ノートは人生を輝かせる(写真はイメージ=PIXTA) 日経WOMANの読者アンケートでは、仕事でノートを活用している人は65.9%を占めた。また、プライベートで活用している人も44.6%に上った。仕事はもちろんだが、プライベートでも過半数に近い人が、ノートを使っていた。仕事で書き込む内容は、「打ち合わせの内容や指示をメモする備忘録」「TODOリストを書く」という実用的な使い方が多い一方で、プライベートでは、「日記や日々の振り返りを書く」「夢や目標を書く」といった、自分を見つめ直す使い方をする人が多かった。
特筆すべきはその効果だ。仕事では振り返りをしやすくなり、イライラが減ったと答え、プライベートでは、やりたいことが見つかり、実行に移せたと答える人が多くいた。書くことで、頭の中が整理でき、仕事もプライベートもうまく回りだす。そこで、そんなノートを生み出す、文具メーカー女子(文具メーカーの商品マーケット部や企画開発チームの女性)が使うイチオシノートと、ノート術を一挙公開する。
【コクヨ 測量野帳】
ラクに持ち運べて毎日が充実するノート
測量野帳(スケッチ)/216円
本村香代子さん(36歳) コクヨ ステーショナリー事業本部 マーケティング本部商品マーケティング第1部 販売戦略グループグループリーダー 「社員が自分の席を持たないフリーアドレス制なので、筆記用具はポシェットで持ち歩いています」と話すのは、コクヨで文具の営業企画を手がける本村香代子さん。そのポシェットにすっぽり入るのが「測量野帳」だ。
50年以上前に測量業務用に開発されたノートで、約70gという軽さも気に入っている。仕事とプライベートを1冊にまとめ、打ち合わせのメモはもちろん、出社前や休日に、カフェで予定やTO DO、1行日記を記録。「カフェで書く時間は、日々を振り返り、やりたいことを考えられる。おかげで毎日が充実するようになりました」。
「仕事」面で、出社前のカフェで1日の予定とTO DOを確認。出社前にカフェに立ち寄り、1日のタイムスケジュールとTO DOを箇条書きするのが、毎朝の習慣に
「休日」面で、「やりたいこと」と「1行日記」で休日を充実させる。仕事だけでなく休日も充実させたいと考え、趣味などの「やりたいこと」を書いたり、日々の出来事や感想を「1行日記」で書き残したりしている
【コクヨ キャンパスノート】
思考の幅を広げる見開きA3の大判サイズ
キャンパスノート(A4、ドット入り罫線、方眼罫)/410円
樋口美由紀さん コクヨ ワークスタイル研究所リサーチャー/ワークスタイルコンサルタント コクヨの樋口美由紀さんは、ワークスタイル研究員として、働き方に関するリサーチや社内外でのセミナー講演を多数こなす。そのため、取材やリサーチで得た情報を記録したり、プレゼン資料を作成したりするためにノートを使う。いろいろなタイプを試した結果、最もしっくりきたのが「キャンパスノート」のA4サイズ。
「収集した情報をまとめ、パワーポイント用の資料を作る際に、見開きA3サイズになる大判ノートは、俯瞰(ふかん)しやすく、思考の幅も広がります」。同サイズのファイルと一緒に、ファイルボックスに整理しやすい点も気に入っている。
大きなノートで俯瞰しながらプレゼン資料の構成を考える。収集した情報を付箋に書いて貼り、プレゼン資料の構成を考える
縮小した資料をノートに貼って俯瞰すれば、全体の流れをチェックしやすい【デザインフィル T&F ノート】
カラー用紙でモチベーションと発想力がアップ!
