はじめに
バーチャルYouTuberについて説明すると哲学的になるので知っているものとして進めます。
ではまずマシーナリーとも子とはなんぞやということから
これも見に来てる人はみんな知ってると思うけど一応
こいつ
- 往年のネタFlashのようなテキストトゥスピーチ発声
- 何故かアホみたいにディレイが効いて二重になる音声
- 読みにくい字幕
- 軟体動物のような冒涜的な身体挙動
- 執拗に入る椅子のきしみのような音
- 人類に対する挑発的な発言
- 口閉じろ
人に見てほしいという気持ちが伝わってこない。マシーナリーとも子は人の心がわからない。ロボットだからマシーナリーだから。
こんなん絶対流行らんわ。
しかしマシーナリーとも子はチャンネル登録者数1,570人(381位)、総再生回数1,127,358回(81位)と、そこそこの上位層に位置している(2018年6月15日22時現在 バーチャルYouTuberランキング様調べ)。というか総再生回数おかしくない?ケリンより多いんだけど。前世の力か。
なぜマシーナリーとも子はこんな内容なのに視聴者を集めているのか、俺はよく分からないのでそういうのは他の#マシーナリーとも子ブログに任せる。
だが、マシーナリーとも子が生まれ、そこそこの規模となるまでの流れとその先に思うことがあったので書き残したい。
あとハンドスピナーください。
バーチャルYouTuberとしての誕生と目的
先ほどちらりと触れたが、マシーナリーとも子には前世が存在する。バーザムを愛で、池袋晶葉ちゃんを愛し、あと作る料理の見た目が壊滅的に汚い男だった。
そいつのアカウントがある日突然マシーナリーとも子になっていた。
そんなことある?*1
知り合いがある日いきなりバーチャルYouTuberになっていたとかいう経験、あります?
私のツイッターフォロワーからはもう4人ぐらいバーチャルYouTuberになりました。
バーチャルYouTuberとしてデビューしたいとなったとき、何らかの目的があるはずである。
雑に分類すると、バーチャルYouTuberの目的には2つのタイプが存在する。
- バーチャルYouTuberになること自体が目的のタイプ
- バーチャルYouTuberになることによって何らかの目的を達成しようとするタイプ
前者はバーチャルYouTuberとして活動すること自体を目的とし、その活動を広げていく、あるいは維持することが目的のタイプである。始祖であるキズナアイちゃんをはじめ、大体がこのタイプ。
後者はバーチャルYouTuberという話題性を利用し、多くの人に訴求することが目的のタイプである。のじゃおじことねこますさんは比較的このタイプ。
つまるところ、自身のタレントを握りしめてバーチャルYouTuberの波に飛び込むか、バーチャルYouTuberという流れを自分の領域に引き込むか、である。
マシーナリーとも子は後者のタイプで、「池袋晶葉ちゃんを総選挙で上位に入れること」を目的としている。池袋晶葉ちゃんとは?総選挙とは?上位に入るとどうなる?そういうのは書くと長くなるのでマシーナリーとも子の動画を見てくれ。ただ池袋晶葉ちゃんはかわいいとだけ言っておく。SSR池袋晶葉ちゃんめっちゃ可愛いからみんなも引け。
ともかくマシーナリーとも子は池袋晶葉ちゃんの選挙活動をするバーチャルYouTuberである。
バーチャルYouTuberとしての活動
バーチャルYouTuberとなったあと、どういった活動をしていくのか。当然何らかのバーチャルの皮を被り、目的を達成できるように動画、あるいは生放送をYouTubeで配信していくことになる。
池袋晶葉ちゃんを応援するために、マシーナリーとも子はどういった皮を被りどういった動画をあげていくのか。最初に第一話を見て下さった方はもうおわかりですね?
まず前提として近い将来シンギュラリティが起こりサイボーグが人類を滅ぼす。
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池袋晶葉ちゃんに投票した奴は見逃してやる。
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脅迫か?出るとこ出るか?
