chocoxinaのover140

良く言えばコラム

拗らせたボードゲーマーのためのオセロ初等戦術

ボードゲームを趣味にしていて、そのことが職場などで知られてしまうと
ボードゲームって、オセロみたいなやつ?」
などと言われることがあるだろう。

その相手をボードゲーム趣味に引き込みたい場合はともかく、そうでない場合、chocoxinaは説明をめんどくさがって
「だいたいそんな感じです」
で済ませてしまう。

そうすると大体話は流れてくれるのだが、この前職場の厄介な女性に
「えー私オセロ得意なんですよー」
と食いつかれてしまい、結局その人とオセロをすることになった。

chocoxinaはたまたまオセロの心得があったのでさっくり勝ってその場は終わったのだが…。
仮にこのケースのchocoxinaのような目に遭ったボードゲーマーが、人並みのオセロ経験しか持ち合わせていなかった場合、
「オセロが趣味だって言った(言ってない)のに全然弱いじゃないですか~」
みたいなめんどくせえ流れにならないとも限らない。

そこでchocoxinaは、日本中のボードゲーマー仲間のために「小学生のとき、クラスでオセロ最強でした」くらいの奴をさっくり負かすのに最低限必要なオセロ戦術をここに共有することとしたのだ。

序章:確定石という考え方

オセロにおいて、角に置いた石は裏返されない、というのはご存知の通りだが、角以外にも、何らかの理由で裏返されないことが確定した石を「確定石」と呼ぶ。

例えば、黒が

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このように4つの角を取っているとき、

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このように配置された白の石はすべて確定石である。

上の図では、取ると有利とされている角をすべて黒がとっているが、実際に有利なのはどちらか、説明するまでもないだろう。

この「確定石」という考え方を導入すると、以下のことが理解できる。

・石の数が拮抗した最終盤を除けば、オセロというのは基本的に確定石の取り合いである
・序盤にたくさん石を取ることは、まったく意味がない(確定石ではないため)
・角を取ることは確定石を増やすために有利だが、取れば直ちに勝てるというわけではない
以降、この考え方をベースに進めていく。

ゲーム開始時:後手を取ろう

オセロにおいて、確定石でない自分の石はほぼ常に裏返されるリスクがあるのだが、最後に置いた石だけはその心配がない。
ゆえに、オセロは最後の石が置ける後手が有利である。

あなたが相手と白熱した勝負をしたいのであれば、当然有利な後手を相手に譲るべきだが、この記事は「めんどくせえオセロ勝負を手っ取り早く勝って終わらせる」ことを目的としている。
「先手どうぞ」と言って、相手にさも有利な手番を譲ったかのような顔をしながら、ありがたく後手をいただこう。

序盤:相手の石に囲まれよう

オセロにおいて、序盤に取った石などどうせ裏返される。
よって序盤は、多くの石をとることではなく「自分が打てる手の選択肢を広げる」ことを重視して動くべきである。
(これは序盤に限らずオセロ全体に通底する考え方である。中盤以降、自分の着手に選択肢が少なく「置きたくない場所に置かされる」ということがあれば、一気に敗北に近づくことになる)

相手の石が外側、自分の石が内側になるように動くことによって、相手の選択肢はより少なく、自分の選択肢はより多くなるだろう。

具体的に手筋の例を挙げると、石の集まりの外側に一直線に自分の石を並べて「壁」を作ることは悪手、逆に相手が作った壁の真ん中を取る「中割り」は好手となる。

中盤:辺の形を気にしよう

オセロ盤の外周を「辺」、その1マス内側を「中辺」というのだが、この辺と中辺の形には明確な有利不利がある。

ここで、最速で素人を負かすために最も覚えるべき手筋は、相手に「ウイング」と呼ばれる不利な形を作らせることだ。

f:id:chocoxina:20180623213612p:plain この画像のような形を「ウイング」と呼ぶのだが、

f:id:chocoxina:20180623213628p:plain 相手にこの角を取らせた後、

f:id:chocoxina:20180623213647p:plain 自分がここに打ち込むことによって

f:id:chocoxina:20180623213701p:plain 下辺を一気に自分の確定石にすることができる。

ただしこの時、相手が右辺に「山」と呼ばれる好形を作っていると、相手の確定石が増えてしまうため注意。

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逆にこの「山」を自分が左辺に作っていれば、自分の確定石が大きく増えることは言うまでもないだろう。

終盤:奇数空きに打ち込もう

オセロでは、最後の石を打つことができる後手が有利だ、ということはすでに話した通りだが、この考え方はゲーム中にも適用できる。

ゲーム終盤、ほとんど埋まりきったオセロ盤に、空きマスのかたまりが数か所残っている、という場面がある。

このとき、奇数個空いているマスに自分から打ち込むことによって「そのエリアの最後の石」を自分が打ち込める可能性が高まるのだ。

確定していない石は常に裏返されるリスクがあるのがオセロというゲームだが、ゲーム終盤に、周りに空きがない石はかなり裏返されにくい、というのは直感的に理解できるだろう。
奇数個の空きには自分から打ち込み、また偶数個の空きには相手が打ち込むのを待つ、という点を踏まえることによって、僅差の争いを制することができる。

とはいえ、ここまでに紹介した中盤までの戦略を踏まえながら、今回想定しているような相手とオセロをしていれば「ここは奇数個空きだけど、確定石が明らかにたくさんつくれる」という場面もかなりあるだろう。
そのように明かな利益がある場合、この項目は無視してよい。

最後に

そもそも、こんな記事に頼ることがないよう、ボードゲームに少しでも興味を持ったひとたちにはとっておきのゲームを紹介して仲間を増やす、というのが、ボードゲーマーのあるべき姿だと思います。