勢＆比嘉真美子が結婚へ　角界と女子ゴルフスーパーカップル

　大相撲名古屋場所で初の優勝と三役復帰を目指す東前頭２枚目の勢（３１）＝伊勢ノ海＝が、女子プロゴルファーで現在国内ツアー賞金ランク３位の比嘉真美子（２４）と結婚することが、２６日までに決まった。ともに１０月１１日生まれという共通点が取り持つ縁で、約２年間にわたり愛を育んできた。比嘉は現役を続け、初の賞金女王を目指す。　

　勢と比嘉との出会いは２０１５年夏場所。知人を通じて観戦に来ていた比嘉が、打ち出し後に会いたいとリクエストしたのが勢だった。それから友人らを交えて一緒に食事をするようになり、１年後の１６年夏ごろから交際がスタートした。

　そのきっかけは「ぼくからですね」と勢。「いいときは８０台の後半」というゴルフの腕前を持つ勢だが、「人としてですね。ゴルフじゃなくて人間にほれました。若いのにしっかりしている。頑張り屋ですごい。尊敬しているし信頼できる。誕生日が一緒いうのもすごいですよね」。ゴルフや誕生日以外にも、ボウリングがうまい、歌がうまい、ヘビが嫌い…。「これはいいよね、これは好きちゃうわっていう共通点が多いんです」と勢が言うように、結ばれるべくして結ばれた２人だったのだろう。

　それが証拠に比嘉は交際スタート後の１６年１０月、１１月の２カ月間で３０００万円近くを稼ぎ、翌年のシード権を２年ぶりに獲得した。１７年夏に勢が高級ブランド、ハリー・ウィンストンの指輪をプレゼントして婚約。その後に比嘉はＮＥＣ軽井沢で４年ぶりのツアー３勝目。今シーズンもツアー４勝目を飾り、賞金ランク３位につける好調を維持している。

　けがで苦しんでいた勢も、交際がスタートしてから金星を３つ獲得。お互いに「刺激し合ういい関係。（比嘉の優勝は）うれしいけれど、クソッという悔しさもあります。同じアスリートとして、ヨーッシ俺もと思う」と奮起につながっている。

　春から東京都文京区の伊勢ノ海部屋近くにマンションを借りた。同居はしていないが、比嘉がトーナメント終了後の日曜夜にそこへ来て、火曜日の朝まで一緒に過ごしている。

　人気だけでなく三役経験もある実力者の勢。春日山名跡を継承しており将来は親方として後進の指導にあたるが、まだまだこれから。刺激をもらいながら「幕内優勝を目指したい」と誓う。　（岸本隆）

＜勢翔太（いきおい・しょうた）＞　本名・東口翔太。１９８６（昭和６１）年１０月１１日、大阪府交野市生まれの３１歳。１９４センチ、１６８キロ。小学３年時にわんぱく相撲で優勝したのを機に相撲を始める。１８歳で伊勢ノ海部屋に入り、２００５年春場所で初土俵。１１年九州場所で十両昇進し優勝。最高位は西関脇、今場所は東前頭２枚目。幕内通算２６１勝２７９敗（３６場所）。敢闘賞４回。得意は右四つ、寄り。

　勢のハートを射止めた比嘉は、勢にひかれた点を「感情豊かなところとか。私自身が感情を爆発させることがあまりないので、自分と違うそういうところはいいなと」と話す。スランプ中に何げなく見ていたテレビで大相撲に興味を持ち、力士名鑑をめくっていたところ自分と同じ誕生日の関取がいた。それが勢だった。

　「初めて会った時、なんかこの人と一緒になるかもしれないと思いました。この人と長いこといるかもしれないという直感がありました」という。結婚を決めた理由は「一生懸命守ろうとしてくれるところが伝わってきた。この方だったら、どんな時でも味方で守ってくれそうだなと思って」

　ゴルフについては「自分が納得いくまでやめる気はありません」というが、将来的には相撲部屋のおかみさんになる覚悟もできている。「関取が親方になったりすれば、それは必然かな。将来を見据えたお付き合いになってきた時から、そういうことは考えてきました」

　女子プロゴルファーのおかみ誕生となれば、元関脇・益荒雄に嫁いで阿武松部屋のおかみさんとなった奥村久子さん（５３）以来。その前に賞金女王になって、史上初の「女王おかみ」を目指す。　（月橋文美）

＜比嘉真美子（ひが・まみこ）＞　１９９３（平成５）年１０月１１日生まれ、沖縄県本部町出身の２４歳。１６１センチ、５８キロ。１１歳でゴルフを始め、２０１１年と１２年に日本女子アマ連覇後、プロテストに一発合格。ルーキー年の１３年にヤマハレディースなど２勝し、賞金ランク８位。１４年後半シード落ちも経験したが、１６年終盤からシード復帰。今季は１勝し賞金獲得額５９８９万円余りでランク３位。ツアー通算４勝。