なぜ巨大インターネット企業はWEB3.0を恐れているのか。

この記事は、Matteo Gianpietro Zagoの”Why the net giants are worried about the Web 3.0を翻訳したものです。全てのクレジットはMatteo Gianpietro Zagoに属します。

嵐の前の静けさ

ブロックチェーンの誕生は、ハイテク産業全体を混乱させるような動きを引き起こした。ブロックチェーンと暗号通貨の熱狂的愛好家はこれをWeb 3.0と呼んでおり、従来のビジネスモデルをすべて消滅させようとしている。これは要するに、ブロックチェーンという技術がWorld Wide Webの非中央集権化を促し、利益に飢えた企業の掌握から統制と所有権を取り戻し、均等にするからである。

Web 3.0のエコシステムはすでに3000種類以上の多彩な暗号コインと900以上の非中央集権化されたアプリケーション、すなわちDAppで構成されている(一つのDAppに関わっているのはたかだか50人のチームであるが、各々特定の業界の既存プレイヤーの打倒を目指している)。業界はまだ黎明期にあるものの、時価総額はすでに8000億を超えている。(訳注:元記事執筆現在)

Liberté, égalité, fraternité

訳注:フランス語で、「自由、平等、博愛」の意。フランス革命時のスローガンとして掲げられた。

これらの数字は、この動きが確かに革命であるという証拠を提供している。そして、18世紀のフランスと同様に、この革命は何百万人もの人々と少数の権力者との間に横たわる不平等のへの不満から起こったのだ。確かに、Web 2.0は、企業が統制と利益を独占するための肥沃な土台を提供したと言える。

巨大インターネット企業は統制を統合する以外に何もしていない。たとえば、貧しい国々に無料のインターネットアクセスを提供しようというMark Zuckerbergがイニシアチブを取っているinternet.orgを例に考える。このプログラムの意図には、Facebookが、インターネットへのアクセスを、彼らの思いのままに、制御し差別する可能性が考えられる

Facebookの最高経営責任者は、利益を守るために大金を費やしているが、それは彼だけではない。ジェフ・ベゾスがワシントン・ポストを買収したことは、アマゾンが買うことのできるもので、最も安くて巧妙な政治的保険になっている。この2億5000万ドルの値札は、同社に対してもたらされる潜在的な7000億ドルの「独占禁止法」の判決に勝るのだ。

こう言った状況は、もっと解放された、平等主義的な、目線の同じ者同士のインターネットが、いくつかの君主的企業とその長にとって懸念の原因になることを証明しているのである。


加速する混乱

trust-lessで、腐敗・検閲のないシステムへの移行は、単に必然的なことというのではなく、不可避であり、その変化は壊滅的なものになる。たとえば、次の例を考えてみよう。

暗号通貨交換所

暗号通貨交換所のMt.Goxは、かつて、中央集権的にデータを置いておくことがなぜ悪いアイディアなのかを、2014年に4億6,000万ドル以上のビットコインをハッカーによって襲撃されてしまったことで、世に教えてくれた。中央統治機関がなければ、誰も市場レートと変動価値を調整したり変動させたりすることはできない。矛盾した利益を持つ上司はいないし、他の誰よりもユーザーデータへのアクセスが多いユーザーはいない。 Web 3.0を一言で言えば、Web3.0は混乱を招く可能性があったのだ。

しかし我々は今、BitfinexEOSfinexのような分散型交換所が、誰かが操作することで起こる「失敗の中心点」を取り除くことで信頼のギャップを埋めている現実を目の当たりにしている。誰も操作できないという不変性により、消費者は直接的にやり取りすることができ、高くつく財務プロセスをスマートな契約によって自動化することができる。素早い清算とはるかに安い手数料を使って、小額決済とマクロ決済を実行できるため、暗号通貨と取引所は長期的には勝つのだ。


ストレージ

File Storage Web 2.0 > Web 3.0

現在、分散ストレージシステムでは、StorjFilecoinMaidsafeなどのDAppsが主導している。すべての企業が、コストを削減し、現在のストレージプロバイダーのセキュリティを向上させようとしている。プラットフォーム上のトークンと引き換えに、デスクトップ、サーバー、およびストレージデバイス間で未使用のストレージ容量を取引することを前提としている。データを格納するノードは、その代償として報酬を受け取り、フレームワークを持続させる。分散ストレージシステムを利用するためにかかるコストは集中型ストレージプラットフォームよりもかなり安く、これらのプラットフォームが間違いなく消費者を長期的に獲得することになり、企業は安全性とプライバシーを向上させた安価な方法を選択することになるだろう。


メッセージング&ソーシャルネットワーク

Messaging & Social Networks Web 2.0 > Web 3.0

あなたがトルコや中国に住んでいるなら、あなたは明白な検閲が行われることとコンテンツの内容が制限されてしまうことに慣れてしまっていることでしょう。 Erdogan(訳注:トルコのエルドアン大統領)がtwitterをブロックし、Xi Jingpin(訳注:中国の習近平国家主席)が誰かを彼をくまのプーさんと比較することを禁止したことを踏まえると、言い逃れはできない。そして、西洋世界も例外ではない。 Googleは昨年、非公開のGoogleドキュメントをスキャンし、違反やアクセス制限が必要かどうかを調べるためのコードを公開した。