ともあれマシーナリーとも子の動画の基本スタンスは人類の敵である。
人類の敵として池袋の各所に現れ池袋晶葉ちゃんの良さを語ったり、好きなSTGや格ゲーの話をしたり、池袋晶葉ちゃんの描き方を教えてくれたり(俺はぱっつん前髪描くのが死ぬほど苦手なので初手で死んだ)、総集編したり、あと池袋晶葉ちゃんの良さを語ったりする。
大体3日に1回は動画があがり*2、生配信もあったりなかったりする。総じて聞き取りにくいし字幕も見にくい、そして毎度訳の分からないことをしている。
だがその中で何かぶれない芯を感じる。
バーチャルYouTuberではこのどれだけ手を広げてもぶれない芯が大事で、この部分で人を引きつけてファンを作るのだと個人的には思っている。
バーチャルYouTuberの収益化と双方向性
バーチャルYouTuber活動には相応のエネルギー消費が伴う。それは時間であったり体力であったり、そしてお金である。
VR機材を1からひとそろい購入すると初期投資で数十万かかるし、そこまでしないにしてもマイク、カメラ、FaceRigだってタダじゃない。
あと生活費もかかる。
マシーナリーとも子はサイボーグのくせに金が無いらしい、なぜならどうでもいいものを買うから。(第20話参照)
現在、YouTubeの収益化申請の処理が滞っており、今や3000人を超えるバーチャルYouTuberの中でチャンネルの収益化が完了しているのは上層のほんの一握りである。
バーチャルYouTuberは活動資金が欲しい、ファンはそれを支援したい。
そこで数多のバーチャルYouTuberは活動資金(もしくは金銭というモチベーション byピーナッツ君)を集めるために利用しているのがBOOTHやAmazonリスト、pixivFANBOXである。
BOOTHは正直利益率は無いに等しいが、ここで自身のグッズを売るバーチャルYouTuberは多い。
バーチャルYouTuberはみんな基本的に一次創作なので、自身の姿を使ったグッズが作り放題なのである。*3
pixivFactoryで受注生産とすれば、原価は高くなるけども元手が要らず、在庫を抱えるリスクはなくなる。
マシーナリーとも子も早い段階でグッズ販売に手を出している。*4
Amazonリストは昔からインターネット越しでの応援行為で使われてきた。
欲しい物をAmazonのリストに突っ込んで公開し、ファンがそれを注文しプレゼントしてくれるシステムである。
リスト外の賞品も送れるのでたまに心ない奴がカラーコーンとか土とか塩とか送ってくるのでその際は受け取り拒否しよう。
pixivFANBOXでは単純に金銭を毎月投げつけられる。大体開設側がコースを分けてくれているので、無理の無い金額を選んでバーチャルYouTuberを金銭的に応援できる。
先日池袋晶葉ちゃんのSSRが実装された折、票田*5がここ経由でマシーナリーとも子に現金をぶつけた。それを受けてマシーナリーとも子は期待に応えガチャ配信でそこそこ爆死しつつ勝利した。
くるってんのか。
バーチャルYouTuberのリアルイベント進出
いまやバーチャルYouTuberはYouTubeを飛び出し他の配信サイトどころかインターネットをも飛び出してリアル世界でのイベントにも顔を出す。下記に列挙するがほんの一部である。
- ニコニコ超会議での超バーチャルYouTuBAR
- 月ノ美兎委員長のロフトイベント「月ノ美兎の朝まで起立しナイト(仮)」
- 響木アオちゃんのTSUTAYA三軒茶屋店での1stライブ
- バーチャルゴリラの「おいでよ!メゾン・ド・ゴリラ」
- ミソシタくんのライブ、そしてメジャーデビュー
- 富士葵ちゃんのメジャーデビュー!!!!*6
- 男鹿梨衣子ちゃんも「同人ゲームフェス」という即売会で会場から生配信をしてましたね
また、書籍によるバーチャルYouTuberの紹介も増えて来た。「バーチャルYouTuberはじめてみる」が出た際に話題になったのを見た方は多いだろう。
ここの編プロがやってるデラとハドウも面白いからみんな見ような。
そしてマシーナリーとも子はこのたび「バーチャルYouTuber名鑑2018」という本に載るらしい。
いいのか?載せていいのかこいつ?買うけど。
また、マシーナリーとも子は同人作家でもあり(第2話参照)、池袋晶葉ちゃんの本を出している。このブログをあげる2018年6月16日(土)、バーチャルYouTuberオンリー同人誌即売会「Youに夢中!」が開催されている。*7
その中のこのサークルにマシーナリーとも子がイラスト提供をしていた。
なにこの並び
イヌージョン氏、マシーナリーとも子、かみさま。
なにこの並び
イヌージョン氏は言わずと知れた応援ソングの創始者にしてバーチャルYouTuberの生放送に現れてはものすごい早さでその放送のファンアートを描いていくイヌである。
サムネの可愛いイヌにつられて動画を開くと瘴気にやられる。
イヌの飼い主も同じイベントに出てたらしいよ。ばかよし本欲しかったつらい。
かみさまはサン○オキャラのような可愛い見た目で可愛い声、優しい口調で語りかけてくるかわいいとたのしいとBANsが大好き癒やし系かみさまである。
毎週月曜朝にギター弾きながらお歌リクエスト生放送してるからお前らようみろ。
その2人に挟まれてマシーナリーとも子。
正気か?