T&F ノート〈ドゥードル〉(B6)/
648円
千葉幸栄さん(36歳) TOUCH & FLOW東急プラザ銀座店店長 デザインフィルが運営する、大人のためのステーショナリーショップ「TOUCH & FLOW 東急プラザ銀座店」で店長を務める千葉幸栄さん。店頭に並べる商品の特徴を余すことなく把握し、店内のレイアウトを考えるのも仕事のひとつだ。そんな仕事をサポートする相棒が、「T&F ノート〈ドゥードル〉」。
最大の特徴はビビッドなカラーの中紙だ。「商品の特徴や店内レイアウトを、このイエローの紙にマッチしたブルーのインクの万年筆でサラサラと描いていく。そんな時間が楽しいんです。200ページもあるので、気軽に描けます」。
店舗のレイアウトを紙面上でイメージする。モチベーションが上がるイエローの紙に、商品を魅力的に魅せるための店内レイアウトを、想像を膨らませながら描いていく時間が楽しい
マンスリー手帳とノートを1冊にまとめられるカバー「T&F バンブーリネン カバー ベージュ」(タッチアンドフロー)にセットして持ち運ぶ【プラス カ.クリエ】
情報をまとめやすく見やすい「A4の1/3」サイズ
カ.クリエ/410円
池田茉莉さん(30歳) プラス ステーショナリーカンパニー第二製品事業部 はさみ・生活用品部育成生活用品グループ プラスで、刃を折らずに使い続けられるカッター「オランテ」など、金属系文具の開発を手がける池田茉莉さん。仕事上欠かせないのが、入社以来使い続けている「カ.クリエ」だ。
理由の1つは、厚さ5mmでA4の1/3サイズという、携帯性に優れた独自のサイズ。また、少し硬めの表紙で、試作品の感想を、同僚たちに聞いて回るときも、立ったままメモしやすい。「書き心地がいい滑らかなクリーム色の紙も気に入っています。
淡いグリーン方眼は、議事録、図面、アイデアメモなどあらゆる用途に使いやすく、コピーしても写りません」。表紙のカラーも12種と豊富。
試作品への同僚らの感想をまとめて一覧に。部署内のデスクを回って、試作品の感想を同僚たちに聞くこともしばしば。パタンと開くので、見開きを使って一覧にまとめやすく、改良点を検討しやすい
A4サイズの用紙を3つ折りで収納できる。専用サイトからダウンロードしたA4サイズのテンプレートを、3つ折りにして収納できる。テンプレートは、スケジュール表やTO DOリストなど仕事に役立つものばかり
【リヒトラブ hirakunoツイストノート】
用紙を差し替えてONとOFFを2つのノートに仕分けて管理
hirakunoツイストノート/518円
金親美波さん(25歳) リヒトラブ 販売計画部 縦横どちらも使いやすい全面5mm方眼で、簡単に綴(と)じ具が開き、リフィルを交換できるバインダー式リングノート。これ愛用するのは、リヒトラブで商品の販売方法などを考える金親美波さん。
そんな彼女は洋服が大好き! 昼休みにインスタグラムを眺めながら、気になるファッションコーディネートを仕事用ノートに、イラストにして描き込んでいる。「帰宅後、描き込んだリーフだけを取り外し、家にある『hirakunoツイストノート』に移動します」。購入したい洋服のデザインが明確になり、オリジナルのファッションノートの作成を楽しめる。
ランチタイムに、インスタグラムにアップされている、気になるファッションを仕事用ノートの右ページに描き写す(左)。帰宅後、会社でデッサンしたリーフを取り外し、家に置いてあるファッションノートに差し込む(右)
手持ちの洋服と、気になるコーディネートを照らし合わせ、購入する洋服を検討! 左ページには自分が持っている洋服をカテゴリー別にイラスト化。右ページの気になるコーディネートを見ながら購入する洋服を検討し、衝動買いを防ぐ【マークス EDiT アイデア用ノート】
付箋を並べ替えてアイデアを形にしやすい横型タイプ
EDiT アイデア用ノート/
1620円
日置萌乃さん(27歳) マークス クリエイティブセンター企画開発チーム マークスの日置萌乃さんは、3年前に手帳の表紙デザインを企画するチームに異動し、アイデアをメモする機会が増えた。そこで役立っているのが、アイデア用に開発された「EDiT アイデア用ノート」だ。
全体像を俯瞰しやすく情報分析や構想の組み立てに最適な横型タイプ。淡いブルーのドット罫が程よいガイドとなり、議事録も商品デザインも書きやすいという。
また、アイデアを書いた付属の付箋をノートの上で貼り替えると、プレゼン資料の構成が整理しやすい。「ページを切り取れるリング式なので、不要なページは切り離し、アイデア帳として保管します」。
1枚にデザイン案や説明をまとめやすい。商品のデザイン案は、ワンテーマ1枚でまとめることをルール化。見返したときに分かりやすいという
付箋でプレゼン資料の構成を考える。どの順番なら説得力が増すか、小さなホワイトボードのようなノートとにらめっこしながら、75×75mmの付箋を貼り替えてプレゼン資料の構成を考える(ライター 高島三幸、写真 小野さやか、太田未来子)
[日経ウーマン 2018年6月号の記事を再構成]
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