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 中国Huawei Technologies(ファーウェイ)は2018年6月16日、中国政府が主導する国家プロジェクト「China's 5G test」の第3段階として、3GPPリリース16仕様の検証を進めていると発表した(ニュースリリース)。2018年2月に中国IMT-2020 5G Promotion Groupが公開したリリース16向け機能を検証する。

出所:Huawei
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 URLLC(Ultra-Reliable and Low-Latency Communications、超高信頼性低遅延通信)を確認するために、V2X関連アプリケーションを使った実験を行う。C-V2X(Cellular Vehicle-to-Everything)、RSU(Roadside Unit、道路に設置して車両などと直接通信を行う無線装置、路側機)、MEC(Mobile Edge Computing)を含む同社製ソリューションを使用。そのシナリオは、先頭車両の緊急車線変更をRSUのカメラが捉えてMECでリアルタイムにV2X管理センターに送信。センターは、その車両後方の自動運転車に、車線変更や一時停止などのコマンドを送信。同時に、その自動運転車と後方の車両とが直接通信で情報交換することで車列を維持する。このほかmMTC(Massive Machine Type Communication、大量接続)についても、動画データの上り方向送信時の安全性に着目しながら、5G対応AIを使ったデモの形で確認する。

 また同社は2018年6月20日、同じくChina's 5G testの第3段階として、NSA 5G NR関連試験を完了したことも発表(ニュースリリース)。基地局、端末、コアネットワークなどを含む同社製5G商用システムを使用し、Cバンドで10Gビット/秒を超えるスループットを確認したという。同社はこの結果をうけて、2018年内にもこれら製品を商用開始するとしている。

 3GPPは2018年6月にリリース15の標準化を完了(関連記事)。次の段階として、2019年12月に向け、リリース16のSI(Study Items)、 WI(Work Items)を進めている。Huaweiもこれに合わせて、今後もChina's 5G test第3段階の一環として、2018年末までの予定でSA 5G NRの検証を進めるとしている。