「孤狼の血」という映画を観てきました。
ワシはこの手の映画が大好きなんじゃ(゚∀゚)
もうすぐ公開終了でギリギリのタイミングになってしまったけど、非常にずっしりくる良い映画で「観てよかったー!」という気持ち!どう考えても地上波では放送できない映像だしね(ノ∀`)
以下つらつらっと感想文。例によってがっつりネタバレしていくのでよろしくね。
3秒でわかる「孤狼の血」のあらすじ
警察がヤクザの抗争を阻止する話。グロくてエグい。
舞台は昭和63年の広島県呉市……一応架空都市「呉原」ってことにはなってるけどまあ呉です。
私は呉市に住んでたことがあるから(ロケ地マップを見たら近所もあった!)、見覚えのある風景が多くてなんだか愛しい気持ちになった♡
みんな広島弁なのも大変良き。私も住んでいた頃はいろんな人から「食べんしゃい」と食べ物をいただいたものです。広島の人はみんな優しいからね。こんな人たちいないからね!!
感想文
全体的なこと
面白かった(小並感)
以前同じ白石和彌監督の作品である「凶悪」を見て、正直内容云々というより映像作品として退屈な作品だなーと思ってしまったんだけど、今回は全然そんなことなかった。
バイオレンスなシーンは迫力があったし、何より映像的に攻めてた。開幕5秒でグロはさすがに笑う。豚の糞を食べさせられる人を見ながら食べるポップコーンはおいしかったです\(^o^)/
とにかく「攻めていきたい」という作り手の気概のようなものが全編通してびしびし伝わってきた!
内容的に「アウトレイジ」シリーズと比較されることが多いけど、あちらに比べてこちらは暴力が生々しいね。暴力というより暴行に近いかも。指入りタンメンのような愛嬌はない。
暴力シーンにエンタメ性があまりない分、観てる方にもどーんとくる(´・_・`)
印象に残った点としては遺体のリアル感ですかね。掘り起こしたものにしても引き上げた水死体にしても。いやリアルなの見たことないけど。蝿の音の臨場感がすごい。
あとは全体的にみんな暑そうに汗を浮かべてて、それがまた息詰まるような熱気の篭もり具合を醸し出しててすごく良い演出だなーと思った。
終盤の和太鼓の演奏に合わせた殺害シーンもかっこよかったね( * ॑꒳ ॑* )
なおR15ながらエロ成分あり、おっぱい多々ありではございますが、MEGUMI嬢や真木よう子嬢のおっぱいは見られませんのであらかじめご了承ください。
ストーリーのこと
面白かった(小並感)
これまた悪い意味で比較に出して申し訳ないけど、「凶悪」がなんとなく冗長だったのに対して今回はテンポも良く、起承転結がありーの予想外の展開がありーのであっという間の2時間だった!
何よりうそやんガミさん……(´;ω;`)
ショックだったわー。観終わってもショック引きずったわーもうー。
まさかガミさんが本当の正義の人だったなんて思わんやん……(´;ω;`)
役所広司さん演じる主人公の大上さん、通称ガミさんなんだけど、まあしょうもないんですよ。
警察でありながらやることが警察じゃないの。新人を囮に使ってボコボコにさせるわ、取り調べ中に女の人のことはおいしくいただいちゃうわ、捜査のためだと放火に窃盗に賄賂に……もうどっちがヤクザだよって話なの。
そんなガミさんに新しくついたのが、松坂桃李さん演じる広大出身の若手警察官である日岡。観客は彼の目線で物語を追っていって、同時に彼の成長を見守る感じ。
真面目で正義感の強い彼はガミさんのやり方に反発しながらも仕方なくついていくんだけど、中盤で実は彼は県警本部から送られたスパイであることが明かされるのです。ガミさんには15年前に人を殺した疑いがあるからそれを暴けと。
んでね、何が熱いって、ガミさんはそれも全部知った上で日岡を目にかけてやってるわけよ(´;ω;`)
そりゃ言葉は悪いし、名前で呼ばんし、すぐ殴るし、扱いはものすごく雑なんだけど、日岡のことを可愛がってるのが伝わってくるの(´;ω;`)
日岡の日記に赤を入れてるのなんてあんなん泣くでしょ絶対!ボロクソ言ってばかりだと思ったのに「ようやった。ほめちゃるわ。」なんて書かれたら泣かずにはいられないでしょ!
