そのうちラップトップの標準に?
Windowsマシンは、IntelやAMDのプロセッサーを搭載するのが常識でした。しかし2017年末、新たな潮流として、スマートフォンにも使われているQualcomm(クアルコム)製の「Snapdragon」プロセッサーを採用したマシンが登場。
スマホに合わせて作られたチップだからこそ消費電力とマザーボードが小さく、そのぶん格段にバッテリー寿命が延び、常時オンの4G LTEモデムでいつでもササッと起動してネットにつながることが最大の魅力です。
とはいえ、こうしたメリットとは裏腹に、やっぱりスマートフォンではパワフルでも、さすがに同じCPUでパソコンを動かすとなると、遅くて力不足で、あまり使いものにはならないだなんて辛口な評価を受けていたのも事実。でも、そんなことはQualcommだって百も承知でして、これまでWindowsマシン向けに提供されていた「Snapdragon 835」の次には、現行の「Snapdragon 845」をラップトップ向けに改良した「Snapdragon 850」が、年内にも登場する予定とされてきました。
しかし! このほどArs Technicaは、さらにその先のビジョンとして、すでに「Snapdragon 1000」なる新プロセッサーの開発が進んでいることを明らかにしていますよ。Snapdragon 1000は、7nmプロセスで製造され(850は10nmプロセス)、ARMのCortex-A76アーキテクチャを採用。わずか12Wの消費電力にて、なんとIntel Core iプロセッサーの15WのUシリーズに匹敵するパフォーマンスを叩き出せるとされています。これでもうモバイル向けプロセッサーではWindows 10をまともに動かせない、なんて批判とはオサラバできそうです。ちなみにSnapdragon 835搭載のPCでは、Intel Atomよりちょっと速いくらいと言われていました。
省電力かつパワフル性能を誇るSnapdragon 1000ですが、スマートフォン向けとは大きく異なる仕様として、パッケージの大型化が噂されています。デスクトップCPUのようなソケットベースとなるらしく、20×15mmサイズに仕上がるとされています(850は12×12mm)。とはいえ、IntelのCore iシリーズのプロセッサーは、パッケージサイズが45×24mmとなっていることから、依然として、ラップトップ向けとしては十分に小さいことに変わりありません。そのぶん空きスペースにバッテリーが詰めるので、十分な駆動時間を発揮できるでしょう。
ラップトップなのに、バッテリー駆動時間は最大で連続25時間のモデルも誕生することが期待されている、Windows 10に向けたSnapdragon。今後いよいよ魅力的な製品のリリースラッシュが、各メーカーから続いていく展開を楽しみにしたいところです。
Image: Qualcomm
Source: Ars Technica
(湯木進悟)