2018年上半期のベストを皆さんが出そうとしてる中、今更ではございますが2017年邦画の話。
2017年は前年の「シンゴジラ」「君の名は。」「この世界の片隅に」など社会現象と言えるような超大作はありませんでした。
でありますが例年なみ、いやそれ以上の傑作、名演技が光る年ではありました。
こういう年こそ映画祭に注目しなければ。
だから今回は「日本アカデミー賞」を温かく見守ろうと考えていました。
ところが、
え?あの作品は?あの俳優は?女優は?
と思う受賞の連発。
とことん僕と日本アカデミーは趣味があわない。
やはり見え隠れする業界のしがらみ
憤りとモヤモヤが...
ここはまた僕が動くしかない!
ということで世界で最も注目されない
しがらみは無いが栄誉も無い
「第2回日本アノデミー賞」
ここに開催します!
ノミネート条件
2017年1月~12月末日までに公開された作品及び作品に出演、関わっている事。
審査方法
各賞優秀賞を5作品、5名選出。
その中から最優秀賞を決定。
最優秀賞はオリジナルイラストを付けて発表。
前後編ものは前編、後編2作で1作とさせて頂きます。
審査員は私あのまり1人です。独断と偏見満載です。
用意された賞は下記の通り。
・助演男優、女優賞
・名言賞
・アニメーション賞
・脚本賞
・カップル賞
・主演男優、女優賞
・監督賞
・作品賞
以上です。
今年は誰がどの作品が受賞するのでしょうか?
早速こちらの賞の受賞者から発表します。
優秀助演女優賞
・北川景子/探偵はBARにいる3
・佐津川愛美/ユリゴコロ
・橋本環奈/銀魂
・橋本マナミ/光
・平岩紙/At the terrace テラスにて
以上5名の皆さんです。
いずれも助演ながら、主役に負けない華を作品に添えてくれました。
流石の演技と思える方もいれば、え?こんな演技が出来る人だったの?と驚きを隠せない人もいました。
それぞれ演技の種が違うから、誰が最優秀か選ぶのが難しい...
が、1名を選びましょう。
最優秀助演女優賞は...
作品「ユリゴコロ」より
佐津川愛美
日本アカデミー賞ではノミネートすらされていませんでした。
は?
でございます。
今作では拒食症+自傷癖のある病んだ女性を演じました。
あれ?これ佐津川愛美?
と最初分からない程、普段の可愛い彼女は成りを潜め、まるで生と死の狭間にいる幽霊のような不気味な存在。
リストカットのシーンでは思わず目をそむけてしまう程のリアルさ。
登場時間こそ短いものの、その存在感は凄かった。
彼女は以前から注目していて、作品ごとに力をつけていってるなぁと感じていましたが
それは今作で確信に変わりました。
断言しましょう。
彼女は数年以内に女優として天下を獲る
自信を持ってアノデミー最優秀助演女優賞を贈らせて頂きます。
おめでとうございます。
続きまして、こちらの賞の受賞者を発表します。
優秀助演男優賞
・大杉漣/アウトレイジ最終章
・西田敏行/アウトレイジ最終章、ナミヤ雑貨店の奇蹟
・松坂桃李/彼女がその名を知らない鳥たち
・松山ケンイチ/ユリゴコロ
・役所広司/三度目の殺人
以上5名の皆さんです。
クーッ
若手から大御所まで...
自分でノミネートさせといてあれですが、決めかねる。
が、1名を選びましょう。
最優秀助演男優賞は...
作品「アウトレイジ最終章」より
大杉漣
正直に告白します。
これはえこひいきです。
主催者特権を行使させて頂きました。
でもその演技が素晴らしかったことは誰も異論ないでしょう。
今後何年この授賞式を重ねようが、もう大杉漣さんに賞をあげれる機会はないんだな...
