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ミクシィがスポーツジム事業に参入することが2018年6月26日までに日経コンピュータの取材で分かった。主に高齢者の需要を狙い、2019年3月までに店舗開設を目指す。ジムでの運動とミクシィのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を連動させて、トレーニングの成果を家族と共有するなど楽しみながら健康を維持できる仕組みを整える。
運動器具を整備するのに加え、友人などとのコミュニケーションを促すサービスを充実させる。例えば高齢者が自身の健康状態のデータを孫と共有したり、友人同士がダイエットの結果を競ったりといった用途を想定する。同様のサービスは既に存在するが、ミクシィはIT企業としての強みを生かすことで差異化を図る。
具体的にはSNSの「mixi」や写真共有サービスの「みてね」、複数人で楽しむスマホゲーム「モンスターストライク(モンスト)」などで培った対話支援のノウハウを生かす。会員の様々なデータを収集してミクシィのネットサービスと連携させる。ジムはミクシィが直営する。
スポーツジムによるフィットネス事業は「結果にコミットする」の宣伝文句で有名なRIZAPグループやコナミホールディングスなどが展開しているほか、ベンチャー企業のFiNCなどの健康支援アプリも増えている。ミクシィは後発として同市場に参入することになる。ミクシィは大ヒットしたモンストに続く事業の柱を模索しており、心身の健康を支援する「ウェルネス」事業を注力領域の1つに定めている。
ミクシィを巡っては2017年末、チケット販売サービス「チケットキャンプ」について一部の高額転売業者を不当に優遇していた問題が発覚。2018年5月に同サービスを閉鎖した。サービス終了に伴う特別損失のほかモンストの減速が響き、2018年3月期業績は売上高が前年比8.7%減の1890億円、営業利益が同18.7%減の723億円だった。
6月22日には同社社長の在任中にチケットキャンプ事業を買収した森田仁基氏が商標法違反の容疑で神戸地方検察庁に書類送検された。森田氏は同日付で引責辞任し、6月26日の株主総会を経て就任予定だった木村弘毅氏が前倒しで社長に就いた。ミクシィはモンストの生みの親である木村新社長の舵取りの下、経営の立て直しとモンスト事業の強化、そして新たな収益源の確立に取り組む。