いろいろな用途に使えるバージョン管理ツール「universions」がすごい
- 酒井 涼
- 2018年6月21日
- ニュース
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ライター・コラムニスト。デザインやテクノロジー、マーケティングやライフハック系の記事が得意。2016年からferretでも記事の執筆を開始。
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バージョン管理をすることで、過去の制作物と比較しながら作業を遂行することができるので、Gitをはじめとしたバージョン管理システムは、エンジニアの必須環境となっています。
一方、Webクリエイターの中には、黒い画面にUNIXコマンドを打ち込むのに苦手意識がある方もいるでしょう。バージョン管理をしたいけれど、従来のバージョン管理システムでは敷居が高いと感じている方もいるはずです。そこでオススメなのが、コラボレーション ツール 「universions」です。
そこで今回は、いろんな用途に使えるバージョン管理 ツール 「universions」の概要や使い方をご紹介します。内製の HTML サイトも、 WordPress サイトも簡単に設定できるので、ぜひ使い方を学んでみましょう。
「universions」とは?
universionsは、「Webクリエイターのためのファイル管理コラボレーション ツール 」を標榜している、直感的に使えるバージョン管理 ツール です。
これまでも、ferretではデザイナー向けにGitHub Desktopの使い方やデザインバージョン管理システムAbstractの概要をご紹介しました。しかし、構築が手間だったり、敷居が高いと思って諦めてしまうひともいたのではないでしょうか。
イメージ画像 / Unsplash
universionsなら、複数人で協業するプロジェクトで、直感的にWeb制作におけるタスクを整理し、ステータスの管理で作業を可視化してくれます。操作も非常に簡単なので、すぐに使い方を覚えてしまうでしょう。もちろん、一人でサイト構築する際にも使えます。
また、無料でプレビュー用のサーバーが付いてきます。PHPとMySQLにも対応しているので、 WordPress のバージョン管理までできてしまいます。
本番サーバーへのリリースも、リリース開始日時をあらかじめ設定するだけでデプロイできるので、非常に便利です。 WordPress サイトを構築する際には、「 WordPress インポート・エクスポート機能」によって、ボタン一つで本番サーバーに移行することができます。
「universions」を使う3つのメリット
1. クリエイター向け機能が揃っている
universionsが国内のWebクリエイターたちの多大なる人気を集めている理由は、ファイル履歴の管理以外にも、様々な必要機能がすべて詰め込まれているからです。
プロジェクトごとにチャットやタスク管理、ノートと呼ばれるWikiといったさまざまなツールが揃っています。資料の保管も可能で、書式はマークダウンで書くことができます。
さらに、メニューバーのタブをドラッグ&ドロップで入れ替えたり、保存データをSSH接続しているので、セキュリティ対策も万全です。
2. デザインファイルも簡単プレビュー
Adobe Photoshopのファイル拡張子「PSD」やIllustratorの拡張子「AI」のファイルを専用 アプリ で開く必要はありません。こうしたファイルも、universions内で簡単にプレビューすることができます。
また、素材専用のストレージがあるので、画像に部分的なコメントを付け加えたり、レビューも簡単に行うことができます。
3. 3つの環境で使える
universionsはデスクトップ アプリ 版の「Mac」と「Windows」、そして ブラウザ 版の「 Google Chrome」に対応しています。
アプリ 版では、 ブラウザ では利用できない多くの機能を使うことができます。例えば、 ブラウザ ではファイル操作に関して追加や上書きのみ対応していますが、 アプリ 版では追加や編集だけでなく、削除やリネーム、ファイルの同期も行うことができます。
ダウンロードはこちらから行えます。
「universions」の基本的な使い方
それでは、universionsの基本的な操作方法についてご紹介します。ここでは、 WordPress サイトのプロジェクトを作ってみましょう。
1. サインアップして アカウント を作成
まずは、universionsの トップページ にて、「プロジェクトを開始する」ボタンを押します。
すると、新規登録画面に移動するので、ソーシャルアカウントかメールアドレスで登録を行います。
ユーザー 名やパスワードを入力し、「保存」ボタンを押します。
移動すると、デモプロジェクトが表示されるので、操作してみましょう。
2. プロジェクトを作成
続いて、右上にある「プロジェクトを新規作成」ボタンをクリックします。
すると、プロジェクト名やプロジェクトIDなどを入力する欄があるので、任意の名前をつけます。
プロジェクトタイプは「 WordPress 」を選択します。うまく入力できない場合は、プロジェクトが上限に達している可能性があるので、ダッシュボードで使用しないプロジェクトをアーカイブ化しましょう。「OK」を押したらプロジェクトが作成されます。
たったこれだけで、 WordPress のファイルがローカルに同期されます。試しに、プレビュー用のサーバーを開いてみましょう。ダッシュボードに移動し、地球儀のアイコンをクリックしてみてください。
サンプル用のサーバーのため、IDとパスワードを入力する必要があります。ID・パスワードはモーダルウィンドウに表示されるので、表示された通りに打ち込みます。
すると、このように WordPress サイトが表示されました。
サイトの URL に「/wp-admin」を加えることで、同じID・パスワードでログインできます。 WordPress の管理画面から、記事を作成することも可能です。
3. プロジェクトを開く
ダッシュボードで扉マークのアイコンをクリックすると、ダッシュボードを開きます。
「設定」では、プロジェクト名を設定しなおしたり、メンバーを追加することができます。また、プレビュータブではphpMyAdminなどのパスワードも確認することができます。
「タスク」タブでは、具体的なタスクをマークダウン形式で作成できます。「ノート」も同じような機能ですが、「タスク」では期日や担当者を指定できるのに対して、「ノート」はWikiのような使い方を想定しています。
また、「本番サーバー」タブでは、 FTP やサーバー情報などを設定することで、プレビューサーバーの内容を本番サーバーに移行できます。 データベース を移行するかの有無なども設定できるので、プレビューサーバーに書き込んだ記事を本番サーバーに移行することも可能です。
気になるプランと料金は?
2018年6月1日現在
universionsは、「スターター」「ライト」「スタンダード」「プロ」「エキスパート」の5つのプランが用意されていますが、「スターター」は無料で利用できます。
ソースコードは1プロジェクトにつき1GB、メンバー数は無制限というのはどのプランも変わりません。まずはスターターで使ってみて、サービスがスケールアップしたらプランアップする、という使い方がオススメです。
まとめ
universionsを使えば、面倒なファイル管理、煩雑なやりとりが減るので、本来のクリエイティブな業務に集中することができます。Gitのような ツール は使い方を学ぶのに時間がかかりますが、universionsは学習コストがほぼゼロで、気軽にファイルを管理することができます。
universionsはユーザーの声を反映し、どんどん使いやすくなっています。バージョン管理が初めての方にもおすすめなので、この機会に使ってみてはいかがでしょうか。