昨晩よりTwitterのタイムライン上では下記のツイートを巡って議論が起こっています。
投稿のコメント返信欄には、この「大人で弾いてる人いないでしょう」の箇所に対し、ユーザー達がピアニカとリコーダーの魅力を伝える動画のURLや、バンド名などを(やや憤慨気味なニュアンスで)伝える、という事象が起きています。これは、これまでになかったような、鍵盤ハーモニカの「市場」「シーン」「プレイヤー」に絡むバズり案件です。(中には「〇〇大学のくせにこんなことも知らないのか」「〇〇(職場名)なのに~」と誹謗している方もおられますが、どうか同じ鍵盤ハーモニカ奏者ではないことを願っています。)
さて、ここで専門の研究家・演奏家である私南川の周囲を見てみますと、鍵盤ハーモニカをがっつりやっている友人・知人はおよそ250名、リコーダーも多数、messengerのアイコンは上からしたまで鍵盤ハーモニカをかまえた写真アイコンで埋め尽くされています(笑)こうした環境は非常に「特殊」な環境であり、私(あるいは私の周囲の鍵盤ハーモニカユーザー達)は自分が少数派に位置していることを自覚しなければいけません。ツイッターという場所は自分の興味でつながる場所ですから、たとえば私のTLには日々「My new gear…」「セッションイベントいってきた」「ライブきて」「楽器改造してみたw」「あの機種ほしみ」といった素敵な投稿がひしめいていますが、そのような投稿とは無縁の生活を送っている人もいます。(私の夫などは「my new gear」の読み方もわからないでしょう。)
おそらくご投稿者様は、ブログの内容などからそのようなMy new gearクラスタとは無縁のご生活を送っているとご察しいたしますが、なぜ投稿者様が、「素敵じゃない楽器」とご判断されたのか、我々のような鍵盤ハーモニカを当たり前のように愛している者たちは、その理由を少し想像力を働かせて考える必要があります。
私はその理由が「楽器そのもの」にも、「音楽教育」にも、「音楽家」にも、「メーカー」にも、様々なところにあると考えています。その問題は大変根深く、一概に「●●が原因!●●が悪いんじゃー!」などと断言できるようなものではありません。(例:音楽の先生が演奏下手なのが悪いんじゃー、等)音楽の力は絶大とはいえ、単純に「イケてる音楽を見聴きしたらいいみんなイイ感じになる」わけでもありません。一つを直せば皆よくなるものではなく、大きな構造の問題であり、様々な不足不備の積み重なりでもあります。
なお、すこし投稿者様の発言を遡りますと、「学校教育が要因でアートが嫌いになってしまう」問題についてについて提起されていたことがわかります。その延長での一連のご発言だったわけですが、私の研究家としての最終見解は、以下につきます。
「なぜ素敵じゃないと思う人がいるのかを、100%素敵だと思ってる人は一度考えてみよう!」
幸い、本ブログの読者様は、音楽教育に携わってる人、学校現場の人、演奏をしている人、メーカーの中の人、売る人、と多岐に渡っています。それぞれの観点で、この楽器の未来について考えてみませんか?
ご投稿者様におかれましては、業界にとって凄く良い問題提起をありがとうございました。
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