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小学校3年生の算数テストを公開したツイートが話題に。この減点、どういうこと?

姪っ子のテストで謎の減点「9」は正しくて「9.0」は誤り?

11月22日(火)投稿者の kennel(@kennel_org)さんが、Twitter上に小学校3年生の姪っ子さんのテストの答案用紙を公開。その減点箇所について、ネット上では大きな注目を集めました。

この減点にTwitter上では多くの人が関心を寄せる

投稿者のkennelさんが投稿したツイートには、答案用紙を写した写真が掲載されており「3.9+5.1=9.0」という回答に対して先生により赤ペンで「3.9+5.1=9.」と修正されています。

修正内容を見ると「9.0」の「0」に斜線が引かれ減点1点に。

あれ、「9.0」はダメなの?

これに対して、投稿者のkennelさんは「.0の有効数字に意味があるというのに全く訳がわからない」とコメントを寄せていました。すると、このツイートには高い関心が寄せられ「なぜ減点なんだ?」「減点するのはおかしい」などといった疑問の声が多く上がりました。

その他、算数嫌いになってしまわないかといった心配の声、有効数字を考えた場合の意見、先生が設けたルールだったのでは、などさまざまな議論が勃発。

また脳科学者の茂木健一郎(もぎけんいちろう)さんも、この話題に注目し、自身のブログで小学校の算数について「謎の奇習」「はっきり言って一種の虐待」と苦言を呈しました。

昨日、小学校の算数のテストで、「3.9+5.1=9.0」と書いたら、減点されたというツイートが流れてきて、とてもびっくりした。これははっきり言って一種の子どもに対する「虐待」である。

茂木健一郎 - 小学校の算数にまかり通っている「奇習」は、子どもたちに対する「虐待」である - Powered by LINE

どっちが正しい?教科書の出版社「東京書籍」の見解は「9.0と9は同義」!

姪っ子さんが使用している教科書は、出版社「東京書籍」のもの。

東京書籍の公式サイト「よくある質問Q&A」によると下記のような見解が記されています。

Q.(中略)「1.2+2.8」の筆算において,答え4.0の「0」のみを斜線で消し,小数点は残したままにしている理由を教えてください。

筆算について,正式な基準や方法が定められているわけではなく,児童の実態などに応じて柔軟にご対応いただいて差し支えないと考えています。要は,「答えは4である」ととらえることができればよいのであって,例えば,「斜線を用いて0を消去していないから誤りである」とか,「小数点を斜線で消去したから誤りである」などといったことは全く意図していません。

(中略)

まず,末位の「0」について斜線で消去していることについて述べます。

筆算の手続きに従って計算すると,結果は4.0となります。ここでは,有効数字については考えませんので,4.0と4は同義であり,児童にとっても,筆算から得られた「4.0」から,「答えは4」とするのが自然です。

【東京書籍】小学校(平成27年度~) 算数 よくある質問Q&A

公式によると「『答えは4である』ととらえることができればいよい」とされており、小数点以下の表記については「有効数字については考えませんので、4.0と4は同義」との表記が!

このことから、本件においては「9」であっても「9.0」であっても正解であった、ということになります。ということは、姪っ子さん間違ってないじゃないか。

ただし、この見解は東京書籍によるもので、出版社によっては正解の定義が違っていることもあるようです。

出版社によって違う?実はルールが統一ではないものも

様々な議論を巻き起こした”算数問題”ですが、出版社によって定義や見解が違うという事例も。本件でも関連している”小数点”についても少し違っているようです。

出版社「啓林館」では、筆算での例外に触れたうえで「1」という表記が”自然”であることについて、詳しく説明しています。

「算数が嫌になってしまうのでは」との心配の声も上がりましたが、姪っ子さんは大丈夫のもよう。 一枚の算数の答案用紙を巡って起こった、大人の大論争でした。