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赤色立体地図って何?
簡単に言うと、地形の陰影が分かる地図です。
これは鹿児島県の桜島の地図です。
パッと見た感じだとなんとなく赤くて気持ち悪いかもしれません。
ですがこれが画期的な地形描画方法なのです!
NHKの番組「ブラタモリ」でも紹介されていて、赤色の陰影で地形を立体的に表現することで、従来の地図より地形の高度差がより分かりやすくなっています。
この地図はアジア航測株式会社という会社が作成しているようです。
線も記号も光影も使わず、実際にそこにある地形を、1枚の地図で立体的に見える表現技法です。回転しても、拡大・縮小しても立体感は失われず、等高線や衛星写真などとの重ね合わせも得意。驚くほどに地形がわかる21世紀のマップスタンダードです。
現在、国土地理院のサイトで公開されているので、無料で使うことができます。ありがたい!
スマホであればジオグラフィカが対応しており、Android、iPhone両方使えます。(iPadは未対応)
機能制限解除は有料ですが、赤色地図のオーバーレイは無料でもできます。
スーパー地形も赤色立体地図に対応していました。(iPadもOK)
実際にWebブラウザで表示してみよう
特にアプリは不要です。PCでもスマホでもWebブラウザから以下のリンクを開きましょう。
Google Mapのように移動、ズームしながら目的のエリアを探します。
それか、上の検索欄で目的の地域の名称を入力して検索します。
長野県の八ヶ岳周辺を開いてみました。
従来の等高線が描かれた地形図が表示されていると思います。
ここで赤色立体図をオーバーレイ(透かし)描写してみましょう。
左上の「情報」ボタンを押します。
「情報リスト」が表示されるので「起伏を示した地図」を選択。
一番下の「赤色立体地図」を選択。
真っ赤な画像になるのを確認します。
赤色地図が表示されたら、「情報リスト」は☓ボタンで閉じてOKです。
このままだと、従来の地形図の上に、赤色地図がそのまま乗っているだけなので赤色地図しか見えません。
登山地図も見えるように2つの地図を合成する必要があります。
左下の「選択中の情報」の「赤色立体地図」の 合成、透過率と書いてあるボタンのうち、「合成」を選択。
真っ赤な画像の上に地形図が表示されました。
これだと赤が強すぎて見にくいので、「透過率」を設定して赤の表示を薄く設定しましょう。
左下の「赤色立体地図」の「透過率」を選択。 スライダーを動かして50%にしてみます。
すっきりして見やすくなりました。
その他起伏図との比較
比較のため色別標高図と陰影起伏図、傾斜量図をオーバーレイしていました。
色別標高図
標高別の色表示ができますが、標高の高い山合いはオレンジがかって表示されます。
次の陰影起伏図のほうがスッキリして見やすいかもしれません。
陰影起伏図とは
北西の方向から地表面に向かって光を当て、凹凸のある地表面の北西側が白く、南東側が黒くなるよう作成した図です。尾根線、谷線の判別や断層の判読などにご活用いただけます。
陰影起伏図 透過率50%
起伏が立体的に見えますが、影になる南東方面が暗く表現されます。
谷間になるところが分かりやすいです。
傾斜量図とは
地表面の傾きの量を算出し、その大きさを白黒の濃淡で表現したものです。白いほど傾斜が緩やか、黒いほど急峻であることを意味します。台地、段丘、山地、火山地形、地すべり、断層などの地形判読などにご活用いただけます。
傾斜量図 透過率20%
傾斜が白黒の濃淡で表現されていますが、やや見にくいです。
印刷するなら透過率30%以上がオススメ
Webブラウザなど画面上で見るときは、拡大などもできるので 透過率が0%でも問題ないのですが、紙に印刷するとルートや文字などが かなり見にくくなります。
プリンタの機種にもよりますが、透過率は30%〜50%くらいで調整すると 紙上でもバランスよく表示できると思います。(私は50%にしています。)
好みや用途によって変えるのがベストです。
赤色立体図の設定をしたらそのURLをそのままブラウザでブックマークしておくと、地図を開くたびに赤色立体図の設定をしなくても済みます。 例えば、富士山の赤色立体図(30%表示)の場合はこんな感じでURLが作成されます。
その他の情報を表示しよう。
磁北線
右上の「機能」、「設定」 「磁北線」をONにする
ズーム11以上で、赤い磁北線が表示されます。
赤色地図の赤色とかぶって見にくいので黒表示もできるといいですね。
実際に印刷してみる
右上の「機能」- 「ツール」- 「印刷」から印刷できます。
紙のサイズ(A4、A3)、画質、縦横の変更が可能です。
「印刷」からプリンタに出力すると、登山地図自体が小さく印刷されてしまうので、
「画像として保存」- 「表示されている範囲全体」
にしてから画像(JPG)を保存。
改めて画像を開いて、プリンタの設定で画面一杯に印刷するのがおすすめです。
Macであれば印刷時の設定で「画面全体を埋める」を選択すればOK
透過率後の比較
透過率ごとにレーザープリンタで印刷してみました。
いかがでしょうか?印刷したものを更にカメラで撮影したものなので、色合いが変わっているかもしれません。
左上は国土地理院の地形図そのままです。
実際に登山に使うのであれば、前述のように透過率30〜50%くらいが使いやすいと思います。
3D描写もできる!
地形図を立体的にプレビューできます。
右側の「機能」ボタンから「3D」をクリック。
「大」か「小」をお好みで選択。
マウスでぐるぐる回して拡大もできます。
目的の角度への調整がやや難しいです。
3Dプリンタのためのデータ出力もできます。
その他、作図したり、計測できたり機能が盛りだくさんで無料とは思えないサービスです。
登山に地図は必要不可欠
いままで、赤色立体地図は、販売している地図を買うしかなかったため待ちわびていたサービスです。
従来の地図と比べて起伏が目に見えるように分かります。
登山にスマホをもって行かれる方も多いと思いますが、ナビ代わりに地図を表示しているとあっという間にバッテリーがなくなりますよね。
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