ドラえもんの話を書くつもりでいた。大体書くことは決めていて、あとはいつも通り適当にテキストを起こすだけだった。
その時、はてブに並ぶ記事を確認して茫然とした。
状況を考えると、刺殺された方がHagexさんであることは、残念極まることだが、どうも間違いなさそうだ。正直なところネタであって欲しかったし、今からでも「ネタでしたーー」ということになったらどんなに良いだろうかとも思う。
私自身は、Hagexさんと絡んだことはそれ程ない。Hagex-day.infoはちょくちょく見ていたので、一方的に存じ上げてはいた。時折言及したりブクマしていただけることもあったので、まあ不倒城自体は認知していただいていたのかもしれない。最近だとこの記事で言及頂いていた。
私は、Hagexさんの2ちゃん・5ちゃんまとめよりは、Hagexさんが自分の言葉で書くエントリーの方がどちらかというと好きだった。Hagexさんは、この人の言葉をもっと読みたい、と思わせてくれるブロガーの一人だった。それがどうやら失われてしまったことが、ただ単純に悲しい。
殺されるに足る理由をもった人はいない。だから、この先刺した人の動機がどう語られても、Hagexさんが不当に刺殺されたことに変わりはない。そういう意味で、私は動機にはそれ程興味をもっていない。理由がなんであれ、犯人はひとかけらの正当性もないことをした。それだけだ。
ただ、ブロガーが、ブロガーとしての活動をしている時に刺された、というのは端的に言って衝撃だ。日本ではほぼ初めてに近い事態なのではないだろうか。はてなでは間違いなく前例がない事態である筈だ。こんな「前例」が出来てしまったことを、ただひたすら残念に思う。
実名であろうがなかろうが、webで、特定の名前をもって活動している以上、大なり小なりリスクは発生する。誰にどう読まれるか分からないのだから、どのリスクがどう炸裂するのか、というのは、正直なところコントロール不能の領域だ。
我々は、リスクの目盛りを上げ下げすることしか出来ない。
けれどそれは、「何も出来ない」ということとイコールではない。
テロに対してあるべき態度は、ただただ毅然としていることだ。いつだってそうだ。
だから私は、この言論テロとでもいうべき事態に際しても、ただ毅然としていたいと思う。
Hagexさんの安らかな眠りを祈りつつ、今後もリスクの目盛りをいじり続けよう。そんな風に思う。