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疑似著作権

なでしこジャパンがワールドカップで世界一になりました。「オリンピック」「ワールドカップ」という言葉と「知的財産」について考えてみました。


骨董通り法律事務所 福井健策弁護士・ニューヨーク州弁護士によると、「つまり、理論的には著作権ではないのだけれど、社会では事実上、著作権に近いような扱いを受けている(受けかねない)ケースです。

・・・略・・・

むしろ、法的根拠はまったくないか、せいぜいが非常に怪しいもので、根拠がないにもかかわらずまるで法的権利があるように扱われているケースをいいます」。

「イベントやそれにまつわる権利を管理しているのは、オリンピックなら国なら国際オリンピック委員会(IOC)、ワールドカップなら国際サッカー連盟(FIFA)や、その関連団体です。」

オリンピックやワールドカップが近づくと、団体から通達が新聞社や出版社に来るという。要約すれば、「オリンピックやワールドカップという言葉は、IOCやFIFAの知的財産なので使い方に注意してください。」と書かれている。

「オリンピック」「ワールドカップ」という言葉は、各国で商標登録しており、商標として管理しています。ですから、例えば誰かがワールドカップ・グッズを勝手に作って売り出せば商標権侵害になるケースもあります。

通達には、記事の文中でワールドカップと書くときには必ず「FIFAワールドカップ」といった正式名称で書きなさい。さらにそこには小さく「TM」と書くようにあります。

この「TM」は広く「商標」(Trede Mark)を指し、商標登録の場合には「マルR」というマークも使うことなどです。

「結論からいえば、雑誌の記事中で言葉を使っても商標権もそのほかの権利もほとんど及びませんので、IOCやFIFAの通達の法的な根拠はかなり希薄です。

その意味では、いわば出版社への「依頼」「要請」ということができるでしょう。とはいえこの「要請」をまるきり無視する気にもなれないので、それなりに守っている。そんなところではないでしょうか。」

つまり、ここでも疑似著作権が生まれているということができます。私も「読売新聞」を見てみましたが[FIFAワールドカップ」とは記載されていませんでした。


福井健策「著作権の世紀・変わる『情報の独占制度』」集英社新書、194頁、206頁、2010年。

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