サッカーをやめようとさえ考えた。酒井宏樹の“運命を変えた”サイドバックへの転向
2018年06月27日
僕らがサッカーボーイズだった頃ジュニア時代、所属していた柏マイティーでストライカーとして活躍していた酒井宏樹選手。中学に上がると同時に柏レイソルのジュニアユースに入団したものの試合に出場できず「サッカーをやめようとさえ考えた」という。そんな酒井選手のサッカー人生を変えたのはサイドバックへのコンバートでした。
・「正直、レイソルは好きじゃなかった」。酒井宏樹はなぜJクラブへの進路を選択したのか
文●元川悦子 写真●GettyImages
『僕らがサッカーボーイズだった頃 プロサッカー選手のジュニア時代』より一部転載
中1で味わった最初の挫折
富勢中学校に入学した2003年春。酒井はレイソルジュニアユースの扉を叩いた。同じ柏市内とはいえ、自宅から日立台はそう近くない。彼は学校が終わるやいなや、自転車か電車を使って1時間近くかけて練習場へ通う日々を送ることになった。
家に帰るのは21時過ぎが普通。しかも酒井家では「サッカー選手になれないかもしれないから、勉強もしっかりやりなさい」と言われていたため、練習が休みの週2回は進学塾にも通っていた。
生活環境に加え、練習の難易度が上がり、仲間もレベルアップするというプレー環境の激変も重なった。慎重派の酒井はもともと適応に時間がかかる傾向が強く、中学1年生のときはほとんど試合出場機会をつかめなかった。
「小学生のときは思い通りのプレーをしていたのに(中学生になって)全然出られないでしょ。自分が下手になっていく気がしましたね。試合に出ていないと、ひとつ怒られるだけでもなかなか立ち直れなくなってしまう。チームが勝っても、どんよりした気分で帰ることも多かったですね。だけど、親の前ではそういう顔をしたくない。わざと明るく振る舞ったりしていました。中1から中2にかけてが最初の挫折だったかもしれませんね」
不完全燃焼感にさいなまれ、サッカーを辞めようかとさえ考えた酒井の前に現れたのが、当時U-15を担当していた恩師・吉田達磨監督だった。1年生の冬、2004年1月のナイキカップ予選からジュニアユースの指揮を執りはじめた吉田監督は、彼の潜在能力の高さをすぐに見抜いた。
「酒井は当時、右サイドのアタッカーだったんですが、走るストライドが広く、スペースに抜け出るのがうまくて、クロスもいい感覚で上げていました。身長は160センチ台でしたが、ご両親もお兄さんも長身だったし、本人も手足が長くて、いずれ大きくなるのはわかっていた。ビッグサイズのアウトサイドは日本には皆無に等しい。そういう特徴が彼の武器になっていくだろうと確信したんです」(吉田氏)
だからこそ、指揮官は酒井を激しく鼓舞した。
「練習から100パーセントの力を出して、限界までやれ。手を抜くな!」
「1対1では絶対に負けるな!」
「お前たちがレイソルの将来を作っていくんだぞ。その自覚をもて!」
こうした叱咤激励が、ナーバスになりがちだった酒井の心にじわじわと響いていった。
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