るっちょ らいつ

るっちょ ぷれぜんつ 開発の日々。

Webでうごく超軽量Unityランタイム、Tiny Editorを試してみる

GDCに続き、Unite Tokyoでも紹介された「Tiny Editor」。コアランタイムのサイズ72KBという衝撃的な数字に目を引かれた方も多いと思います。

blogs.unity3d.com

多くの方がご存知の通り、UnityのWebGLは重いのが難点です。特にスマホではまともに動作しないことが多い。しかし今回発表されたこの技術では(コンテンツにもよるとは思いますが)スマホでも軽快に動作するうえ、ロードも爆速です。ビルドして出力するファイルを単一のHTMLに収めることも可能なようです。

 

インストールしてみる

github.com

Tiny EditorはPackage Manager経由で入手できます。Unityのバージョンは2018.1以上でOKなようです。

プロジェクトを作成したら、まずPlayer SettingsからRuntime Versionを.NET 4.xに変えておきます。

次に実際にPackageを入れてきます。プロジェクトディレクトリ中の「Packages/manifest.json」を以下の様に書き換えます。

 

{
  "dependencies": {
  },
  "registry": "https://staging-packages.unity.com"
}

 

次に、上記のリポジトリをcloneなりDownload Zipするなりして、「com.unity.tiny.editor」をPackages下に配置します。

ここまで設定すれば、Unityでプロジェクトを開くとPackageがインストールされると思います。メニューバーに「Tiny」の項目があればOKです。

サンプルをみてみる

先ほどダウンロードしたリポジトリの中のAssets以下にサンプルが入ってます。これの中の好きなものをコピーします。

メニューバー「Tiny」>「Layouts」>「Tiny Mode」にすると画面がTiny Editor仕様になります。

f:id:ruccho:20180609185812p:plain

Tiny EditorウィンドウからImport Projectします。

サンプルプロジェクトは「.utproject」「.utmodule」ファイルを読み込むことできるようです。

読み込めたら、Tiny Editor右上の「Export」を押すとビルドされ、サーバーが立ってブラウザから開けるようになります。

http://localhost:9050/ を開くと動かせます。早すぎてUnity製であることを忘れてしまう。

Dice Roller

複数のさいころを回すサンプル。

f:id:ruccho:20180609190100p:plain

 

Dragon Match

よくある感じのパズルゲーム。

f:id:ruccho:20180609190412p:plain

 

Slot Machine

その名の通り。

f:id:ruccho:20180609190741p:plain

 

所感

プレイアブル広告が用途の例として挙がっていたように、相当できることは限られそう。現状テストプレイするにもいちいちJavascriptへの変換が入るし、すぐ作ってすぐ試せるというUnityの良さを犠牲にした結果の軽さともいえるかもしれない。WebGLの代替になるのかはわからない。ただまだプレビューだし、この速さが活かせるところはいろいろありそう。

Tiny Editorをちょっと覗いてみたけど、ECSを前提としたエディタの設計だったり、JSを直接書いてAssetsにつっこんでたりしている。今までのUnityとかなり勝手は違いそうだし、奥が深そうなので、もっと弄ってみる。