【サッカーW杯】日本、セネガルに二度追いつき2-2のドロー

ニール・ジョンストン BBCスポーツ

Japan's players celebrate scoring against Senegal at the 2018 World Cup Image copyright Getty Images

サッカー日本代表は24日夜(日本時間25日未明)、ロシアのエカテリンブルクでセネガル代表とサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会グループHの第2戦を戦い、2-2で引き分けた。この引き分けで日本とセネガルは共に、決勝トーナメント進出に有利な位置を維持した。決勝トーナメントに進出した場合、ベスト16では既にグループG突破を決めているイングランドかベルギーと戦うことになる。

セネガルは前半11分、サディオ・マネが日本GK川島永嗣の大きなミスでこぼれたボールを押し込んで先制。川島は飛んできたボールをパンチングで跳ね返そうとしたが、ボールは英プレミアリーグ・リバプールで活躍するマネの足元に渡ってしまった。

日本はハーフタイム前に同点とすることに成功。乾貴士が前半34分、カーブのかかった技ありのシュートをゴール右隅に突き刺した。

セネガルは後半26分、日本ゴール前での巧みなボール回しから、最後は走りこんで来た19歳のディフェンダー、ムサ・ワゲが素晴らしいシュートを叩き込み再び勝ち越し。セネガルに2戦連続の勝利を呼び込むかと思われた。しかし日本は交代出場の本田圭佑が後半33分、乾の折り返しを冷静に左足で沈め、日本を勝ち点0の危機から救い出した。

日本とセネガルは2試合終了時点で共に勝ち点4。グループHの残り2チーム、ポーランドとコロンビアが今大会初の勝ち点獲得を争う、カザンでの試合結果を待つこととなった(編注:ポーランド対コロンビアは0-3でコロンビアが勝利。コロンビアは今大会初の勝ち点3を得た。第3戦で日本と戦うポーランドは予選敗退が決まった)。

Senegal fans during their teams World Cup match with Japan Image copyright AFP

セネガル、試合後半の同点弾に失望

勝ち点1は確保したものの、セネガルは先週のポーランド戦での2-1での勝利に続く2連勝はならず。2006年ドイツ大会でガーナが達成して以来の、最初の2試合で決勝トーナメント進出を決めたアフリカ勢という記録は築けなかった。

しかし、16年前の2002年日韓共催大会で初出場を果たして以来のW杯となるテランガ・ライオンズ(サッカーセネガル代表の愛称)は、ロシアでも新たなファンを増やし続けている。

アフリカ勢としてはエジプト、モロッコ、チュニジアが2試合で勝ち点を1つも獲得できず、予選敗退が決まっている。セネガルはアフリカ勢として少なくとも1チーム、ベスト16への可能性を残した(アフリカからは他にナイジェリアも決勝トーナメント進出の可能性を残している)。

しかしアリュー・シセ監督は、川島のひどいミスから生まれたマネの先制弾を守りきれなかった選手たちに失望しているだろう。

セネガルは試合をうまく支配したが、乾の洗練されたシュートにより、試合序盤の優勢を保つことに失敗した。長友佑都が作り出したチャンスを受けた、この試合で日本が初めてゴールの枠を捉えた乾のシュートで、1-1の同点となり試合は振り出しに戻った。

ワゲの圧倒的なシュートにより、セネガルは再びリードを得たものの、そのまま試合を終了させることはできなかった。ゴールキーパー、ハディム・エンディアイエがクリアし切れなかったボールは、本田圭佑の同点弾を呼んだ。

セネガル代表は2002年、ブルーノ・メツ監督の下、アンリ・カマラやエル・ハッジ・ディウフといった選手らの活躍で、準々決勝まで進出した。2018年のセネガル代表も同じことを達成したいと望むのであれば、ミスをなくなさなければならない。

