増田*1にいくつか故人を「いい人」と書いていることに違和感を感じるだとか「仏様補正」しているとか「やたら褒めてて気持ち悪い」なんて書いてあった。
気持ち悪さの原因は、いわゆる「内輪感」に通じる。今回、氏の事件に際して氏の人となりを知る人はそれを書き、語ってる。
氏の人となりを知らない人からすれば、それらは就職、退職エントリやオフ会報告と変わらないのかもしれない。
だから気持ち悪いんだろう。
故人を知る人は、ネット上のhagex氏というペルソナではなく私人としての岡本顕一郎という人間と向かい合ったことについて、その人となりを追悼として書き綴っている。
hagexとして問題があった人であっても、人間としての岡本氏は違った。
誰かが殺され、妻と娘が「最高の夫であり父親でした」友人が「本当に惜しい人を亡くしました」とコメントを出したとして、増田は「いやいや、あの男がやったこと考えてからコメントしろや。なに聖人君子に補正してんだよ」なんて言うのか。
亡くなったその日に、翌日に。
故人の人柄を偲んでいるのが「気持ち悪い」とかなんとか。
私人としての彼について語ることの何が悪いのか。
死んだ直後に故人の人格について総括して語れとでも?
今月、サシ飲みした相手が刺されて、故人を揶揄しないのはバランスが悪いとか。
お前の血は何色だよ、マジで。
テロリズム
もし今回の事件が「hagexというブロガーでなければならなかった」のならhagex氏というブロガーについてももっと語られたろう。
私怨を生む背景や関係性、ネット作法だって変更せざるを得ないのかも知れない。
情報だってまだ不十分。
取り調べに関しても何も聞こえてこない。
あるのは増田の書き込みやこれまでの経緯だけ。
ただ今の情報だけでも「hagex氏でなければならなかった」なんて総括にはならないだろう。
それなりに名が知れて、はてなユーザーであり、話題になる相手。
zaikabou氏が書いてるが、自分も含め、これを読んでいるあなたも含め、はてなというサービスを利用するユーザー、あるいは運営している人間であれば誰が対象でもおかしくなかった可能性が高い。
私のように明確に殺意を示されていた人間や、あるいはもっと長年にわたって粘着されていた人間もいる。そちらではなくHagex氏が…というのは、本人が偶々福岡の近い場所の住人で、かつ、今回、特定できる場所に出てきたから、というだけのことなのか。
私自身も在華坊名義で、不特定多数の前に出るイベントやトークなどは何度か経験しているが、かの人が横浜近郊に住んでいたら、こういう危険性があったということなのか。
そういう、自分自身の不安もあると共に、今回、辛いものがあるのは、例えば上記のように書かれても自分はスルーしているだけで、明確な対応はしていなかった。犯行予告と解して、通報、被害届などしていれば、結果として今回の凶行は行われなかった可能性もあるのではないか。そう考えると辛い。
揶揄したユーザーが誰かわかったら間違いなくそのユーザー全員を殺したろう。
もしはてなが先に襲われユーザーの情報が犯人の手に渡っていたとすれば、その方がよほど恐ろしい結末になったかも知れない。
個人と個人の私怨より、今回ははてな運営、およびはてなを利用するユーザーすべてに対するテロとしての犯罪としての側面が見える。
匿名の増田は、誰が書いているかわからないからどうしようもない。
ただ目立つところ、手の届くところにやってきた岡本氏が犠牲になってしまった。
それ以上に、6月10日の"増田"に、"低能先生は引きこもりでネット弁慶だから何もできないだろう"という揶揄、いじりの投稿があった。今後の警察の取り調べでわかると思うが、それを読んで"見せつけてやる"と犯行を決意したのではないか。そして2週間後にたまたま容疑者の近くに来たHagexさんが襲撃されてしまったということだと思う。"俺を揶揄した、誰だかわからない書き手"への恨みが、目の前に来た"その一味の一人"のHagexさんに向けられた。ネット上のいざこざが殺人事件に結びついたというのは聞いたことがない。初めての事例ではないか。そして僕の意見では、現時点でHagexさんには責任はないと思う」。
今回の件は「福岡であのhagexがセミナーを開くから襲ってやろう」と犯行に及んだ可能性がとても高い。
ファーストフード店に入って隣の席ではてブの話が聞こえたからという理由で襲っていたかもしれない。
満員電車の中、スマフォではてブをやってるのを見かけ、後をつけ殺したかもしれない。
誰しもブックマークでコメントする時、命をかけてるわけじゃないだろう。
自分だって殺されるならとっとと逃げる。
エネミー・オブ・アメリカのジーンハックマンばりに地下に潜り、失踪する。
ブログに書いたこと、コメントで書いたこと、ツイートの内容に命をかけていない。
それをもって殺されていい理由にはならない。
これがネットの言論に対するテロだと言うのはその通りだろう。
kyoumoe.hatenablog.com
きょうもえ氏がブログを止めるのも流れか。
因果応報
b.hatena.ne.jpよくもまぁ青二才は「インガオホー」などと書けたものだ。
自分がその対象になった可能性もあるとは考えんのか?
