中国マイクロブログサービス「ウェイボー」は、「2017年スマートフォン報告」を公開した。ウェイボー利用者にアンケートを行い、その結果をまとめたもの。スマホのブランドや機種によって、ユーザープロフィールが大きく違っていることが明らかになった。
ウェイボー利用者の3割はiPhone
ウェイボーは約5億人のユーザーがいるマイクロブログサービスで、日本のツイッターにあたる。
ウェイボーをよく使う人は、世の中のことに関心があり、意識は高め。収入も高めの人が多く、iPhone比率は高め。最近の販売ランキングでは、5位以下に落ちているアップルだが、iPhone5からiPhone7あたりは、中国でもよく売れ、いまだに使い続けている人が多い。
それでもiPhoneは年々シェアを落としている。以前は、一度iPhoneを使うと、機種変更時にも再びiPhoneを選ぶ残留率が圧倒的に高かったが、それに陰りが出てきている。国産スマホの性能や品質があがってきているからだ。
▲ウェイボー利用者のここ3年のスマホシェア。あいかわらずiPhoneが多いが、年々シェアを下げている。一方で、OPPO、vivo、ファーウェイといった国産スマホがシェアを伸ばしている。
▲各スマホブランドの残留率。機種変更時に、同じブランドを選んでいるかどうかを尋ねたもの。iPhoneは残留率を下げた唯一のブランドになってしまった。
アンドロイドを選ぶ理由は「性能」
アンドロイドを選ぶか、iOSのiPhoneを選ぶかで、重視をしたポイントは、想像の通りで、iPhoneは操作のし易さ、ブランド、デザインなどが上位にくる。iPhoneは女性ユーザーが多く、スマホをアクセサリーのひとつとして考え、多少高くても高級なものを持ちたいと考えるのだろう。
一方で、3年前はアンドロイドの1位または2位にきていた「価格」は4位まで後退している。性能や画面配置(アイコンや壁紙などの画面構成)、デザインなどでアンドロイドも選ばれるようになっている。特にiPhoneの弱点であった急速充電、セルフィーカメラ画質などで国産スマホは消費者の心をつかんできた。
ただし、ブランドに魅力を感じて選んでいる人はまだ多くなく、各メーカーはまだまだアップルに追いつくためにしなければならないことが多い。
ユーザープロフィールが似ているiPhoneとOPPO
国産スマホであるファーウェイ、OPPO、vivoは、同じではなく、ユーザープロフィールに大きな違いがある。
面白いのは、どのような場所でウェイボーにツイートをしているかのデータだ。iPhoneの場合「レストラン」「小売店」「屋外」が上位で、消費生活を楽しんでいる様子がうかがわれる。
面白いのは、iPhoneとOPPOはよく似ているのに、サムスン、ファーウェイ、シャオミーになると「オフィス」が上位にきて、娯楽はホテル(旅行)が多い。なんとなく、普段はバリバリ働いて、休暇は旅行に行くというアクティブな姿が浮かんでくる。
ちょっと変わっているのがvivo。レストランではなく、中華料理店からのツイートが多い。地方都市で、遊びにも目もくれず、商売にいそしんでいる姿が浮かんでくる。
都会のiPhone、地方都市のOPPO
また、興味深いのが、各機種ごとの男女別、年齢別、都市別データだ。iPhone 8とOPPO R11が面白い対照を見せている。
OPPO R11は、カメラ機能でアピールした機種。デュアルカメラで高精細な写真、動画が撮れるだけでなく、インサイドカメラの解像度も高くし、美しいセルフィーが撮れることから、女性に受けている。男女比で見ると、iPhone 8とOPPO R11が女性比率が高いのだ。
ところが年齢、や都市分布を見ると、iPhone 8は30代以上まで広がっていて、1級都市、2級都市が中心であるのに対して、OPPO R11は若い世代のみであり、4級以下の都市にまで広がっている。
つまり、iPhoneとOPPOはかなり似通っていて、地方都市の若い層はiPhoneではなくOPPOを選んでいるのだと思われる。iPhoneは大都市では販売店もサービス拠点も多いが、3級都市以下になると販売拠点が少なくなることが大きいのではないかと思われる。
男性ユーザーが多いシャオミー
また特徴的なのがシャオミー6。男性比率が80%近い。ツイートする場所のデータでも「オフィス」「ホテル」「娯楽施設」で、「働く男のシャオミー」というイメージなのかもしれない。
地方都市で好まれるvivo
vivoも特徴的だ。見事に4級以下都市にユーザーが多い。地方都市の人が使うvivoというイメージのようだ。
なお、報告書では、その他の機種についても、このようなプロフィールデータを掲載している。グラフなので、中国語がわからなくても理解ができる。興味のある方は報告書本文を読んで見ていただきたい。
横並びにならない競争をしている中国スマホメーカー
こうして見ると、中国スマホのユーザープロフィールは、ブランドごと、機種ごとに大きく違っていることがわかる。それも当然だ。中国企業は、横並び競争をせずに、横に並ばない競争=差別化戦略が徹底しているからだ。急速充電、セルフィー撮影がiPhoneの弱点だと見ると、すぐにそこに特化した機種が登場してくる。
現在、中国のスマートフォン消費は伸び悩んでいるが、関係者は悲観していない。今年から5Gの利用が始まり、2019年には100万箇所以上の4G基地局が5Gに更新される。そのために、買換え期間が伸びていることが原因で、来年になれば販売台数は大きく伸びると見ているからだ。今年は、5Gを意識したスマートフォンが登場してくることになる。
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