そう思ったら選ばずにいられなかったんですよね。
これまでの名演技の積み重ねに感謝と愛をこめて
アノデミー最優秀助演男優賞を贈らせて頂きます。
おめでとうございます。
続きましてはこちらの賞の発表です。
優秀名言賞
・ビートたけし/アウトレイジ最終章
「舐めてなんかいねぇよバカ野郎!」
・西田敏行/アウトレイジ最終章
「迷惑もハローワークもあるかい!」
・浜辺美波/君の膵臓を食べたい
「私はやっぱり 君の膵臓をたべたい」
・深津絵里/サバイバルファミリー
「お父さんはそういう人なんだから!」
・松岡茉優/勝手にふるえてろ
「ザッツビューティフルサンデーだよ」
「今 私 無敵」
笑わせてくれた名言、感動させられた名言、どれもこれも胸に刺さりました。
が、選びましょう
最優秀名言賞は...
作品「アウトレイジ最終章」より
これ凄くないですか?
笑っていいのか、ビビればいいのか
恫喝するシーンで親父ギャグですよ
これは台本にあったセリフなんでしょうか?
西田敏行のアドリブなんでしょうか?
もしアドリブなら笑いをこらえたピエール瀧にも
よく我慢したで賞をあげたい
僕は大爆笑してしまいましたw
是非皆さんも会社で嫌いな上司が休んで復帰した時に
「ご迷惑かけてすみません」
とか言ったら同じように怒鳴ってみて下さい。
たぶん上司かあなたが退職する事になりますから
アノデミー最優秀名言賞を贈らせて頂きます。
おめでとうございます。
続きましてはこちらの賞の発表です。
優秀アニメーション賞
・君の声をとどけたい
・眠り姫
・BLAME!
・メアリと魔女の花
・夜明け告げるルーのうた
以上の5作品です。
我が国が誇るアニメ文化。
今年もそれに恥じぬ作品が沢山ありました。
でも1作を選ばなければいけません。
発表します。
最優秀アニメーション賞は...
夜明け告げるルーのうた
2017年、アニメーションは間違いなく湯浅正明監督の年でした。
「夜明け告げるルーのうた」だけではなく「夜は短し歩けよ乙女」もありました。
Netflixオリジナルアニメ「DEVILMAN crybaby」もありました。
そのどれもが話題となり沢山の絶賛の声を聞きました。
正直僕は湯浅監督がなぜ天才扱いされるのか理解出来てませんでした。
単色ベタ塗りの絵柄、省略されるキャラクターの顔、極端な前傾姿勢で走る描写
そのどれもが苦手でした。
でも先の3作を観て
なるほどな...そりゃ天才って言われるわ
と氏に対する評価を180°変えさせられました。
反省すると共にアノデミー最優秀アニメーション賞を贈らせて頂きます。
おめでとうございます。
では次にこちらの賞を発表します。
優秀脚本賞
・At the terrace テラスにて
・奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
・君の膵臓をたべたい
・狂覗
・ビジランテ
以上の5作品です。
映画はまず脚本ありき。
それが持論です。
ゆえに悩みます。
最も素晴らしかった脚本...え~っと、え~っと
頭を掻きむしり過ぎてハゲそうです。
が、選びましょう
最優秀脚本賞は...
君の膵臓をたべたい
お?何かブーイングが聴こえそうだぞ
原作ファンの声だなきっと
僕は映画先行、原作後追いだったんですが
あの改変はアリ、大アリと取りました。
原作と異なり、大人になった主人公が過去を振り返る形式で展開される物語。
あれは原作の本質を変えるものではなく、時間を経過させることでより感動の振り幅を大きくさせるものです。
実際僕はオグシュンに泣かされましたからね
2017年1泣かされましたからね
素晴らしい原作をただトレースするのではなく、より感動的に演出しようという脚本。
しかも本質は変えず。
素晴らしいのひと言に尽きます。
アノデミー最優秀脚本賞を贈らせて頂きます。
おめでとうございます。
続きましてこちらの賞の発表です。
優秀カップル賞
・彼女がその名を知らない鳥たち
蒼井優×阿部サダヲ
・彼らが本気で編むときは、
生田斗真×桐谷健太
・君の膵臓をたべたい
浜辺美波×北村匠海
・忍びの国
大野智×石原さとみ
・ユリゴコロ
吉高由里子×松山ケンイチ
以上5組の皆さんです。
僕リア充嫌いなんですよね。
何で映画でまで他人のイチャコラ見にゃならんねん
そんな僕でさえこのカップル達は応援したくなりました。
そして最もヒューヒューだよーと応援したくなったカップルは…
作品「彼らが本気で編むときは、」より
生田斗真×桐谷健太
いやぁ、あのカップルは応援したくなるでしょ
最初生田斗真の女装には
え?
