「自分を強姦した夫」殺害のスーダン女性 死刑撤回
スーダンの控訴裁判所は、自分を強姦した夫を殺害した罪で死刑を宣告されていたノウラ・フセイン被告(19)への判決を覆した。フセイン被告の弁護士が27日、発表した。
アブデラハ・モハマド弁護士によると、フセイン被告は代わりに禁錮5年を言い渡された。
被告の母親ザイナブ・アフメドさんはBBCに対し、娘の命が助かり嬉しいと話した。
この判決をめぐっては、世界中の著名人がオンライン上の「#JusticeforNoura(ノウラに正義を)」運動に参加し、フセイン被告の釈放を求めていた。
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シャリーア(イスラム教の宗教法)裁判所は先月、フセイン被告が夫のアブドゥルラフマン・モハメド・ハマド氏を計画的に殺害したとして、絞首刑による死刑を言い渡した。
フセイン被告によると、彼女の夫はいとこを雇い、夫が強姦する間、フセイン被告を押さえつけさせていた。
夫が翌日も前日と同じように被告を強姦しようとしたため、被告はナイフで激しく襲いかかり、夫を刺し殺したとされる。
フセイン被告は16歳の時に、16歳年上の夫と強制的に結婚させられた。
国連児童基金(ユニセフ)が発表した2017年の報告によると、スーダンでは女性の3分の1が18歳未満で結婚している。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルはツイッターで、「速報:スーダンは、自分を強姦しようとした夫を殺害したために死刑を言い渡されていた19歳のノウラ・フセインさんへの判決を覆した。#JusticeforNoura を求め、実現のために助けてくれた40万人に感謝を!」と報告した。
アムネスティ・インターナショナルは声明を発表し、裁判所の決定を「大いに歓迎したいニュース」とした一方、禁錮5年は「不釣合いな罰」だと指摘した。
またスーダンに対し、結婚と夫婦間の強姦に関する法律を改正し、「犠牲者が罰を受ける側にならない」よう求めた。
フセイン被告の母親ザイナブ・アフメドさんはBBCの取材に対し、娘は最初に夫に強姦された後、自分自身を憎むようになっていたと話した。
「娘は次に夫に触られそうになったら自分の命を絶つつもりで、ナイフを用意していた」
夫の死後、フセイン被告は家族の元へ逃げ、何があったかを話したという。
父親は報復を恐れ、家族全員を連れて警察署へ行き保護を求めた。しかし、代わりにフセイン被告は逮捕された。
禁錮刑の一報は国際的な批判の的となっており、女優のナオミ・キャンベルさんやエマ・ワトソンさんといった著名人がツイッターで支援を表明している。