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ローリングはこの点を「魔法界」という設定によって極端化、戯画化することで、レトリカルに説得的に描くことができました。なるほど、ホグワーツは保守の牙城である。だが、その中でハリーは育ち、本当の敵であるファシズム・原理主義(ヴォルデモート)と戦う強力な支えを得られたという描き方です。pic.twitter.com/kVgHXbYdlr
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資本主義も民主主義も穴を見つけてそこを掘り返すことで成立しており、ですから、手の早い者、声の大きい者勝ちな所があります。しかし自由競争の原理は弱肉強食の原理でもある。いわゆる保守化にはこれに対する倦みがあるでしょう。理論面でも何らかの保守性や権威の効用が説かれるようになるわけですpic.twitter.com/xEiQ3PtCCC
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20世紀後半の「保守化」には様々な意味合いがあります。対抗文化の行き過ぎの揺り戻しがある。グローバル化の格差化がある。教育でも医療でも商売でも、サービス本位すぎることで、ヤクザのようなクレーマーに翻弄されるようになった。現場はどこも疲弊している。「優しい社会」は鬱の地獄です。pic.twitter.com/O0WHPqra3s
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魔法界は一種のパロディ世界ですので、不条理な連帯責任のホグワーツの教育をそのまま是認していると単純化はできません。しかし作者は明らかに「権威」というものの効用を肯定的に描いています。ローリングは即決的な右・左論争を超えて、七巻かけてゆっくり、権威の多様な側面を浮き彫りにします。pic.twitter.com/jVw8iwe9ij
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『ナルニア』にはユースタスという少年が登場します。彼は男女共学を含む「新教育」の犠牲者ということになっています。小賢しく、権利ばかり主張する、スポイルされた新人類。ルイスはこれを批評がましく書くのでうざったいのですが、ローリングが描いているのがまさに「旧教育」であることにご注目。pic.twitter.com/7ayXhe1tZ7
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ホグワーツの教育方針は極めて保守的です。上の者には絶対逆らうことができない。スネイプのように明らかに不条理な教授がいますし、寮ごとに連帯責任を負わされる。生徒のほとんどは校長と直接口をきいたことがない。「魔法界」という設定のため、この権威主義体制を読者はそのまま受け入れて読む。pic.twitter.com/IBNCHhuB6C
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全巻を読み通した読者は、ホグワーツの印象が途中から逆転することに気づいているでしょう。初めはゴリゴリの保守体制、権威主義の牙城のように見えたホグワーツが、途中から対ヴォルデモート戦における自由の砦のように見え始めるのです。五巻で魔法省が介入するようになったあたりから逆転する。pic.twitter.com/YmincYh0P7
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『ハリポタ』は左派リベラルだと申しましたが、簡単には割り切れないところが21世紀的です。当初、これは右だとか左だとか色々に言われたようです。宗教が保守化しているアメリカでは、いかにも異教的なハリポタは左だと言われた。英国では文化に注目して、魔法界の「英国性」ゆえに右だと言われた。pic.twitter.com/qJ59FwFZAi
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細かなこと。①の指定する細目が別の内容であれば、ハリー以外が対戦者として選ばれ、ダンブルドアがその子を育てます。②でヴォルデモートが関与するのは、魔法界が予言を信奉しているので、闇の帝王も当然そうだと合理的に推理できます。③の死闘関係は闇の帝王の性格から自動的に出て来ることです。pic.twitter.com/gwmdOWDpAV
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作者はもちろん種明かしはしません。予言が本物(決定論)ならハリーの主体性はなく、予言が偽物で一切が完全に偶発的であれば主人公の美質が無意味化しますが、実際には、策士ダンブルドアの手の込んだ努力と、それに応えたハリー自身の努力が差し挟まっているので、物語の緊張が保たれているのです。pic.twitter.com/2VOUdXvDMO
