sunshine_今回は、若鶴酒造のサンシャインウイスキーを飲んでみます。

若鶴酒造は、福井県砺波市にある酒造メーカーで、1862年に日本酒の製造で創業しました。

第二次世界大戦に突入する中で、米の統制による原料不足に加え、富山の大空襲によって大きな打撃を受けた事も受け、戦後から日本酒以外の製造に向けて研究を始めました。

1947年に研究所を設立し、その研究を活かす形で1952年にウイスキーの製造免許を取得し、蒸溜所を建設、製造を開始しました。

翌年にサンシャインウイスキーとして販売を開始するものの、その年に蒸溜室からの火災により蒸溜所は全焼してしまいました。
しかし、地元住民の協力を得て、半年もしないで復興に成功、翌年には連続式蒸留器の一つであるアロスパス式蒸留器を導入しました。

ウイスキー消費が減り続け、撤退するメーカーもあるなかで地道に製造を続けてきた中で、2016年に老朽した蒸溜所をリニューアルするため、クラウドファンディングによる復興プロジェクトを立ち上げました。
当初の目標額を大きく上回る支援を受け、翌2017年に見学施設を含めた形でリニューアルを完了しました。

サンシャインウイスキーは、日本酒のボトルに入れられて販売されているのが特徴的で、一見するとウイスキーに見えません。
現在は販売開始からのレギュラーに加え、2016年に新発売されたプレミアムがラインナップされています。
近年では、限定ボトルとしてシングルモルト三郎丸、10年以上の原酒を使用したムーングロウ(MOON GROW)を販売していました。

レギュラーとなるサンシャインウイスキーは、モルトウイスキーと醸造アルコールをブレンドしたものとなっており、昭和時代の2級、1級ウイスキーを彷彿とさせます。

まずはストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は極めて淡いシャンパンゴールド、香りはアルコールの刺激が多くを占めています。

口に含むと、アルコールの奥からナシ、柿、カラメルの香りが口に広がります。
味わいはそれほどアルコールの辛さは強くはなく、甘みが前にあります。

ロックにすると、柑橘系の皮のような渋い香りが広がり、逆にナシや柿の香りは吹っ飛んだ印象です。
味わいも酸味が強く舌を刺激して、甘みは殆ど感じられなくなります。後味もビターが前にあります。

最後にハイボールにすると、軽くピートのスモーキーさがあり、あとからライム、ナシを感じられます。
味わいはビターが主体となります。

メーカーではストレートは勧めず、ハイボールに最適だとしていますが、個人的にはストレートで甘みが前面に出てきていて、悪くないと感じました。

面白い事に、ストレート、ロック、ハイボールで香りや味わいの印象が三者三様で、幅が広く奥行きも深い、個性の強さを感じられます。
万人受けするとは言いませんが、ブレンドにグレーンウイスキーではなく醸造アルコールを使っている事を考えると、尚更三郎丸モルトのポテンシャルを垣間見るように思えます。

同じような構成、アルコール度数のキングウイスキー凜や香薫と比べても十分香りや味わいはしっかりしていて、晩酌用として考えても悪くはないと思います。

720mL、アルコール度数37度、価格は1400円ほど。地ウイスキーとして考えれば妥当な値段かと思います。
なお、一升瓶、1.8Lのボトルもラインナップされています。

<個人的評価>

  • 香り B: ストレートは柿、ナシ、カラメル。ロックではライムが目立つ。
  • 味わい C: ストレートは甘く、ロックでは酸味、水割りやハイボールではビターと三者三様。
  • 総評 C: グレーンを使わず幅広い特徴を持たせる事を考えると、モルトのポテンシャルが高い。

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