資産家の愛犬から覚醒剤検出せず

“紀州のドン・ファン”とも呼ばれた和歌山県の資産家が急性覚醒剤中毒で死亡したことをめぐり、警察がその20日ほど前に突然死んだ愛犬を詳しく調べた結果、覚醒剤の成分が検出されなかったことが捜査関係者への取材で分かりました。

和歌山県田辺市の会社社長、野ザキ幸助さん(77)は先月24日、自宅で急性覚醒剤中毒で死亡し、警察は亡くなった経緯に不審な点があることから容疑者を特定しないまま、殺人の疑いで捜査を続けています。
これに関連し、警察は社長が亡くなる18日前の先月6日に、愛犬「イブ」が突然死んだことに注目し、埋葬されていた自宅の庭から掘り出し、専門機関に依頼するなどして鑑定を行っていました。
この結果、「イブ」の血液や、臓器などから覚醒剤の成分が検出されなかったことが、捜査関係者への取材で分かりました。
これまで捜索を行った野ザキ社長の自宅や会社などからは、覚醒剤は見つかっていないということで、警察はどのようにして覚醒剤を摂取したのかについて引き続き慎重に調べを進めています。
野ザキ社長は資産家として知られ、数多くの女性との交際をつづった自伝のタイトルから“紀州のドン・ファン”と呼ばれていました。