旬のピーマン、全部食べ。
6月ごろから、ピーマンの旬がはじまります。ピーマンを食べるときは種やヘタをとって料理することが多いと思いますが、旬のはじめの頃のピーマンはやわらかいため、種までおいしく食べられます。今日は、ピーマンを余さず使って簡単にできるスープを作りましょう。
ピーマンは半割にして、少量の油を使い、フライパンで焼き目をつけてから、水を加えてふっくら煮上げます。だしと味つけを兼ねて入れるのは、乾燥タイプの塩昆布。佃煮タイプの昆布から醤油の色が移って色もつき、よいだしも出てくれます。
プチプチした種まで甘く、しっとりやわらかいピーマンは、いくつでも食べられそうな新鮮な味わい。きれいなピーマンが手に入ったら、たっぷり作ってくださいね。
半割ピーマンのスープ
材料(2人分) 所要時間約10分
ピーマン 2~4個(約100g)
塩昆布 5g(約大さじ1)
塩 小さじ1/2
サラダオイル 小さじ1/2~1
水 約500mL
作り方
1.ピーマンを切る
ピーマンは縦半分に切る。種やヘタはとりのぞかない。★1
2.ピーマンを焼く
深めのフライパンに少量の油を敷き、ピーマンを皮を下にして入れる。3~4分ほど、鍋肌にヘラでしっかり押しつけ、焦げ目をつけながら両面焼く。★2
3.昆布を入れて煮る
塩昆布と水400mLを加えて約4~5分煮る。味をみながら塩小さじ1/2ほどで味をととのえる。★3
レシピのポイント解説
・ピーマンの種について
・ピーマンの焼き方について
・塩昆布と味付けについて
★1.ピーマンの種について
年中出回っていますが、ピーマンの旬は夏。とくに6月のピーマンは、生食や、まるごと焼いて食べるのにも向いています。きれいなグリーンの、ツヤツヤしたものを選びましょう。
大きさに差があります。小さなものなら3個か4個、大きなものなら2個。だいたい100g前後です。
ピーマンは半分に切って使います。種やヘタはそのままでかまいません。
「え?ピーマンの種って食べられるの?」という声が聞こえてきそうですが、大丈夫です。ピーマンの種は食べられるばかりか、栄養もあるんです。走り(旬の最初の頃)はやわらかく、だんだん季節が進むにつれて固くなっていくので、今のうちが食べごろです。
ちなみに、ピーマンが少し赤っぽくなっていることがありますが、古いわけではなく、熟しているのです。甘いので、ぜひ食べてくださいね。
種もヘタもすべて食べられる
★2.ピーマンの焼き方
深めのフライパンを中火で熱し、ピーマンを皮のほうから焼いていきます。テフロンのフライパンだったら油はほんのわずか、鉄製の場合でも小さじ1ぐらいで大丈夫です。へらなどで鍋肌にギュッと押し付け、焦げ目をつけましょう。
へらや菜箸でしっかりと押し付けて、焦げ目をつける。油がはねるようなら火を弱めて
3~4分、しっかり焦げ目がついたら焼きはOK
★3.塩昆布と味付け
味つけとだしを兼ねて、塩昆布を使います。
今回使ったのは、スーパーでよく見かけるこちら。塩昆布といっても醤油で味がついている佃煮タイプなので、スープに醤油の味が移ります。
おなじみのふじっ子塩昆布。使う量は大さじ1杯ほど
ピーマンを焼いたフライパンに、塩昆布と水400mLを加え、中火で煮ていきます。
約4~5分、ピーマンがやわらかくなったら出来上がり
この段階で味を見てみると、塩昆布のうま味と塩味が結構ついています。小さじ1/2と表記していますが、味を見ながら少し控えめに塩を入れてみてください。
もちろん佃煮タイプではないふつうの塩昆布でも作れます。このときは、醤油の味はつきませんので、塩の量をひかえて、仕上げに少し醤油を使うといいでしょう。塩味のままでもすっきりおいしいと思います。
ピーマンを食べるスープ
旬のピーマンは鮮烈な香りと味わいがあって、こういうシンプルな料理にすると、あらためてそのおいしさを感じます。夏は値段も下がり、たくさん袋に詰めて売られていることも多いですね。そんなときにたっぷり食べるのにいいスープです。
仕上げに粗びきの黒胡椒を振ると、ぐっと締まります。ぜひ使ってみてください!
【アレンジ】ピーマンと相性のよい食材を合わせて
シンプルなスープだけに、いろいろ入れたくなりますが、ピーマンを主役に引き立ててくれるような食材を選ぶといいと思います。豚肉、海老、ちりめんじゃこなどがいいですね。
半割ピーマンと豚肉のスープ
ピーマンを焼きつけてから、昆布と一緒に豚バラ肉の細切りを加えます。昆布と豚肉のうま味、豚の脂のコクが加わって、しっかりメインディッシュにもなりそうな一皿になります。
半割ピーマンとみょうがのスープ
ピーマンと他の野菜を合わせるのは、案外むずかしいものです。ピーマンの個性を消さずに、さらに引き立て合うのが、やはりこの時季が旬の、みょうがです。薄切りにして、仕上がってから上にのせてみてください。