てなりましたけど
もう途中からは女性にしか見えませんでしたもん。
個人でも賞をあげたかったんだけど
男優賞?女優賞?
と悩んだ結果こちらで賞を贈らせて貰うことにしました。
マキオ(桐谷健太)が言う
「リンコさんのような心の人に惚れちゃったらね、あとの色々なことはどうでも良いんだよ」
この言葉が全てですね。
本当どうでも良い。
素敵なカップルだ
アノデミー最優秀カップル賞を贈らせて頂きます。
おめでとうございます。
残す賞もいよいよ主要3部門と作品賞を残すのみ。
ここまで読み進めてくれてる人はいるのか?
そんな事はお構いなし
どうせ自己満足でやってる祭典だ
てことで次はこちらの賞の発表です。
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優秀主演女優賞
・蒼井優/彼女がその名を知らない鳥たち
・有村架純/ナラタージュ
・瀬戸さおり/愛の病
・松岡茉優/勝手にふるえてろ
・吉高由里子/ユリゴコロ
以上の5名です。
ああ、凄い
どの女優も凄い、凄すぎる。
この中で1人を選べって、拷問ですか?何の刑ですか?
しかし選びましょう
最優秀主演女優賞は...
作品「ユリゴコロ」より
吉高由里子
メッチャ悩みました。
全ての賞の中でこの賞が1番悩みました。
だって5人とも素晴らしかったんだもの
日本アカデミーをとった蒼井優は言わずもがな
怖さを伴う恋する女性を演じ切った有村架純
自身が持てる全てを出し切ったような演技で圧倒してくれた瀬戸さおり
初主演にして鑑賞者全員を虜にした松岡茉優
全員に最優秀をあげたい
でもどうしても1人を選ぶなら吉高由里子となりました。
人を殺さずにはいられないサガ(ユリゴコロ)を背負った悲しい女。
これが吉高由里子に見事にハマった
個人的には横道世之介以来の超ドハマり役だと思います。
綺麗なんだけど、これといった特徴のない彼女が冷酷な殺人鬼を演じるとこんなに怖くなるのか、そして哀しくなるのか。
どう見ても忌むべき存在なのに、彼女の人生を追うと憐れでならない。
どうか幸せになって欲しいと祈らずにいられない。
鑑賞者の心をこれだけ掴んで離さないのは吉高由里子が演じてこそ
そう感じざるを得ません。
アノデミー最優秀主演女優賞を贈らせて頂きます。
おめでとうございます。
続きましてはこちらの賞の発表です。
優秀主演男優賞
・阿部サダヲ/彼女がその名を知らない鳥たち
・大泉洋/探偵はBARにいる3
・小日向文世/サバイバルファミリー
・菅田将暉/あゝ荒野
・間宮正太郎/全員死刑
以上の5名です。
うぅ...悩みすぎてゲボが出そうだ。
この中から1人...
でも選びましょう
最優秀主演男優賞は...
作品「彼女がその名を知らない鳥たちより」
阿部サダヲ
実はこの賞は全然悩みませんでした。
ゲボなんか出ませんでした。
映画を観た瞬間に
あ、阿部サダヲ凄い!
てなりましたから。
「彼女がその名を知らない鳥たち」は演者全員良かったんですよ。
蒼井優はもちろん、松坂桃李も竹野内豊も
でも1番印象に残ったのは阿部サダヲでした。
普段のコミカルな彼とはうって変わって
小汚い、いやらしい、阿部サダヲ
最高ですね!
そう、こんな阿部サダヲが見たかった!