インガオホーどころか青二才様が降臨なされたオフ会に乱入したとしてもおかしくはなかったが。まぁ、貴方が襲われてもインガオホーだよね。
だが故人は、青二才が襲われても「因果応報」なんて言葉は使わなかったろうよ。
バカのために言っとくけど、
「ネットでいじるべきじゃない人をいじってひどい目にあうのは因果応報だけど、加害を加えた時点でその人は犯罪者なので、脅迫や暴力にはちゃんと刑事罰を与えてください。」
って意味で言ってるからな?
「因果応報だから守られなくていい」とか「因果応報だから傷つけられるべきだった」とは言ってないからな?
青二才のために書いてやるが「ひどい目にあうのは因果応報」と書いてる時点でその行為(被)自体を肯定してる。
「因果応報だから守られなくていいなんて言ってない」と保険貼るのはいいが、であればなぜ「ひどい目にあうのは因果応報」と言えるか?が破綻してるのわかってる?
インガオホーという一言で、無自覚に、故人が殺されたことを正当化。
因に果は、応じ報じた、つまり今回の事件は報いである、と。
いや、ひどい。
それにしてもなんで漢字の「因果応報」ではなく忍殺語の「インガオホー」なのか。
それとも「因果応報」と書くと直接すぎるとでも感じたのか。
どちらにしろ同じだ。
ところで宮森はやとってのは、やってることはアレだし、色々とがっかりだし、見ていて歯がゆい。
だが、人間としては嫌いになれない。
今回のことでも
故人にインガオホーと言ってのける青二才よりよほど信頼できる。
絵は買わんが。
もしhagexブログが訴えられ、負けたとすればそれは確かに因果応報だったろう。
因に対し相応の果が応じ報いる。
ブログに書いた内容に問題があれば法的に訴え、それによって量刑され罰を受けるからこそ法治国家が成り立つ。
だが低能先生の荒らしをまとめ、報告したことに対して刺殺され、私刑行為が、テロが、ネットに書いたことに対して相応しい「インガオホー」だと感じているなら青二才の人としての感覚を疑う。
直接的には低能先生が悪いが間接的にはインガオホー?
ネットでいじるべきじゃない人をいじってひどい目にあうのが因果応報?
だとしたら生きている増田には、どんな因果応報があるの?
死ぬのが因果応報だとすれば、それはどれだけ重い行いなんだよ?
他人事でインガオホーと人の死をおちょくり、ドヤ顔でリンク貼る行為は、どんな因果応報が待ってんの?
どれだけの悪事に対してなら刺し殺されることが報いで、因果応報だと言えるのか。
ブログを書くことがそれほどに罪だというなら、青二才が書いている「インガオホー」という故人への言葉にはどんな果が返るのか。
何であっても殺す、殺されることを正当化されてはいけない。
ミサワブラックだがなんだか知らんが、保険保険で真意が透けて見えて……。
見下げ果てた。
*1:はてな匿名ダイアリー