最後に飲み屋街で別れるとき、「なに強がってんだ」みたいなことを言いながら日岡を見送るところなんて完全に父親の目をしてるのよ。そんなんもう……ずるいでしょ……(´;ω;`)
だからガミさんの遺体が上がったときはこれ以上なく絶望的な気持ち……「実は生きてました」なんて一切通用しない明らかな遺体だし(´・_・`)
でもそんなガミさんが日岡に与えた影響はすごく大きくて、ガミさんの想いを胸に彼はより逞しい警察官になっていく、というのが今作のストーリーとしての最大の見どころではないかと。
私も最初は日岡と同じように「なんなんだこの人は……」って思ってたけど、ガミさんが誰よりも正義を秘めた人だと知って見たらきっと序盤や中盤も違って見えたはず。上手いなー><もう一回見たい><
あとこれは私の理解力の問題なんだけど、ヤクザの皆さんが多くて途中で「この人はどっちの人だっけ……?」ってなっちゃったりしたので(特に若い衆の方々)、その辺りを整理するためにももう一回見たい。
惜しいところはガミさんの背景があまり明かされないところだなー。
何故ガミさんがあそこまでするのかっていう動機が知りたかった。原作だとあるらしいのにどうして省いたんだろう(´・_・`)
伏線がしっかり回収されるという点はよかった!養豚場回帰!
真珠摘出シーン、真木よう子さん演じる里佳子の行動の早さに「さすがに肝据わりすぎやろ!」と突っ込まずにはいられなかったんだけど、それも終盤で彼女の過去を知ったら納得( ˘ω˘ )
役者さんのこと
- 役所広司さんといえば前に見たのが「渇き。」だったので、なんかもうそういうイメージです。
- ピエール瀧さんも「凶悪」と「アウトレイジ最終章」の影響でもうアレです。
- 石橋蓮司さんが殺されるシーンは「うふふ」って感じ。
- 松坂桃李さんの演技は目に感情が乗っている感じがしてお見事。
- 中村倫也さんはシャブを打ってる役どころだけど、本当にそんな感じの表情をしているところがすごかった。
- 真木よう子さんは和服の方がエロい。昭和の女半端ないって。
- 江口洋介さんが男前すぎて江口洋介さんになりたいと思いました。
その他雑感
- スクラップブックを丸裸で持ってはいけない(戒め)
- 阿部純子さん演じる桃子のゆるーい広島弁が今作の数少ない癒し要素。
- 豚さんかわいそうです(´・ω・`)
正義とは
作中でもガミさんが問いかけていた「正義とはなんじゃ」って話。
ヤクザは面子、警察は保身しか考えてない中で、ガミさんだけがカタギの平和のために戦っていたわけで。
途中でガミさんが「法でヤクザは縛れない」「奴らがカタギと見分けがつかなくなったら余計に厄介になる」「だからヤクザは生かさず殺さず飼い慣らすのが一番」という旨のことを言うんだけど、私はそれにすごく納得してしまった。
ヤクザなんて明らかにクロなんだから警察だったらちょっと動けばみんな捕まえられるものじゃないの?なんて思ってたけど、それが良いこととは限らないんだなーって。
ただガミさんだって「それはどうなん?」ってこともするし(性欲強いし)、どんな信念であれそういうやり方は正しいとは思えないと感じる人だっているとも思う。正しくはないかもしれないけど、それでも私はガミさんは正義だと思う。
でもねぇ、正義ってのはやっかまれるものだからねぇ(´・ω・`)
警察にしてみれば内部の弱みを握ってるガミさんは煙たい存在だし、ヤクザ側にしても介入されすぎたら邪魔になるし……その結果殺されてしまったわけだからねぇ。
自分の正義を貫くって難しいことだよね。ガミさんはずっとひとりで牙を研ぎ続けていたんだなぁ(´;ω;`)
私は昔から、どちらが有利とかそういうことよりも自分が正しいと思った方を選びたいという性分なんだけど、それでもやっぱり流されてしまうことはあるし、実際その方が楽だったりもする。
だからガミさんのブレない生き様は見ていて胸が熱くなるものがあった。ガミさん格好いいよガミさん……!(´;ω;`)
まとめ
内容が内容なので人にはあまり勧められない作品だけど、映画としてとても面白かったし、ずっしりとした余韻が残るいい映画だなって思った!原作も読んでみたい(。・ω・。)
続編が決まってるみたいなのでそちらも期待してます!続きものなのかな?
映画が終わったあとお手洗いに行ったんだけど、油断してたら江口洋介さんがドスを持ってドアを蹴り開けてくるんじゃないかとドキドキでした\(^o^)/
そりゃもうびっくりどっきり……いえ、これ以上はやめましょう( ˘ω˘ )
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