言論の自由を要求することは誰にでも認められるべきであり、現在のインターネットの状況では、権力の不均衡が生じていて、それは企業や政府機関に利益をもたらすようにインターネットは操作され妨害されうることを意味している。

私たちはSteemitAkashaStatusのような分散型社会基盤がプライバシーの間隙を埋めるのを目の当たりにしている。中央機関のないアカウントへのアクセスや制限を要求する訴訟は起こり得ず、コンテンツはユーザーの手元に残されるのだ。


保険業と銀行業

Insurance Web 2.0 > Web 3.0

腐敗、インサイダー取引、貪欲。これらの用語は、保険業界や銀行業界と同義語になっている。私たちは盲目的に金融システムを信頼する必要がある。これは、これに変わる選択肢がないためである。意思決定は閉鎖されたドアの後ろで行われ、消費者は何も言えない。これらのセクターが企業の崩壊とスキャンダルについてのビラのトップになぜ立っているのかを考えるのは難しいことではありません。税制上の救済措置のうち1,820億ドル規模で、現在の壊れた制度は全員に影響を及ぼしている。

Banking Web 2.0 vs Web 3.0

ピアツーピア業界は、非営利団体が長期的に持続可能であるためにはどうすればよいかを実証した。たとえば、MozillaやWikipediaの場合、利益を重視したガバナンスの集中化が必要ではないことが証明している。しかし、この技術を、私たちはもっと大きく用いることできる。腐敗不可能でスマートな契約や暗号学的数学によって分散ガバナンスと信頼が提供される代替手段を、ブロックチェーンは提供する。ゲームのルールは最初から明確です。


ビデオストリーミング

Video Streaming Web 2.0 vs Web 3.0

2005年にYouTube(現在Googleが所有)は、ユーザーが作成したコンテンツを一般に公開したが、これは我々がインターネットを用いたやりとりの方法における歴史的変化であった。しかし、時間が過ぎ、利益目標が満たされなければならないとわかると、ゆっくりとしかし確実に大きな変化が見られました。YouTubeは無料と思われがちですが、私たちは個人情報(閲覧履歴/買い物習慣)をほとんど無意識のうちに交換しているのだ。コンテンツ作成者は、広告からのわずかな利益しか得ることができないのだ。

彼らの広告と検閲のポリシーはあいまいであり、多くのコンテンツ制作者は、ビデオに一貫性がなく、不当に収益化を妨害されていると主張している。 毎分400時間のコンテンツがアップロードされる中で、Googleはある広告が「必ずしも正当であるとは限りません」(訳注:一部の収益受け取りポリシーに違反するコンテンツに対して広告が表示されてしまうということ)を認めている。だから、もし世界最大のインターネット企業がそれを処理できなければ、集中管理は消費者には最適ではないようだ。


音楽ストリーミング

Music Web 2.0 vs Web 3.0

ストリーミングサービスで生計を立てているプロのアーティストの面では、30%の仲介者手数料は、彼らに生活の道を開いている人々と深く関わっている。分散化されたWebは、ユーザーがコンテンツの所有者にも受益者にもなるストリーミングサービスに置いて、より良いソリューションを提供する。Web3.0は、仲介者をなくし、広告主、視聴者、およびコンテンツ作成者が互いに直接関わることを可能にするのだ。

非中央集権システムの採用

非中央集権化が軌道に乗っているのがわかっていただけたと思う。が、そのアプリケーションや特定の業界にもたらすメリットは、主流のインターネットユーザーにはまだほとんど知られていない。 Internet of Blockchain(IBF)財団は、まさしくその状況に立ち向かおうとしている。財団の使命は、採用(訳注:非中央集権システムの採用)を促進し、Web 3.0 — データ、アイデンティティ、デジタル資産の完全所有権を保有する、よりユーザー中心のWeb — への移行を推進することである。

IBFはアクセシビリティの欠如が広範な採用を妨げていることを認識しているため、この問題に取り組むための分権化された枠組みであるEssentia.oneのサポートがあります。この分散型フレームワークは、分散型エコシステムを集め、複数のブロックチェーン間の相互運用性を実現する最初のものとなるだろう。 Essentiaは、Akasha、Aragon、StorjなどのDAppsをネイティブに統合しており、Web 3.0で情報にアクセスしデジタルライフを管理するためのユーザーフレンドリーな最初のインターフェイスを提供するだろう。

では巨大インターネット企業はなぜ心配しているのだろうか?それは、権力と支配権の濫用はそれほどしか長く持続できないからである。例えば、ルイ16世とマリー・アントワネットの身に起きたフランス革命がすぐに思い浮かぶ。しかし今度は、パリの人々が自由・平等・博愛を叫んでいるのではない。叫んでいるのは、団結してより良い世界を作ろうとしているテックコミュニティーだ。

Essentia as unique access to the Web 3.0


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