「営業だけをやっている、うちのような会社には障がい者に向く仕事があまりないので、なかなか割り振るのが難しいんだよ」
ある自動車部品の販売会社の総務人事担当者は、2018年4月に引き上げられた障がい者の法定雇用率への悩みを語る。
障がい者の法定雇用率達成のために四苦八苦している企業は、大企業よりも中小企業に多い。厚生労働省は、障害に関係なく希望や能力に応じて働ける「共生社会」の実現を目指し、「障害者雇用促進法」により、一定比率の障がい者を雇わなければならないとする「法定雇用率」を、民間企業や国、地方公共団体に義務付けている。
従業員が50人以上の企業は、これまでは従業員の2.0%以上、障がい者を雇用しなければならかった。この法定雇用率が18年4月から2.2%へ引き上げられた。また、対象となる民間企業の規模も、従業員50人以上から45.5人以上の会社へと拡大した。さらに3年後には、雇用比率が2.3%にまで引き上げられることが決まっている。
引き上げの理由には、まず精神障がい者の増加が挙げられる。加えて、障害者就業・生活支援センターをはじめとした、地域での障がい者の就労支援体制が充実し、企業内でも精神障がい者を雇用するためのノウハウが蓄積されるなど、社会全体で障がい者雇用を進める環境が整ってきているためだ。
このため経営者には、障がい者の雇用義務がこれまで以上に課せられた。民間企業に雇用されている障がい者の数は、14年連続で過去最高を更新している。17年6月1日現在、約49万5000人で、働く人全体の雇用率は1.97%。内訳は、身体障がい者が33万3000人、知的障がい者が11万2000人、精神障がい者が5万人だ。対象となる企業の雇用率達成割合も50%と改善してきている。しかし、数でみると約半数の企業が未達の状況だ。
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