嫌悪感を感じさせて感じさせて...ラストのあれ
ヤ・ラ・レ・マ・シ・タ
怪演とはああいうことを言うんじゃないでしょうか
文句なし
アノデミー最優秀主演男優賞を贈らせて頂きます。
おめでとうございます。
続きましてはこちらの賞の発表です。
優秀監督賞
・大久明子/勝手にふるえてろ
・北野武/アウトレイジ最終章
・小林勇貴/全員死刑
・白石和彌/彼女がその名を知らない鳥たち
・湯浅正明/夜明け告げるルーの唄、夜は短し歩けよ乙女
以上の5名です。
これは悩む。
THE 悩む
どの作品も大好きだし、その監督じゃなきゃ撮れなかった作品ばかり。
内臓が口から出そうです。
しかし選びましょう。
最優秀監督賞は...
作品「勝手にふるえてろ」
大久明子
正直大久明子監督の作品はあまり観てなかったんですよ。
でも「勝手にふるえてろ」があまりにおもしろくて過去作品をあさりまくってしまいました。
それほど素晴らしかった。
原作は未読ですが、かなり改変されてるはずなんです。
映画仕様に。
文字では表せれない演出の数々。
滑稽な人物描写、突然のミュージカル、奇抜なセリフの言い回し、等々
良い意味で遊んでる
遊びまくってる!
それが1つもハズさずハマりまくってるんですから
天才以外の何者でもないですよ
僕は誰にどのように勧められても原作はきっと読みません。
映画で充分満足、ていうか僕の中で映画以外の「勝手にふるえてろ」は存在し得ない。
それ程の作品、トータル演出でした。
アノデミー最優秀監督賞を贈らせて頂きます。
おめでとうございます。
さて、いよいよ最後の賞です。
2017年度最も優れた作品を決めさせて頂きます。
優秀作品賞
・彼女がその名を知らない鳥たち
・彼らが本気で編むときは、
・勝手にふるえてろ
・君の膵臓をたべたい
・ユリゴコロ
以上の5作品です。
全部最優秀!
て、出来たらどんだけ楽か
もうあみだかなんかで決めちゃう?
いや、ちゃんと考えて決めましょう!
決めます!
ああ、勝手にやってて勝手に緊張しちゃう...
2017年最優秀作品賞は...
彼女がその名を知らない鳥たち
悩みました、本当に悩みました。
でも監督、脚本、映像、演出、演者、トータルで考えた時
今作が頭1つ飛びぬけていた
2017年1番心に残ったのがこの作品でした。
どの作品も笑ったり、興奮したり、泣かせられたりしたんです。
でもその感情はハッキリしていました。
その中で「彼女がその名を知らない鳥たち」だけは
自分でもどういう感情なのかわからなかったんです
でも観終わった時に大号泣していました。
怖かったのか、悲しかったのか、嬉しかったのか...
今でも分かりません。
たぶんその全部が入り混じった感情です。
端的に言うと
圧倒されました
おそらく僕ごときでは受け止めきれない圧倒的なパワーがあの作品にはあります。
僕はそれを少しずつでも受け取りたくて、何度も観ているのです。
そしてこれからも観るのでしょう。
関係者の皆様、素晴らしい作品を本当に有難うございます。
アノデミー最優秀作品賞を贈らせて頂きます。
ということで「第2回日本アノデミー賞」全ての賞の発表が終わりました。
最後まで読んでくれた人はいるのでしょうか。
いたなら、本当に有難うございます。
疲れましたよね。
僕も疲れました。
でも楽しかった。
自分の中に溜まったモヤモヤを発散することが出来ました。
大好きなあの作品、あの役者さんに当らなかった光をわずかでも与えたかった。
何の栄誉もないけど祝いたかった。
それが出来て満足です。
もちろん独断と偏見に満ち溢れた授賞式なんで、
何であれが入ってないんだよ!
あの人はどうなってんだよ!
という声はおありでしょう。
ま、皆さんを納得させる賞なんて不可能ですから
バーカバーカと心の中で文句を言って下さい。
(傷つくから書き込まないでね)
最後に
2017年の邦画も素晴らしい映画ばかりだった
有難う!邦画!
では出来れば来年もお会いしましょう。
長文お付き合い頂きまして有難うございました。
閉幕
前年の授賞式と今年の受賞作品の過去記事を書いてる作品もあります。
よければ併せてお読み下さい。