Group H Image copyright BBC Sport
Image caption 第2戦終了時点でのグループHの順位表。日本とセネガルが勝ち点4で並び、コロンビアが勝ち点3で追いかける

勤勉な日本、勝ち点1を獲得

日本は世界でも早い段階でロシアW杯本大会出場を決めたチームの一つだ。同国代表は昨年8月、W杯予選通過を決めた。

勝ち点1に留まり予選敗退した4年前のブラジルW杯を経て、今大会の日本は既に勝ち点4を得ており、決勝トーナメント進出を決めてロシア滞在を延ばす可能性もある。

日本はのろのろと試合に入り、川島の大失態は高い代償を払うところだった。

しかし、日本はハーフタイム前には落ち着きを取り戻し、試合を支配するようになる。前半終了前に同点とし、1-1で迎えた後半5分には大迫がセネガルゴール前に迫るも、この試合初となるリードを奪うことはできなかった。

再びリードされた日本はその後、セネガルのキーパーのミスもあり、2-2の同点として試合を終えた。本田圭佑はこのゴールで、アジア選手としてW杯史上最多得点者(9試合で4ゴール)となった。

同点だったものの、日本代表はその勤勉さに値する幸運な結果を手にした。

マン・オブ・ザ・マッチ――サディオ・マネ(セネガル)

サディオ・マネのゴールは運もあったが、セネガルにとって決定的な瞬間を防いだいくつかの場面にもマネは絡んでいた Image copyright Getty Images
Image caption サディオ・マネのゴールは運もあったが、セネガルにとって決定的な瞬間を防いだいくつかの場面にもマネは絡んでいた

「率直に言って、我々はとても良くはなかった」――試合後の監督コメント

セネガル代表 アリュー・シセ監督:「もちろん残念だ。今日のセネガルのパフォーマンスは、ポーランド戦と比べて素晴らしくはなかったと認めなければならない」

「率直に言って、我々はとても良くはなかった。日本の方がいいチームだったと認めなければならない。ただ、その事実と異なり、我々は2度リードした。悩まされたのは我々が許した2つの得点だ」

「日本は予想通りのプレイだった。日本代表は非常に技術的なチームで、その点ではとてもよい質を見せた。試合序盤には我々はいい圧力をかけたので、日本はいくつかのミスを犯し、我々はそれを利用した」

「しかし、我々が日本にスペースを与えるとすぐに、我々にとって難しい状況になった。これでコロンビアとの対戦では、最高の結果を望まなくてはならなくなった」

日本代表 西野朗監督:「セネガルが簡単に勝てるチームでないのはわかっていたが、得点を許してからも日本代表は落ち着いていた。2度同点に追いつけたのは前向きなことだ」

「いい攻撃を組み立てられたし、自分たちのリズムでプレイできた。控え選手も良く働いてくれたし、選手交代のタイミングもとても良かったと思う」

「選手たちは非常に自身に満ちていた、前向きだった。私自身、勝てると考えていた」

「しかしセネガルは非常に強いチームだった。次の試合でのより良い成功に繋がる結果だと思いたい」

本田がW杯を愛する理由――統計から

  • 本田圭佑は日本代表として3つのW杯(2010年、2014年、2018年)で得点した選手となった。日本人選手としては初
  • 本田のゴールは日本代表で37得点目だった。日本代表選手としては、原博実氏に並ぶ歴代4位の得点数となった
  • セネガルはサディオ・マネが得点した国際試合で15試合負けなしを維持した(9勝6分0敗)
  • セネガルの19歳、ムサ・ワゲは、フランスのキリアン・エムバペに続いて2018年ロシアW杯で得点した2番目の10代選手となった

次の試合は?

両国は共に日本時間28日23時から、グループHの最終戦を戦う。日本代表はボルゴグラードでポーランド代表と、セネガル代表はサマラでコロンビア代表と対戦する。

(英語記事 World Cup 2018: Japan come back twice against Senegal to draw 2-2

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