西野JAPAN「キャプテン翼」再現 世界が称賛「史上最高のオフサイドトラップ」
◆W杯ロシア大会▽1次リーグH組 日本2―2セネガル(24日、エカテリンブルク)
セネガル戦で日本代表が見せたオフサイドトラップは瞬間最高視聴率をマークしたが、世界中からも「漫画『キャプテン翼』の世界が現実になったようだ」などと絶賛の声が上がっている。セネガルがFKを蹴る瞬間、日本守備陣はディフェンスラインを上げて見事にセネガルをトラップにはめた。
失点のリスクも伴う戦術だが、米紙ニューヨーク・タイムズは「日本はセネガル攻撃陣5人を残して美しいオフサイドトラップを決めた」(実際は6人)、英メディア「Dream Team」は「W杯で見た最も楽しいことの一つ」、同「Joe」は「史上最高のオフサイドトラップ」と絶賛した。
またツイッターでは「オフサイドトラップ」が急上昇ワードに浮上。該当シーンの映像は海外でも「美しすぎる」「絵に描いたようだ」などのコメントを添えて数万回リツイートされた。中でも多いのは、欧州や南米などでアニメが放送され、約20か国で単行本が出版されている『キャプテン翼』を引き合いに出す書き込みだ。
作中には、フィールドの貴公子の異名を持つ、武蔵FCの三杉淳が、主人公の大空翼擁する南葛SCと対戦した時に、オフサイドトラップを成功させるシーンが登場する。
実戦の中でオフサイドトラップを最初に用いたのはイングランド代表とされているが、作者の高橋陽一さん(57)には、これまで日本の読者から「漫画の中のこのシーンを見てオフサイドトラップが理解できました」という声が多数届けられている。これが海外のファンの間にも浸透し「オフサイドトラップ=日本サッカーの戦術」というイメージが世界的に定着しているようだ。
◆キャプテン翼 1981年から88年まで週刊少年ジャンプに連載された高橋陽一氏のサッカー漫画。「ボールは友達」が信条の主人公・大空翼の活躍と成長を描く。83年にアニメ化され、サッカー競技人口拡大に貢献したと言われる。93年のJリーグ発足に伴い、94年から連載再開。主要登場人物たちがスペイン、イタリア、ドイツ、日本などの各国リーグのプロとして活躍する姿が描かれている。2017年6月でシリーズ通算100巻を達成した。
■オフサイドとは オフサイドは敵陣でパスを出した時に、受けた選手と相手GKの間に相手の選手が1人以上いなければ反則となるルール。オフサイドトラップはこれを利用し、守備陣が連携して最終ラインを押し上げて、オフサイドポジションに攻撃側の選手が取り残される状況を意図的に作り出すこと。オフサイドかどうかはパスを出した時点のポジションで決まるが、オフサイドポジションにいても、ボールに触れないなど、積極的にプレーに関わっていない場合は、反則にならない。