、優しさや強さや弱さの「どうしようもなさ」を描こうとする、それが『聖魔』のメインストーリーである。
それゆえにこそ、エイリークは『聖魔の光石』の主人公の1人たりえているのではなかろうか。
隣の芝生は青いって言うしな。



「僕は善良な人々の命をたくさん犠牲にした。許されない罪をたくさん犯してきた。昔の僕が持っていた心は、もう死んでしまった……」
「その代わりに僕は強くなれたのかな? エフラム、君に負けないくらいに……」

「……いいや。まだ俺にはかなわないさ。お前はもともと、戦いなんかには向いてないんだ」
「強くなんか……ならなくてよかったんだ」



支援会話の相手は計7人。お姉さんしたりブラコンだったりマジメちゃんや壁ドンしんみりと、豊富なラインナップが楽しめる。

【エフラム】
兄妹なのに完全にバカップル。危うい会話があってヒヤヒヤする。
これでもブラコンではマシな方とか昔のFEはホントたまんねえな。

【サレフ】
ポカラの里に伝わる伝承を教えられ、里の英雄のナーダ・クーヤとエイリークが類似していると語る。
会話はシリアスなのだが「ポカラ」や「パレガ」の語感が笑いを誘う。

【ゼト】
主君が無防備すぎて懊悩するカタブツ騎士。
あんなカッコイイこと言っといてエンディングではちゃっかr

【ターナ】
二人共兄妹の妹の方であるため、その境遇を元にした和やかな話がされる。
エイリーク、どうしてエフラムの話になると目を逸らすの?

【ヒーニアス】
エイリークの護衛になると語るが、彼は後衛エイリークは前衛のため効果的ではないと言う話になる。
エイリーク、君はあの男の話になると動揺しすぎではないか?

【フォルデ】
聖女エイリークその1。「これから何をしたいんですか?」って聞かれて「皆が笑顔で暮らせる国を作りたい」だなんて。
自らが守るべき主君と、自らの夢の、真の姿を知ることになるエピソード。

ラーチェル
聖女エイリークその2。ホイホイ騙される無能でも許す。しんみりするラーチェルもかわいい。
1つのイベントで2人のキャラクターが明確になる。これぞ支援会話。



ファイアーエムブレム 覚醒』では、DLC「紅対蒼 蒼炎編」において「異界のエイリーク」として登場。
まさかの新クラス「花嫁」で登場であるが、本人からすればかなり不本意な事態らしい。
槍・弓・杖が使えるが、エイリークの得意分野は剣では……?


〇FEHでは

エイリーク4.jpg
出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始
(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

ソーシャルゲーム「ファイアーエムブレム ヒーローズ」では兄・エフラムと共に参戦。イラストは兄と同じ麻谷知世氏。
固有武器スキルに「ジークリンデ」、補助スキルに指定した味方の反対側へ移動する「回り込み」、
パッシブはBスキルに攻撃した相手を自分のいたマスに移動させる「引き込み」、Cスキルに隣接した味方の速さをアップさせる「速さの鼓舞」を持つ。

「ジークリンデ」は隣接した味方の攻撃を+3する「~の鼓舞」と同様の効果を持つ。
これにより、Cスキルと合わせて攻撃と速さを同時にアップさせる事が可能で、パーティーの火力アップに一役買ってくれる。
特に自分が受けた能力アップの数だけ攻撃力が上がる「~ブレード」系の魔法と相性が良い。

素の速さも高く、大体の相手には追撃が取れ、逆に追撃も受けにくいため低い耐久力を補ってくれる。
「回り込み」で迅速に前線へ切り込んだり素早く敵の攻撃範囲から離脱したり、
「引き込み」で相手を自軍の有利なポジションに引きずり込み押し包んで撃破するなど、縦横無尽に動き回りフィールドの支配力も高い。

反面、攻撃の値が赤の歩兵としては神器であるジークリンデを持ってしても低め。
ヘクトルなどの相性上は有利でも耐久力の高い相手には苦戦を強いられる事は必至となる。

そのためスキル継承では、空いたAスキルと奥義に発動までのスパンが短く、
手早い火力の補助が出来る「鬼神の一撃」と「月虹」を継承することがひとつのテンプレとして確立されている。
さらに攻撃性を高めるなら、BスキルをHPが一定数減少すると自分の攻撃直後に追撃を行い、相手の反撃を許さずに倒すことが出来る「攻め立て」にしてもよい。
「引き込み」も有用なスキルではあるので、そこはパーティーの戦術と要相談。

……以上のように、その性能はアタッカーとしてもサポーターとしても一定以上の活躍が約束されている万能型のキャラクター。
だが、そこは数も多く激戦区の赤属性の剣歩兵。現状は☆4への降格もあって狙いやすくなっているとはいえ、
ピックアップや本命のついでに狙うなど、引き当てようとする場合はオーブのご利用は計画的に。


18年1月25日に属性こそ上記と同じ赤だが、クラス違いの『追憶の優王女 エイリーク』が参戦した。
赤属性の魔法使いであり、騎馬ユニット。イラストは麻谷知世氏。
同名の別種は超英雄や総選挙キャラなどもいたが、そうじゃない恒常キャラはエイリークが初。(チキとかカムイとかマルスとか例外もいたが……)

原作では使えなかった闇魔法、それもグラド帝国の神器を使っているが、それ故勝手が分からず苦戦中らしい。

武器スキルは魔防+3。敵のHPが100%で戦闘開始時、戦闘中の自分の攻撃、速さ+3にする『グレイプニル』

初期から実装されていたレオン以来となる赤の騎馬ユニット。スキルAには自分から攻撃した時に攻撃と速さを同時にアップする『鬼神飛燕の一撃』を持ち、武器の効果と合わせて+7という強烈な補正のかかった一撃を叩き込むことが可能。スキルBの『攻め立て』を発動させれば相手の反撃も許さずに一方的に仕留めることも出来る。

欠点としては、最近増え始めた騎馬に対するメタスキルには無力な点と、耐久が脆く、攻め立てを発動するためのHP調整がシビアな点。そのため、Aスキルに『獅子奮迅』を継承して敢えて自壊させて発動させることも視野に入る。

バフのサポートが受けやすい騎馬であることを生かして、『ラウアブレード』を継承した伝統の『騎馬ブレード』で運用してもよいだろう。


あの夜……。
荒らしに追われてページから逃げる時……。▼
あなたが私を強く抱きしめ、
敵の誹謗中傷やコピペから守ってくれた時……。▼
私はあなたに……憧れのような感情を抱いてしまったのかもしれません。▼

ですがそれは……ルネス王女が持つべき感情ではありませんでした。▼
私はルネス王国の王女。
あなたはアニヲタwikiの住人。▼
それがわからなければ……追記・修正など果たせるはずもありません。




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