つい先日知人とアクタス(Procambarus acutus/White River Crayfish)について話題になりました。その際とある方がアクタスには3系統あると発言していた点について議論になりましたので内容をご紹介しておきます。
なにを根拠に発言してるのか不明
ツイではアクタスに3系統あるかのようなことを言ってますが、結論からいいまして3枚の写真の個体の特徴を根拠として3系統あると発言されてるならば明らかにおかしいです。違和感しか感じません。
発言するならしっかりと根拠を示すべき
アクタスをいろんな産地から取り寄せて実際にブリードして個体差を考慮した上で、産地ごとの細かい特徴を比較していけばアメザリに産地差があるようにアクタスにも複数の系統が存在している可能性はありますが、そこまで調べた上で発言されてるわけではないですよね。発言するならしっかりと根拠を示した上で発言してほしいものです。
根拠のない情報は混乱を産むだけ
昔からそうですが重鎮ぶっていろいろと定義づけを行うような発言をしますが混乱を産むだけです。当方が知る限りですと下のような騒動がありました。
- ゴーストザリガニの起源、定義に関する騒動
- JOCAのタイゴースト正規輸入証明書騒動
- シザーのニセモノ騒動
- アクタス3系統騒動
その他にもいろいろあるんじゃないでしょうか。こうやって混乱を引き起こしてその混乱のなかで真実を知った振りをすることで優位に立ち長らくザリガニ界を牛耳ってきたのではないかと当方は分析しています。
以下、アクタスには3系統あるという発言のおかしな点を簡単に列挙してみます。
おかしい点その1:サイズが全く違う
3枚の写真を見比べてみると1枚目の写真の個体だけサイズが全く違います。
アメリカザリガニであってもここまでサイズ差があると同一個体であっても印象は全く異なります。例えば下の写真は同一個体ですが印象がだいぶ違いますよね。サイズ差を考慮しないで単純比較しても意味がないと思うのですが、、、
おかしい点その2:成長すると爪は太くなる
ヤフオクなどで一般的に出回るアクタスは1枚目の写真のサイズが多いです。
また、一番アクタスの特徴がでるのもこのサイズだと思います。したがって一般的にアクタスと言われた際に多くの方が思い浮かべるのはこの1枚目の写真の個体だと思います。
しかし、アクタスは成長すると爪が太くなっていきます。
下の動画はごく一般的なアクタスの動画ですが成長するとそこそこ爪が太くなってますよね?グーグルで「Procambarus acutus」と検索してみてもよく分かります。
おかしい点その3:見る角度によって爪の印象は異なる
上の動画をじっくり見てみると分かりますが、見る角度、爪を伸ばしているか曲げているかによって爪の見え方は全く異なります。下の画像は上の動画の爪が太く見える瞬間を切り取ったものですが角度が異なるだけですがかなり爪が太く感じませんか?
下の写真は2枚目の写真ですが、上の写真と比較してみると当方には系統が違うというほど差があるようには見えません。しかも下の写真の個体のほうがサイズもだいぶ大きいです。スパイン(爪のトゲトゲ)がかなり発達してますよね。
おかしい点その4:基本的に探究心が欠けてる
某Kさんはザリガニ飼育歴が長くていろんな種類のザリガニを飼育したことがあり、香港の密輸元のショップにちょくちょく足を運んでいるようですし、古くからのザリガニマニアの友人もたくさんいるでしょうからいろんな情報を入手できるはずなのでザリガニについてかなり詳しいはずです。
しかし、経験が長くていろいろ知ってるだけで基本的に知識が浅いと思います。ご自分でいろいろ検証とかほぼされてないんじゃないでしょうか。個人的にKさんはザリガニはすごくお好きなんだろうと思いますが基本的にただ珍しい個体をコレクションしたいだけのザリガニキーパーだと思ってます。その一環でザリガニを販売したりしているためザリガニブローカーとしてのほうが有名ですが。
ちなみにブリーダーがキーパーより上だと言ってるわけではなく、実際に自分の手でいろいろ検証して確かめてみる、そういった探究心が欠けてると思ってます。いろいろ発言されるわりには。発言が常に断片的なのは自分で検証したりして深くものごとを調べたわけではないからでしょうね。
ゴーストザリガニについても当時最高の個体を入手できる立場にいたはずですしドイツのブリーダーとも交流があったようですのでタイゴーストのようなあっと驚くようなゴーストザリガニをKさんの手によって作り出されていてもおかしくないはずですがそうでもないですよね。
アクタスについてもどこまで飼育したことがあるんでしょうかね。最近Twitter上で話題になってるからとりあえず入手してみただけなんじゃないでしょうかね。それが1枚目の写真。実際にアクタスを数年間飼育したことがあればあの3枚の写真を並べて3系統あるとは発言しないと思うんですよね。
具体的な数字を出すテクニック
今回Kさんはあいまいに「複数系統ある」ではなく根拠はないにしろ具体的に「3系統ある」と発言したのはさすがだなと思いました。有能なセールスマンが使う一種のビジネステクニックです。詳しくは下のページを読んでみてください。結構おもしろいですよ
コメント
問題提起させていただいたアクタスの3系統についてはまったく触れることなく論点をずらしてお茶を濁してる感じでしょうか?
系統があるならあるでその根拠を示していただきたかったんですが結局根拠なんてないってことですよね。
ザリガニに限らず多くの生き物に地域差はあります。それを系統と呼ぶのはありだと思います。ただし素人が適当に定義した根拠のない系統なんて何の価値もないです。これまでなんとなく騙されてありがたがってきた方は多いでしょうが、、、
大御所なんて一言も書いてませんし特に大御所だとも思っておりません。経験等は当然豊富な”はず”だとは思っておりますが。