小田急「新ダイヤ」が解決できない根本問題

快速急行は続く混雑、小田急はどう対応?

複々線化完成によって列車の大増発が実現した小田急(編集部撮影)

2018年3月17日、小田急にとって50年以上の間「夢」だった、複々線による列車大増発が実現した。同日行われたダイヤ改正により、平日朝ラッシュピーク時の運行本数はダイヤ改正前の1時間あたり27本から36本へ一気に増発され、これまで首都圏主要31線区の中でワースト3位に入っていた混雑率は192%(2016年度)から150%程度まで下がると推計されている。

東洋経済オンライン「鉄道最前線」は、鉄道にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

今回のダイヤ改正では、新たに多摩線内始発の新宿行き「通勤急行」と、本厚木・海老名・成城学園前始発で東京メトロ千代田線に乗り入れる「通勤準急」が登場したほか、快速急行も大幅に増発され、これまでのダイヤとは列車種別も大きく変化した。

では、実際に小田急の通勤はどう変わったのか。そこで、筆者は朝ラッシュ時の各種別(快速急行、通勤急行、通勤準急、千代田線直通の各駅停車、新宿方面の各駅停車の5種別)の先頭車両に乗車し、その実態を確かめてみた。

乗車前に時刻表を確認したが、10分間に快速急行2本、通勤急行1本、通勤準急1本、新宿行きの各駅停車1本、向ヶ丘遊園始発千代田線直通の各駅停車1本が運転されるダイヤとなっており、以前とは比べ物にならないほどわかりやすいダイヤになっていた。

駅と駅の間で停まらなくなった

まず、スピードは確かに速くなった。

町田7時52発の快速急行に乗ってみた。新宿8時30分着というまさに朝ラッシュピークの列車だが、ほとんどの区間で昼間の列車と遜色ないペースで快走。以前は駅と駅の間で停まることも多かったが、一度も駅間停車なしで新宿まで走り抜けた。長年小田急で通勤してきた人たちには信じられない感動ではないだろうか。

複々線区間はもちろん途中で停まることはないが、以前は頻繁に各駅停車に追い付いて駅と駅の間で停まっていた新百合ヶ丘―向ヶ丘遊園間でも、徐行運転ではあるものの途中で停まることはなかった。

次ページ通勤急行はすいているが快速急行は激混み
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

  • 新百合ヶ丘で両ホームに並べれば887a037aac97
    新百合ヶ丘であえて快速急行から通勤急行に乗り換えています。
    混雑度がまったく違うので快適なのですが、
    おなじ行動を取る方は多くはありません。
    ホームで2~3分待つのが面倒なのかもしれません。
    改善方法として、通勤急行の新百合ヶ丘到着を少し早めて、5番線6番線に並べるのはどうでしょう?
    混雑度の差が目に見えてわかるように、すれば、空いている電車を選ぶ人も増える気がします。
    up25
    down1
    2018/6/23 10:59
  • NO NAME851fffeabf0d
    複々線は勿論だが、
    新百合ヶ丘〜向ヶ丘遊園間の複線区間でも、ラッシュ時の制限速度を一定にする事で、渋滞緩和に成功したのはスゴい。
    他社も導入していないなら、積極的に真似するべき。
    up20
    down2
    2018/6/23 07:54
  • NO NAME24b8d68b3938
     多くの列車が設定されるラッシュ時に、代々木上原駅で平面交差が発生する根本的な要因は、「千代田線への直通に対応する小田急車両の数が少ない」ことに尽きるだろう。
     直通列車は、各社の車両が他社の線路を走行する距離を可能な限り相殺するよう設定される。ところが小田急は、線路が一番長いにもかかわらず、千代田線に入れる車両の数が一番少ないため、千代田線直通列車の頻度は下がらざるを得ない。複々線化が完成する以前、小田急の線路容量が足らず、直通列車を多く設定できなかったことの名残であろう。
    up17
    down1
    2018/6/23 08:36
  • すべてのコメントを読む
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
官僚の掟<br>忖度エリートのカネと出世

不人気、不遇、不祥事で没落するエリートたちの悲哀。次々に発覚する官僚たちの過ち。採用応募者は年々減少し、東大生の官僚離れが顕著に。それでも官僚はおいしい仕事なのか?