23日は「慰霊の日」。多くの住民を巻き込み、苛烈(かれつ)な地上戦となった沖縄戦の組織的戦闘が終わってから73年となった。沖縄県内各地で20万人超の犠牲者を追悼する行事が営まれる。
糸満市摩文仁の平和祈念公園では午前11時50分から県などが主催する沖縄全戦没者追悼式が開かれる。正午の時報に合わせて黙とうし、戦没者に祈りをささげる。追悼式では翁長雄志知事が平和宣言を読み上げ、不戦と恒久平和を希求する沖縄の思いを国内外に発信する。安倍晋三首相と衆参両院議長が来賓あいさつするほか、福井照沖縄担当相や小野寺五典防衛相、加藤勝信厚労相も出席。外務省は河野太郎外相は海外出張のため、佐藤正久副大臣が代理で参列予定。
国籍を問わず、沖縄戦などの戦没者の名を刻む平和の礎には、今年新たに58人(県内47人、県外11人)が追加刻銘され、計24万1525人となった。
22日は平和祈念公園で灯籠流しがあった。那覇市の赤嶺陽茉里(ひまり)さん(14)、依乙里(いおり)さん(12)姉妹はこの日、祖母や父と共に、曽祖父や親戚の名前が刻まれた平和の礎を訪問。沖縄戦当時2歳だった祖母が、公園そばの壕に家族で避難していたという話を初めて聞いた。
陽茉里さんは「今はこうやって家族で来られるくらい平和だけど、昔は大変だったと思う。生き残った人のおかげで自分がいると感じる」。依乙里さんは「こんな戦争が起きないよう、平和な世界になってほしい」と願っていた。