いきなりステーキ、「黒烏龍茶」大刷新のワケ
6月中旬にサントリー製品からPBに切り替え
オーダーカットや値頃な価格を武器に快進撃を続けてきた「いきなり!ステーキ」。そのいきなり!ステーキで、リピーター獲得に寄与してきたサントリー食品インターナショナルの黒烏龍茶が、いきなり!ステーキ監修のオリジナル品に変更となった。
3月初旬から首都圏を中心に30店舗で実験販売していたが、運営元のペッパーフードサービスによれば、6月15日までに関東の全店で、ほかの地域も6月20日にはオリジナル品への切り替えが完了したという。
従来提供されていたサントリーの黒烏龍茶は350ミリリットルだったが、オリジナルの黒烏龍茶は500ミリリットルへと増量。サントリーの黒烏龍茶は消費者庁の許可を受けた特定保健用食品(トクホ)で「脂肪の吸収を抑えて体に脂肪がつきにくい」とうたわれていたが、オリジナルの黒烏龍茶は国産茶葉使用というのみでトクホではない。
常連に人気だったサントリー黒烏龍茶
会社側は変更の理由について、「自社でよいものができたから採用した」と説明する。黒烏龍茶のほかにも、いきなり!バターソース、いきなり!ドレッシング、いきなり!ソースを販売しており、PB(プライベートブランド)強化の一環でもあるという。
いきなり!ステーキといえば、「肉マイレージ」と呼ばれる独自のポイントプログラムが多くの常連客を引き付けている。食べた肉の累計グラム数に応じて、肉マイレージと呼ばれるポイントが貯まっていく仕組みだ。
会員カードは、メンバーズカードに始まり、ゴールドカード、プラチナカード、ダイヤモンドカードと食べた量に応じてランクづけされる。上のランクに行けば行くほど、来店時に受けられる特典が手厚くなる。5月末時点で累計600万枚超のカードを発行し、カードの使用率は約54%で推移している。
会員向け特典で象徴的なのがゴールドカード以上(累計で3キログラム以上を食べた会員が対象)の提示で、来店ごとに通常300円(税抜き)で提供するソフトドリンク1杯が無料になるというものだ。中でも人気だったのがサントリーの黒烏龍茶(350ミリリットル)だ。同商品はメーカー希望小売価格も160円(税抜き)とほかのPETボトル飲料に比べてやや割高。その黒烏龍茶が無料で提供されるというお得感や、肉料理に合うというイメージもあり、会員から支持を集めてきた。