FIFA(国際サッカー連盟)は、現在開催中の「FIFAワールドカップ2018ロシア大会」で誤審を減らし、公平な試合を実現させるため、試合中に録画映像でプレー内容の確認が可能なビデオ副審(Video Assistant Referees:VAR)システムを導入した。12会場で開催される全64試合において、VARを利用する。
VARは、試合中のようすを多数のカメラで撮影し、必要に応じて映像を確認することでより正確な判断を下すためのシステム。ゴールの成否、反則行為の確認、関連する選手の特定が主な目的。主審がVARチームに確認を指示するだけでなく、VARチームから主審に確認を提案することもある。ただし、最終的に必ず主審が判断する。
VARチームは、1名のVARと、3名の副VARで構成。さらに、適切な映像を選ぶなどするオペレータ4名が、VARおよび副VARを補佐する。
VARチームの活動場所は、試合会場でなく、モスクワの国際放送センター(IBC)内に設けられたビデオ操作室(VOR)。試合映像は各スタジアムから光ファイバ回線でVORに送られてくる。会場にいる主審などとのやり取りも、光ファイバ回線と無線通信を組み合わせたルートで進める。
VARチームがアクセス可能な映像は、放送用として各会場に33台設置されるカメラで録画したものすべて。そのうち8台は「スーパースローモーション」対応、4台は「ウルトラスローモーション」対応のカメラだそうだ。反則の1つであるオフサイドを監視するためのカメラも2台あり、確認用の映像には、画像解析で生成したオフサイドラインを重ねて表示できる。
VARの紹介ビデオ(出典:FIFA/YouTube)
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