上場に向かない日本の銘柄特定、リターン188%-オスロのファンド
Jonas Cho Walsgard-
「セクターZen」、この12年間でS&P500種など上回るリターン
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他社の傘下に入ったパナホームや日立工機などへの投資実る
日本の敬遠されている株式を選好するオスロのヘッジファンドが過去10年余り、好成績を挙げている。
ファンド「セクターZen」を運用するトロン・ヘルマンセン氏はインタビューで、「われわれのモデルは上場しているべきではない企業を特定するのに優れている」と発言。「現時点で高いリターンを出していなくても潤沢な手持ち資金があり、将来的に高いリターンを容易にもたらす可能性のある企業に投資したい」と話した。
TOPIXのトータル・リターン指数は2006年4月から今年5月末までにわずか29%のプラス。S&P500種株価指数のリターンは同167%、FTSE100指数は同101%。これに対して株式のロングとショートを共に手掛けるセクターZenのリターンはプラス188%を記録した。
好成績の理由の一つは、同ファンドが保有したパナホームと日立工機の株式。パナホームはパナソニックの完全子会社となり、日立工機は米投資会社KKRの傘下に入った。日産自動車が43%を保有する日産車体にも投資しており、ヘルマンセン氏は「日産自動車が100%買い取るか、もしくは売却すると考えている」と話す。日産車体は現金保有が多く、株価が年初来13%下落している。
1995年から日本株に投資しているヘルマンセン氏は「ノルウェーにいることが強み」と話す。「ライブの市場では雑音も多い」、「より長期的なファンドを運用するなら、現地の市場にいては勝てない」と指摘した。
原題:Hedge Fund Bets on Japanese Stocks That Shouldn’t Be Listed(抜粋)
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