なんか躍動感アルポーズで巨乳が強調されてるのがさらにムカツくなこいつ
ともあれ、バーチャルYouTuberの世界はこれからリアル世界にもどんどん広がっていくだろう。その最前線をいつしかマシーナリーとも子は走っている。
フォロワー、チルドレンの誕生
キズナアイちゃんの存在がシロちゃんやYUAちゃんをはじめ数多くの企業系バーチャルYouTuberを産んだように。
ねこますさんの存在が届木ウカ様やもちひよこ先生をはじめ数多くの個人系バーチャルYouTuberを産んだように。
熱量のあるバーチャルYouTuberの活動は視聴者に伝播し、フォロワーやチルドレンを自称するバーチャルYouTuberさえ産んだ。さらに影響を受けた側もどんどん影響を産み、日夜新しいバーチャルYouTuberが産まれている。
この芸風から、マシーナリーとも子からそんな存在が産まれるとは夢にも思わなかったが、ついに産まれてしまった。
マシーナリーとも子チルドレンの誕生である。
しかも小学生とその父親。
ナンデ?
この記事によって語られるバーチャルYouTuberという救い、親子の絆とそれを取り持つバーチャル技術の可能性。幼児教育という切り口からのバーチャルYouTuber論は必見である。
マシーナリーとも子ブログ企画この人が優勝でいいんじゃないかな。
心が汚れてるから最初ハンドスピナー欲しさにバーチャル娘をでっち上げた奴が出たのかと思った。
いわゆるキッズ層へのバーチャルYouTuberコンテンツの波及、これは本家YouTuberでの流れからいずれ達成されていく流れではあった。だが現状、私の狭い観測範囲で申し訳ないが、バーチャルYouTuberではまだ可視化されてはいなかった流れだと思っている。*8
上記でもあるようにリアルイベントもいくつか開かれてはいるがキッズの目撃談は無いし、チャンネルのアナリティクスが話題になった時でもこの年齢層について言及されたことはないように思う。*9
すくすくピーナッツくんや
あおい'sきっずチャンネル
でキッズ層への訴求は試みられているが(前者はそういうネタだと思うが)、未だにその層の実態は見えていない。視聴者側でもそうなのだから配信者側でのキッズ層なんてまだまだ先だと思っていた。
だがついに産まれてしまった、キッズ層のバーチャルYouTuber。
父親が技術面を請け負い、足りない知識をよりにもよって人類の敵たるマシーナリーとも子誕生の記録から吸い上げられた。
この件、どんなものでもインターネットに公開するとなにかに影響を与えていくのだというわかりを得た。
マシーナリーとも子は池袋晶葉ちゃんを応援するためバーチャルYouTuberの流れに乗っかり、先人がこなしてきた様々な活動を取り込みガッバガバなムーブで波をかき分けていった。そしてついに流れを追い越し新しい流れを産んだ。
おそらくこの親子もさらに新しい流れを産んでいくのだと思う。
この、影響が影響を産み、様々な分野に波及していく、それがバーチャルYouTuberなのだ。
おわりに
マシーナリーとも子は既存のバーチャルYouTuberの活動をなぞるようでその枠を揺るがし、いつしか新しい流れを産んでいた。
思えば、私はなぜバーチャルYouTuberを追っているのかをいうのを振り返るに、こんな風にどこから何が飛び出してくるのかわからない原始の宇宙のような混沌を楽しんでいるのかもしれない。
なんか最後の一文だけ書きたかったはずなんだけどマシーナリーとも子から主語を拡大させて界隈全体のことにくっつけてでっち上げるのに手間がかかった。
葵ちゃんのTwitterヘッダーキャンペーンのためにこの土日で葵の絵完成させなきゃなんねぇのになんでこんな長文書いてんだろう。
紹介したバーチャルYouTuberみんな素敵だからみんな見てね見ろ。
あとハンドスピナーくれ