東海道と東北・上越新幹線、なぜ直通しない?

国鉄時代にはあった乗り入れ計画

東京駅で並ぶJR東日本の新幹線E5系(手前左)とJR東海の東海道新幹線(奥)(写真:ニングル / PIXTA)

東京都心部では、「湘南新宿ライン」「上野東京ライン」など、以前はターミナル駅止まりとなっていた鉄道を直通させることによって利便性を高めている。だが、東海道新幹線と東北・上越新幹線などの新幹線は東京駅が終点で、ホームは隣り合っているものの直通はしていない。

直通運転が活発化する中、新幹線も東京駅で相互乗り入れすればいいのに、と思うのは自然な考えである。しかし、現状では直通運転は行われておらず、その話も今はない。

規格に違いはあるものの

東京駅に乗り入れている新幹線は、JR東海の東海道新幹線と、JR東日本の東北・上越・北陸の各新幹線(ならびに秋田・山形のミニ新幹線)がある。後者をいちいち列挙するのは煩雑なので、以下では「JR東日本の新幹線」ということにする。

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新幹線の線路の幅は在来線より広い1435mm、架線の電圧は交流2万5000ボルト。これは東海道新幹線もJR東日本の新幹線も同じだ。これだけを見ればすぐにでも直通できそうに思える。

だが、電源の周波数は異なり、東海道新幹線では60Hzなのに対し、JR東日本の新幹線は北陸新幹線の一部区間を除いて50Hzとなっている。信号のシステムも異なっている。東海道新幹線は「ATC-NS」、JR東日本の新幹線では「DS-ATC」というシステムが採用されている。

これらをなんとかしないと直通はできないが、逆にこれくらいならばなんとかできるのではないかとも思える。実際に、北陸新幹線の車両は複数の電源周波数のエリアを走っている。東海道新幹線とJR東日本の新幹線が直通しないのは、どんな理由があるのだろうか。

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  • NO NAME8605a97627e0
    乗り継ぎ客が少ないのは、新幹線特急料金が合算されて割高になるのも影響していると思います。

    仙台へは関空、神戸、伊丹から便が出ていますが、LCCや早割を使えばずいぶん安いですしね。

    またこの区間は空路も鉄路も両方使いますが、新幹線の場合は、のぞみが雪などで遅れても、当然はやぶさ等が待ってはくれないため(他線に波及しないのはいいことですけれど)東京駅で余裕をみなくてはならず、直通運転のような安心感はやや劣る印象です。

    なにより一番困るのが、ネット予約。それぞれICサービスだと割安な乗車券の通しができなくなってしまうし、ならば紙の特急券にしようとしても、二箇所のサイトで予約して、東北部分の発券は東京駅で改札を出ないと出せないという不便さ。

    席数では大したことはないものの、関空や神戸からの仙台便の搭乗率はとてもよいそうで(9割近い月も)、これでは人気が出るのも仕方ないと思いますね。
    up7
    down0
    2018/6/27 06:25
  • NO NAME8e1341cf2edd
    利便性向上としてはやって欲しいことではあるけれど、まずはSuicaのエリア跨ぎ問題解決して欲しいなぁ
    up6
    down0
    2018/6/27 06:03
  • NO NAMEc8bf0add8423
    東京駅で線路が分断されていることで、営業列車と車庫への回送列車が線路を共有せざるを得ず、増発が難しいという問題が生じている。
    例えば、4分間隔で列車が行き交う東北新幹線の場合、運転できる本数は60÷4=毎時15本となるが、東京駅の線路4本では停車時間が最大12分しか取れないため、それ以上必要とする列車は、いったん上野駅か車庫に移動することになる。ところがこの回送列車も「毎時15本」の数に入るため、列車増発をしようにも難しい。
    大宮駅や品川駅での折り返し運転は、車庫への回送列車によるボトルネックを緩和する働きがあるものと思われる。
    up5
    down0
    2018/6/27 06:15
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