【サッカーW杯】エル・ハダリ、史上最高齢出場も敗退をエジプト国民に謝罪

Essam El Hadary Image copyright Reuters

サッカーのエジプト代表は25日、ロシアのボルゴグラードでワールドカップ(W杯)ロシア大会グループA第3戦のサウジアラビア戦を戦い、2-1で敗れた。ゴールキーパーのエッサム・エル・ハダリはこの試合でW杯史上最高齢出場の記録を打ち立て、ペナルティキック(PK)を止めるなど活躍したものの、チームは敗戦。エル・ハダリは試合後、チームのグループステージ敗退を国民に謝罪した。

エル・ハダリは前半39分、サウジアラビアのファハド・アル・ムワラドが蹴ったPKを防いだ。しかし後半アディショナルタイムにサレム・アル・ダウサリが決勝ゴールを決め、サウジアラビアに勝利をもたらした。

エル・ハダリはこの試合、45歳と161日でW杯史上最高齢選手となった。

エル・ハダリは「チームの3連敗について、私自身とチームメイトを代表してエジプト国民に謝罪する」と述べた。

「自分自身が達成したこと、そしてそれがエジプトに価値あるものだったことを誇りに思う」

「我々は挑戦したが、運がなかった。これがサッカーだ」

手に汗握る展開となったグループステージ最終戦。28年ぶりのW杯本大会出場となったエジプトは、英プレミアリーグ・リバプールに所属するフォワードのモハメド・サラーが前半22分にループシュートを決め、1934年イタリア大会でのW杯初ゴール以来初めて、リードを奪う展開となった。

しかし、エル・ハダリがアル・ムワラドのPKを止めてわずか5分後、エジプトはサウジアラビアに再びPKを与えてしまい、これをサルマン・アル・ファラジに決められて同点とされる。そして後半終了直前、アル・ダウサリが得点し、サウジアラビアが1994年アメリカW杯以来となる勝利を挙げた。

エル・ハダリはこの試合で、コロンビアのゴールキーパー、ファリド・モンドラゴンが2014年ブラジルW杯で記録した43歳と3日という記録を破り、史上最高齢出場選手となった。エジプトのエクトル・クペル監督はこのことについて、「エジプトにいる全ての人が幸せ」に感じて欲しいと望んでいると話した。

「代表に選ばれた3人のゴールキーパーに大きな差はないが、エル・ハダリは今日プレイするのにふさわしい人間だった」とクペル監督は述べた。

クペル氏はまた、サラーが広告目的に自分が過剰に使われているのを快く思っておらず、今大会で代表を引退するのではないかという噂も否定した。

「その話は正しくないと思う。サラーは代表チームで戦えるあらゆる機会を本当にありがたく思っている」とクペル監督は語った。

エジプトはウルグアイ、ロシア、サウジアラビアに3連敗し、勝ち点を得ることなくグループA最下位で今大会を終えた。

(英語記事 World Cup 2018: Egypt's history-making keeper El Hadary apologises to nation

この話題についてさらに読む