なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る

水曜インタビュー劇場(近未来公演):700台のカメラを設置して、スーパーの「トライアル」は何を分析しているのか (1/6)

» 2018年06月20日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 2018年2月。福岡市の東にある埋め立て地「アイランドシティ」に、近未来を感じさせられるスーパーマーケットが誕生した。出店したのは、九州を中心にスーパーやドラッグストアなどを展開する「トライアルカンパニー」。新たに生まれた「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」には、これでもかこれでもかといった感じで最先端のテクノロジーが詰め込まれているのだ。

 「スーパーセンタートライアル」(以下、トライアル)を利用したことがある人であれば、「えっ、本当に? 他のスーパーよりも安い印象はあるけれど、最新の技術を導入しているなんて信じられない」と思われたかもしれない。記者もそうである。関東でいえば「オーケーストア」のように、関西でいえば「スーパー玉出」のように、安さをウリにしている印象が強い。ただ、それは半分当たっていて、半分間違っていたのだ。

2月にオープンした「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」

 同社はITを積極的に取り入れていて、急成長してきた。業務アプリが入った従業員専用のモバイル端末を使っていたり、ポイントカードを発行して購買データを収集したり。客の立場からは“見えない”ところで、さまざまなことを行ってきたのだ。

 その流れのなかで生まれたのが、アイランドシティ店である。特徴は2つあって、1つは店内にカメラが多いこと。700台のカメラを設置していて、人の動きや商品棚をウォッチしているという。もう1つは、スマートレジカート(セルフレジ機能とタブレット端末を搭載)を100台以上導入したこと。たくさんの人が利用することで、売り上げアップと効率化を図っているという。

 店内に入ると、カメラ、カメラ、カメラ……。買い物をしている人たちはレジカートに搭載している端末に向かって操作、操作、操作……。テクノロジーのチカラを駆使することで、同社は何を狙っているのだろうか。オープンして4カ月が経過したわけだが、人の動きや商品棚を記録することで、どのようなことが分かってきたのか。トライアルホールディングスで副会長を務める西川晋二さんに話を聞いた。

トライアルカンパニーの売り上げと店舗数の推移
       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

- PR -

水曜インタビュー劇場 連載一覧

次回の掲載をメールで受け取る

<div style="clear:both;margin:15px 0 0 0;padding:10px;">世の中には「?」が溢れている。なぜ売れているのか、なぜ話題になっているのか、なぜ行列ができているのか――。こうした疑問を解くために、編集部の土肥義則がキーマンに直接アタック! 難しい話はやわらかく、やわらかい話は真面目に、対談形式で紹介する。<div style="background:#eee;padding:5px 10px;font-size:small;margin:5px 0px 0px 0px;">※こちらのページには2015年7月以降の記事を掲載しております。<br>それより前に掲載された記事にをご覧になりたい方は「 <a href="http://bizmakoto.jp/makoto/series/1822/" style="color:#369;">2015年6月以前の記事一覧</a> 」をご覧ください。</div></div>

Special

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

Digital Business Days

- PR -

アクセスランキング

  • 本日
  • 週間