ここ数年、人材の採用や管理、評価、育成などにITを活用したHR Techが増えている。人事が手で入力したり、膨大なデータを直に見て判断したような作業をプログラムが代行。AI(人工知能)が人材の「評価」まで行うサービスも登場している。
ただ、人事とはもともと「人対人」のアナログな仕事だったはず。デジタルを駆使するHR Techが果たしてどこまで役に立つのか。あるいは使えすぎて人間の仕事を奪わないか。最前線を追った。
就職はときに結婚に例えられる。転職者も採用する企業も、いかに“運命の人”に出会えるか頭を悩ませる。婚活でも出会い系アプリが使われる今、転職者と企業をマッチングするHR Techのサービスは多い。中にはAIを駆使して「あなたよりあなたの能力を理解します」とまでうたうサービスも。AIの“目利き力”は果たして人事を上回るのか探った。
2017年秋、大手航空会社に勤めていた松島丈弘さん(31)に突然スカウトのメールが届いた。出したのはNextremer(東京都板橋区)というAIの開発会社。聞いたこともなく、そもそもAIについて知識もなかった。
当時、パイロットの訓練システムの運用などに携わっていた松島さん。やりたいことのしづらい職場に限界を感じ転職を意識していた。しかし転職サイトには登録していない。怪しいとも感じたが「いいタイミングだ」と面接に。希望の通るこの会社を気に入り18年3月に入社した。今はAIを使った対話システムのプログラミングなどで活躍する。
実は、Nextremerはメールを“ばらまいた”のではなく松島さんに狙いを定めていた。顧客企業に最も合うと推測されるエンジニアを、SNSやブログなどネットから大量に集めた情報を元に分析、提案するヘッドハンティングサービス「scouty」というサービスを利用したのだ。
「scouty」は東京都渋谷区のベンチャー企業scoutyが開発。一般的なマッチングサイトと違い、scoutyではエンジニアは会員登録をしない。そもそも運営側は基本的にエンジニアに直接接触しない。彼らがネットに上げた膨大な個人情報を集積し、AIが分析する。
どんなコードをどのレベルで書けるかといった技術に加え、マネジャーや社長経験といったビジネススキル、さらには「転職する可能性」まで数値化。多角的にエンジニアを評価し、その企業で活躍してくれそうな「転職潜在層」を見つけ出す。
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