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マクゴナガルもダンブルドアも予言は本当の学問ではないと考えています。しかし策士ダンブルドアにとっては予言はシナリオとして使える。だから五巻では予言を信じるようにハリーを導いて決意させ、六巻では逆に予言は無関係で君自身の決断だと言って決意を補強しています。これは教育的な作為です。pic.twitter.com/iBLYwtcnxF
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よく考えると、この予言の実効性は怪しい。実際この予言が成就したのは、ヴォルデモートがこの予言の文言を信じてハリーを選び出し、ダンブルドアがその状況に合わせてハリーを大事に大事に訓育したからです。つまりこれは神秘的予言なのではなく、シナリオであり、結果的に自己成就予言となったのだとpic.twitter.com/BoDvHRortC
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しかし「考えさせる」ハリポタでは、そう簡単ではない。マクゴナガルは予言学に批判的です。だから我々もまじに考えるべきでしょう。予言による運命の決定があるなら、ハリーの英雄性・倫理性は無意味化する。人間に主体性がなくなる。キリスト教の倫理としてはそれを認めるわけにはいかないだろう。pic.twitter.com/M17XGEFAhj
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さて『ハリポタ』の論理性の実例を見ていきましょう。まず、トレローニーの第一の予言。ファンタジー定番の予言ですが、これがクセモノである。《七月末生まれの子と闇の帝王が死闘する》と。実際そのとおりになったのだから、これは文字通りの予言(未来を読み当てる言葉)であるように見えるのですがpic.twitter.com/tN67Oc6fUf
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ハリポタ賛成派と反対派の間には捻じれがあります。賛成派はハリポタが思考を促す所を良しと見た。反対派は、しばしば読みもせず考えもせず批判した。しかしハリポタが描いているのは、まさしくこの短絡的態度が現代においては危険であることではなかったか? 反対派は自ら「宗教」の評判を下げましたpic.twitter.com/4y4vHbLfiv
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論理的思考、様々な立場への想像力、社会力学がもたらす結果の推理、がハリポタ読書のポイントです。早々に批判した保守派はここを見過ごした。ラツィンガーは枢機卿時代にハリポタ批判者の贈呈本に礼状で答えましたが、これがお墨付きになって「教皇がハリポタを批判した」という噂がたちました。pic.twitter.com/ovP8pBuBCX
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一巻のダンブルドアの教訓は「愛じゃよ」ですが、これは「陳腐」だとも評されました。しかし作者はキリスト教的テーマとしての「愛」を堂々と提示したのであり、その愛がどんなものかを考えるのが読者の課題となります。作者がここで創作ファンタジーっぽい独創に走らなかったのは性根が座っています。pic.twitter.com/36fvySycFO
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ちなみにグルーシェニカの寓話「一本の葱」と趣旨が同じものを、同時代の仏教学者ケーラスが仏教説話として著書に記し、たぶんそれを鈴木大拙が訳したものを芥川が読んで、『蜘蛛の糸』として童話にしました。犍陀多≒葱の悪女≒スメルジャコフ≒ヴォルデモートという連関を思うと感慨深いですね。pic.twitter.com/4T3Ho0ofen
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『カラマーゾフ』エピグラフのヨハネの次節は《自分の命を愛する者はそれを失うが、この世で自分の命を憎む人はそれを保って永遠の命に至る》。これを寓意化したものが、生に固執せぬ「生き残った男の子」ハリーの《生》と、生に執着する「死の飛翔」ヴォル・ドゥ・モールの《死》の対照でしょう。pic.twitter.com/kIBCr3IPu2
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『カラマーゾフ』のエピグラフ《一粒の麦は、地に落ちて死ななければ一粒のままである。だが死ねば多くの実を結ぶ》(ヨハネ12章)は、死と復活、そして利他の救済の論理です。これは『ハリポタ』におけるハリーを取り巻く自己犠牲と救済の論理を明らかにしてくれるものでもあるでしょう。pic.twitter.com/4ahdvOzRhH
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